古代四方山話

古代について日頃疑問に思っていること、思いついたことを徒然なるままに綴ってみたいと思っています

オオクニヌシの幸魂 奇魂 ①

2020-10-27 11:16:48 | 歴史

縄文時代の人口密度の数字を眺めていると、また妄想に捕らわれてしまいました。

今回は幸魂・奇魂についてです。

 

縄文後期の100万方kmあたりの人口(推定)は、関東が一番多く161人、中部が73人、東北65人、北陸63人、東海54人と続きます。

中国地方が最も少なく7人です。

推定人口16万300人のうち、14万700人が東日本、西日本はたったの1万9600人だそうです。

今から約2500万年前に気候が寒冷化して急激な人口減少がおこるまでは、東日本が圧倒的に先進地だったようです。

中国地方の出雲は、縄文時代にはまだ過疎地域だったことでしょう。

 

日本書紀のオオクニヌシ(オオナムチ)に関する神話に幸魂・奇魂が登場します。

神々しく海を照らしてやってきた光が

「私がいなければ、あなたは国を平定できなかった。私が共に国造りをしたからこそあなたは大きな功績を立てることができたのだ」

と語っています。

オオクニヌシが「あなたは何者か」と問うたところ

「私はあなたの幸魂 奇魂である」と答えています。

出雲大社には神話のこの場面を再現した、波と光る玉に向かい合うオオクニヌシの像があります。

 幸魂 奇魂 守給 幸給

出雲大社の「神語」です。

出雲大社教信者だった祖父母が存命中は、おくにがえりの際に私も「神語」を謹書し奉納してまいりました。

 

さきたま古墳群の「さきたま」の地名由来は幸魂からとする説があります。

オオナムチの国の平定を助けた「幸魂」とは、縄文後期には一番人口が多かった関東「さきたま」の勢力だったのではないでしょうか。

これが今回の妄想です。

神道でいうところの「幸魂」が助けたということではなく、現実に「さきたま」の勢力が出雲を開拓するのに尽力したということではないのかと疑っています。

「奇魂」はクシイ=越の勢力でしょうか。

これは関東や越の勢力の助けによってオオクニヌシが出雲を平定したという、古層の神話ではないのでしょうか。

神を冒涜する気はさらさらございません、祖父母よ怒らないで。