皆無斎残日録

徒然なるままに、日々のよしなし事を・・・・・

人間なんて

2009年05月02日 15時58分28秒 | 随想

いつのころからか、私は、人間はその知性ゆえにいつの日か自らで自らを滅ぼす宿命にある存在だ、と信じてきています。人間は、万物の霊長、人間の尊厳、などという言葉を自らに冠して驕っています。この宇宙の何処かの絶対的な存在からそのように認められ規定されたのでしょうか。人間が自らに冠する栄誉は我田引水・自画自賛にすぎません。人間の欲望は果てしなく、知性はその欲望を満たすために奴隷となります。人間以外の動植物の欲望は自然の摂理に従い貪りません。人間のそれのみが貪ります。真の平安は、宇宙の他のいかなるものからも、人間がかって存在したといういかなる痕跡さえも感じ取れないように無くなることだと思います。阿弥陀如来の西方十万億の仏土をすぎた浄土とはそこかもしれない。


今日、私鉄の駅に向かう途中、水路の上を通りかかり、ふと何気なく流れに目をやると何かが動いています。黒い鯉が何匹も群れをなして泳いでいるではありませんか。生活用水を流している汚い水路の水の中です。おそらく縁日か何かで買ってきたのを捨てたのが、命永らえて大きくなったものかもしれません。鯉は泥田の中で育つとはいえ、それにしても痛ましくも悲しい、思わず絶句してしまう光景でした。

ヘドロなす水路の水の濁りたる流れの中を鯉ぞ群れなす    木屑

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