皆無斎残日録

徒然なるままに、日々のよしなし事を・・・・・

続々々々「徒然草」の一節

2011年07月13日 06時23分16秒 | 読書・工作

徒然草も終わりに近づきました、あと少し。


以下もいろいろな文の中で良く引用される有名な一節です。

第百六十四段「世の人あひ会う時」


世の人あひ会う時、暫くも黙止する事なし。必ず言葉あり。その事を聞くに、多くは無益の談なり。世間の浮説、人の是非、自他のために失多く、得少なし。これを語る時、互ひの心に無益の事なりといふ事を知らず


人間というものは本当に口を噤んでいられない生き物ですからねぇ~。「知っていて、知らぬふりをしてはならぬ事と、知らぬふりをしなければならない事」「解っていて、解っていることを悟られてはならぬ事、解っていなくても、解っているふりをしなければならぬ事」など、兎角この世は難しい。


第百七十段「さしたる事なくて」


さしたる事なくて人のがり行くは、よからぬ事なり。用ありて行きたりとも、その事果てなば、とく帰るべし。久しく居たる、いとむつかし。
人と向ひたれば、詞多く、身もくたびれ、心もしづかならず。よろづの事さはりて時を移す、互ひのために益なし。いとはしげに言はんもわろし。心づきなき事あらん折は、なかなかそのよしをも言ひてん。同じ心に向はまほしく思はん人の、つれづれにて、「いましばし、今日は心しづかに」など言はんは、この限りにはあらざるべし。阮籍が青き眼、誰もあるべきことなり。
その時となきに人の来りて、のどかに物語して帰りぬる、いとよし。また、文も、「久しく聞えさせねば」などばかり言ひおこせたる、いとうれし。


確かに、人の家を訪ねるという事は、いろいろ難しい問題がありますネ。




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