一陽来復(いちようらいふく) あわてず・あせらず・あきらめず

"抗がん漢方"をサポートするスタッフがお伝えしていきます。
 れんげ草の花言葉...あなたと一緒なら苦痛が和らぐ

二十四節気「大暑」ー この頃の食養生

2024-07-22 15:39:40 | 食養生

     顔が見えるキッチン。」より転用

 

大暑とは二十四節気のひとつで、暑さが最も厳しくなる頃です。

江戸時代の暦の解説書『暦便欄』では、「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されています。

快晴が続き気温が上がり続ける時期で、まさに盛夏です。

 

大暑の頃の食養生

「大暑」は一年で最も暑い時期で、毎年7月22日~23日頃をいいます。

汗を多くかく真夏は、体力が消耗するだけではなく、消化器系の胃と膵臓の機能が低下します。

そのせいで疲労感にみまわれたり、食欲不振に陥ります。

 

そのため、中国では昔からの民間療法で、大暑の頃には、山芋(胃と膵臓の働きを高め消化を促進。

腎臓機能のアップ)・かぼちゃ(体力増進、解毒、美肌、血糖値の安定)などを食べることをすすめています。

また、夏は心臓が弱くなる季節とも言われます。

ナツメ、クコの実のような赤色の食物(暑さで疲れた心臓を癒す・美肌効果)・苦瓜・緑茶など、苦みのある食材をとるよう心がけます。

苦味の成分には、心臓を癒し、解熱、解毒のはたらきがあるとされているからです。

北京では夏の大根(中身が赤いもの)も勧めています。
殺菌や胃の機能を向上させるからです。

また暑さに負けないための体力増進に、高たんぱくで低脂肪の鶏肉や鴨肉などもよく食べます。

他には、解毒と解熱のためきゅうりなどの瓜系野菜や、疲労回復のため、クエン酸が豊富に含まれる柑橘類や梅などもおすすめ。

食欲が減退するため、冷奴やそうめんなど、のどごしのよい冷たいものを食べてしまいますが、その場合は体を温める生姜を添えるとよいでしょう。


この夏も昨年と同様に暑さが厳しくなりそうです。

昔から伝わる食の知恵を活かしつつ、元気に夏を過ごしたいものです。

このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

※Pan Wei’sChinese Cooking「大陸情韻」より転用

 


アルミノックス治療(光免疫療法)

2024-07-12 13:53:21 | がん闘病

 

  近赤外線を照射する臨床現場でのアルミノックス治療の様子。提供:楽天メディカル

 

頭頸部がん「アルミノックス治療(光免疫療法)」臨床現場で実際の治療にあたる医師にその効果を聞く

米国の国立衛生研究所(NIH)の日本人研究者、小林久隆氏によって開発されたアルミノックス治療(光免疫療法)は、

従来にはなかった全く新しいがん治療技術だ。

現状、治療対象は限定されているが、実際に臨床現場で頭頸部アルミノックス治療を行っている医師にその効果を聞いた。

 

アルミノックス治療とは

がんの治療法には大きく外科的な手術、抗がん剤、放射線、免疫療法などがあるが、いずれもがんだけでなく

健康な細胞や臓器にも悪影響をおよぼすなどの副作用が出ることが多い。

 

アルミノックス治療が、最初に学術誌に発表されたのは2011年のことだ。

すると、翌年にはオバマ米元大統領が一般教書演説で言及するなど、新たながん治療法として注目を集め始め、

健康な細胞をほとんど傷つけることなく、がん細胞だけを破壊することができる治療効果の高い治療法として期待されている。

アルミノックス治療では、特定の細胞に選択的に結合し、光に反応する薬剤の投与と、

特定の波長の光照射の組み合わせによって、がんの腫瘍細胞を選択的に死滅させる。

がん細胞の表面には、他の正常な細胞には少ない抗原(がん抗原タンパク質)があり、がん抗原と結合する抗体にIR700という光感受性物質をくっつけ、

それを点滴で患者へ静脈投与する。すると、抗体とIR700の結合体が、がん細胞に結合し、そこに光ファイバーで近赤外線を数分間、照射する。

光感受性物質が光に反応して結合している抗体の形を変え、それによってがん細胞の表面に物理的に穴を開ける。

こうした現象が、がん細胞の表面で無数に起き、がん細胞がみるみるうちに破壊されていくのだという。

 

アルミノックス治療では、2020年9月に使用薬剤(アキャルックス点滴静注250ミリグラム)の製造販売とレーザー光照射装置による

頭頸部がんへの治療法が承認され、2021年1月から耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域で保険診療が始まっている。

また、2023年11月からは歯科口腔外科領域でも治療が開始された。

先日、都内で頭頸部アルミノックス治療の提供開始3周年を記念した講演会が開かれた。国内外から300人以上の臨床医や研究者が集まり、

同治療法の成果について発表が相次いだ。

 

頭頸部がんの限定した治療が対象

では、実際の臨床現場で、頭頸部アルミノックス治療はどのような効果があるのだろうか。

広島大学大学院医学系科学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科の上田勉氏に話をうかがった。

 

──上田先生が最初にアルミノックス治療について知ったのはいつでしたか。

上田「小林久隆先生が2019年11月26日に、広島大学でご講演されたんです。

そのとき、初めて知りましたが、それまでは全く知りませんでした」

──小林先生のご講演を聴いてどのように思われましたか。

上田「光を組み合わせるアイディアは確かに理にかなっていますし、これはいい治療法だなと思いました。

ただ、その頃はまだ臨床試験の段階でしたから、うちの大学でもできるようになったらぜひやってみたいと思いました」

──いつ頃から治療を始められましたか。

上田「うちは日本で最初に手を上げた20施設に入っています。2021年から始めました」

──実際に治療を始めてみてどうでしたか。

上田「始めた頃には全国からたくさんのお問い合わせがありました。現状の頭頸部アルミノックス治療は、頭頸部がんで切除ができない局所進行性、

または局所再発の場合に限って使用が認められています。

手術で完全切除ができず、標準治療として放射線治療などをすでに受けている患者さんが対象になります。

頭頸部がんでは肺へ遠隔転移することがありますが、遠隔転移があり、全身療法が必要な患者さんには原則使えません」

──頭頸部がんに限定されているというわけですね。

上田「頭頸部がんは、口、鼻、副鼻腔、咽頭・喉頭、唾液腺、甲状腺など、首(鎖骨)から上で、脳と眼を除く臓器に発生するがんです。

現在、この治療のターゲットは、あくまで頭頸部がんであり、頭頸部の局所にできた切除不能ながん、あるいは頭頸部に再発したがんが治療対象になります」

──頭頸部がんのステージ(病期)は関係ありますか。

上田「がんのステージというのは診断がついた最初の評価で、がんが進行してステージが上がるわけではありません。

頭頸部アルミノックス治療は、どのステージの頭頸部がんでも切除不能の局所、あるいは頭頸部に再発したがんで治療対象になります」

──頭頸部に再発した場合、すぐにアルミノックス治療を受けられるんでしょうか。

上田「再発した場合、普通は切除手術ができないかを検討します。切除できない場合は薬物療法を試してみます。

化学療法や免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬など、いろんな治療法がありますから、それらを単独あるいは組み合わせて試してみて、

それでもダメな場合、頭頸部アルミノックス治療を始めます」

──再発してもすぐに受けられるわけではないということでしょうか。

上田「頭頸部で切除手術をした場合、大切な部位を取ってしまい、たとえ治療できても患者さんのQOLを下げてしまう危険性があります。

なので、できるだけ切除手術で広い範囲の部位を取ってしまいたくはありません。

ただ、先ほど言ったように、現状では、標準治療を差し置いてはできません」

 

次第に広げられつつある適用範囲

──光免疫療法が最後の手段ということになりますか。

上田「放射線は1回しかできませんから、一度使ったらもう次は使えません。

お薬での治療は、先ほど述べた通り、何種類もあるのでそれを使っていきますが、効かなくなったら変えていくとだんだん手数が減っていきます。

最終的には治療法がなくなってしまい、今後は緩和治療を中心にという話になっていました。頭頸部アルミノックス治療は、こ

の緩和治療の前に入ってきたというわけで、どんな治療法もなかった患者さんにとってはまさに希望の光のような存在なのかもしれません」

──アルミノックス治療は、魔法の杖ではないということでしょうか。

上田「私自身の実感としては、アルミノックス治療の効果はかなりあると思っています。

しかし、対象群と比較して治療効果はどれくらいというような医学的な研究は倫理的にもできないでしょう。

なので今後、実臨床の現場で少しずつ治療の成果を積み上げていくことが重要と考えています。

ただ、これまで全国で知見が蓄積されてきたことから、頭頸部アルミノックス治療の適用を少しずつ広げる方向へ向かっているのも事実です」

──適用を広げる方向というのはどういう意味でしょうか。

上田「対象となる患者さんは多くはないと思いますが、頭頸部がんの患者さんのQOLを重視した上でのケースです。

例えば、舌がんで口の中がもう腫瘍でいっぱいになるくらい大きくなって切除手術もできず、

長くかかる化学療法では患者さんのQOLに大きなダメージがおよぶ場合、化学療法の前にアルミノックス治療をやってもいいのでは、

というような適用の拡大もあり得るのではないかということです」

 

治療実績とその効果

──これまで何例くらい頭頸部アルミノックス治療の実績がありますか。

上田「うちではこれまで14例です(2024年4月現在)。頭頸部がんの種類としては、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、副鼻腔がんなどです。

これらのがんに対して、手術などした後再発し、それらに対してさらに手術や化学療法をした後再発された患者さんです」

──14例の内訳はどのようになりますか。

上田「男性が10例、女性4例です。CR(Complete response、完全寛解)7症例、PR(Partial response、部分寛解)3症例、

SD(Stable disease、安定)2例、PD(Progressive Disease、進行)2例です」

──この治療の効果をどのように評価されますか。

上田「アルミノックス治療をすれば、がんの腫瘍は確かに小さくなります。消えてしまう患者さんもいます。

当科の傾向としては、小さながんは消えやすく、大きながんは小さくはなるが消えるまではいかないようです」

──かなり劇的な効果があるというわけですね。

上田「もちろん、中には、期待する結果にならなかった患者さんもいらっしゃいます。ただ、頭頸部アルミノックス治療をすることで、

生存期間を延ばすことはできているのだと思います。

逆に、腫瘍が小さくなったり、消失することによる弊害もあって、例えば頬に腫瘍がある場合、光免疫療法で腫瘍がなくなると頬にぽっかり穴が開いてしまい、

患者さんのQOLを下げてしまうわけです。この治療を始めた当初は一気にやってしまおうという考え方でしたけれど、

4回までアルミノックス治療を繰り返せますから、一気にやって腫瘍のサイズが小さくなったり消失したりしてQOLを下げないように、

1回ずつ様子をみながら段階的に治療をし、頬の肉がなくならないようにやるといったことも始めています」

──4回しかできないんですか。

上田「頭頸部アルミノックス治療の今の適用ですと4回までです。

3回やって腫瘍がなくなったので、残りの1回を取っておいて治療を中断している患者さんもいらっしゃいます。

ただ、5回目以上についていくつかの施設で臨床試験をやっていまして、広島大学もその一つです。ですから、臨床試験の結果、効果があるとわかり、

何か新たな有害事象がなければ、5回目以上の治療についても今後、可能になっていくと思います。

また、何回でもできるということになれば、他の治療法と組み合わせながら、少しずつアルミノックス治療をやっていくというように治療戦略も変わっていくでしょう」

 

痛み、浮腫などの副作用が

──副作用などについてはどうでしょうか。

上田「治療中や治療後、治療当日と翌日に痛みをうったえる患者さんが多いです。

全身麻酔をかけて治療するんですが、麻酔をかけていても身体は痛みに反応しますから血圧が上がったりします。

光に反応して腫瘍がなくなっていく段階で、こうした痛みが出るのだと思います」

──痛みというのはわかりにくい訴えですよね。

上田「あまりに痛いので、もうやりたくないという患者さんもいます。

ただ今では局所鎮痛剤の投与など、痛みをあまり感じないように工夫もしています」

──痛み以外の副作用はどうでしょうか。

上田「治療部位にもよりますが、喉頭や咽頭に浮腫を生じ、気道をふさいでしまうことがよくあります。

そのため、あらかじめ呼吸ができるように気管切開をすることもあります。

頭頸部アルミノックス治療による治療が始まって3年ほどが経ち、治療戦略、副作用対策などが次第にはっきりしてきたと思います」

──光感受性物質による影響はどうでしょうか。

上田「最初の頃は、光曝露対策をしっかりやらなければということで、患者さんに常時、光が当たらないように細心の注意を払っていましたが、

今ではそこまでしなくてもいいことがわかってきました。

光に対する感受性テストをして、それで大丈夫なら退院となるのですが、入院中でも室内で読書する程度の明るさなら全く問題ありません。

ただし、屋外で紫外線を浴びたり、室内でも赤外線ストーブにあたるなどは危険です」

──上田先生のところでは、頭頸部がんの患者さんはどのような方が多いんですか。

上田「男女比でいうと男性が多いです。喫煙と飲酒の影響だと思います。年代は50代から80代までが多いです。

また最近になって、ヒトパピローマウイルスの感染による中咽頭がんの患者さんが増えています。HPVワクチンは男性も女性もうったほうがいいと思います」

 

臨床の現場で頭頸部がんの治療にアルミアルミノックス治療を使ってきた上田氏は、その高い治療効果についてこう実感を持って話してくれた。

使われ始めて3年ほどが経ち、次第に効果的な治療法が模索され、副作用対策などが講じられてきたことでアルミノックス治療の可能性が広がりつつある。

 現在、全国の多くの医療機関で、頭頸部アルミノックス治療による治療が受けられるようになってきている。

そして、この治療法に対する期待の高まりとともに、治療できる医療機関は増えていくだろう。

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上田勉(うえだ・つとむ)

1994年、広島大学医学部医学科卒業後、広島大学病院耳鼻咽喉科から国立呉病院耳鼻咽喉科を経て、

広島大学大学院医学系研究科博士課程外科系専攻へ進み、2003年に修了。

2010年に広島大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教から同講師、2018年より同准教授。

また、2018年に英国のUniversity of Birminghamへ留学。医学博士。

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※ Yahooニュース・エキスパート 2024年7月12日  配信記事より記事より記事より記事より転載

著者:石田雅彦(科学ジャーナリスト)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


はと麦茶と麦茶の違い ご存知ですか?

2024-07-04 10:39:53 | 食養生

  ⇔はと麦  ⇔麦(大麦)

 

麦茶がおいしい季節になりましたね。

「麦茶」と見た目も名前もよく似た飲み物「はと麦茶」。このふたつの飲み物の違い、ご存知ですか?

はと麦茶は、イネ科ジュズダマ属の「ハトムギ」(左)、麦茶は、イネ科オオムギ属の「オオムギ」(右)

を煎ってつくられています。

 

麦茶にもミネラル類がたくさん含まれていることは知られていますが、

はと麦茶には、鉄分カルシウムなどのミネラル類のほか、三大栄養素の1つであるタンパク質ビタミンB1・B2・Eもたっぷり含まれていて、

アトピー性皮膚炎肌荒れの改善などの美容効果血流代謝を促進する働きがあると言われています。

 

また,ハトムギの殻を除いて乾燥したものは「ヨクイニン」と呼ばれ、体の余分な水分を排出する働きがある生薬として用いられます。

じめじめ暑い季節の水分補給に「はと麦茶」はいかがですか?

※漢方 「一乗寺グループ」HPより転用しました

 


「腫瘍マーカー」の目的を正しく理解できていますか?

2024-06-27 16:08:56 | がん闘病

     がん情報サービス HPより転用

 

世の中にはがんに関するさまざまな情報があふれていますが、中には、患者の負担になる間違った情報も少なくありません。

例えば「簡単な血液検査でがんの早期発見ができる」とうたわれることがある「腫瘍マーカー検査」もその1つ。

そこにはどんな重大な誤解があるのでしょうか? 

正しい医療情報をわかりやすく発信する医師として注目を集める山本健人さん。

その最新刊『医者が教える 正しい病院のかかり方』からお届けします。

 

がんがあっても異常値が出ないという大きな欠点

がんに関わる検査の中で、「腫瘍マーカー」ほど、その目的を誤解している人が多いものはないと思います。

私が外来診療をしていてよく患者さんから言われるのが、「がんかどうかを調べてほしいので腫瘍マーカーを検査してください」というセリフです。

患者さんの発想は、「腫瘍マーカーが高いとがんの可能性がある。低ければがんではないと考えて安心できる」というものでしょう。

しかし、残念ながら腫瘍マーカーを「がん早期発見のためのツール」として使うことは、一般的には不可能です。

ここであらためて、「腫瘍マーカーとは何か」ということに関して簡単に解説します。

腫瘍マーカーは、がんから分泌される、あるいはがんがあるときに周囲の組織などから分泌される物質のことです。

こうした物質は血流に乗って全身を巡っているため、血液検査でその値(濃度)を調べることができます。

現時点で、腫瘍マーカーは50種類以上あります。がんがあれば、この値が高くなることがある。これは事実です。

ところが、腫瘍マーカーには大きな欠点があります。

1つは、たとえがんが体内にあっても、初期の段階で腫瘍マーカーの数字が異常値になることはほとんどない、ということです。

 

一方で、がんが原因でその数値が上昇しているのであれば、それは「それなりに進行したがんが体内にあること」を意味します。

「早期発見」には使えない、ということです。

それどころか、進行したがんがある場合ですら、腫瘍マーカーが上昇しないケースは多々あります。

これは、「偽陰性」と呼ばれるケースです。

 

腫瘍マーカーとしてよく用いられる「CA19-9」という検査項目があります。

この陽性率(異常値となる割合)を見ると、胆道がんや胃がん、大腸がんではとくに、病期(ステージ)が低い方が(早期である方が)陽性率が低く、

も進行したステージ4であったとしても、陽性率は60~80%程度。

つまり、10人に2~4人は、進行したがんがあっても腫瘍マーカーは基準範囲にとどまることがわかります。

乳がんの各種の腫瘍マーカーの陽性率についても、同じような結果が出ています(「臨床検査のガイドライン2005/2006」日本臨床検査医学会より)。

つまり、血液検査で腫瘍マーカーを測定して基準範囲に入っていたとしても、がんではないとは言い切れない以上、まったくもって安心できないのです。

早期発見に役立たないだけでなく、進行していてもなお発見が難しいのであれば、やはり「がんかどうかを調べるツール」としては不十分です。

 

がんがなくても異常値が出ることのデメリット

もちろん、ここまで読んで、「腫瘍マーカーが正常ならともかく、もし異常値が出て進行したがんが見つかるなら、

早期発見でなかったとしても、それだけで意味はある」と思った方がいるかもしれません。

残念ながら、腫瘍マーカーにはもう1つの大きな欠点があります。

 

「偽陽性」という問題です。

腫瘍マーカーは、がんに関連して血液中に流出する物質ですが、「がんであるときにしか産生されない物質」ではありません。

がん以外の病気でも上昇することは多々あります。がんではないのに検査の結果が「陽性」になってしまう、ということです。

例えば、前述の「CA19-9」は、胆のう炎や膵炎、肺の病気など、がん以外の多数の病気で上昇することがあります。

同様に、消化器がんや、肺がん、乳がんなどで上昇することがある「CEA」も、肝臓や膵臓の良性の病気で上昇することがあります。

またCEAは、喫煙者であるというだけで高い値を示すことも多い腫瘍マーカーです。(福田一郎ほか「人間ドック受診者のCEA値に及ぼす喫煙の影響」)

 

実際私たちも、「腫瘍マーカー高値」という検診の結果を持って患者さんが病院にやってこられ、

精密検査をして「何も異常が見つからない」という事態を数え切れないほど経験しています。

「腫瘍マーカー」という言葉でありながら、「がんだけで上昇する項目ではない」という点に注意が必要なのです。

偽陽性の場合、患者さんは本来必要がなかったはずの精密検査を受け、その検査費用と度重なる通院の手間、

体への負担、検査のリスクを負うことになります。

 

また、「腫瘍マーカーが高かったのに、精密検査では結局何も異常が見つからない」という結果を手にしても

なお、「本当に自分はがんではないのか?」という不安感がぬぐえないまま病院を後にする方はたくさんいます。

これが患者さんにとって日々の生活を脅かす、大きな心理的負担となってしまうこともあります。

中には、前立腺がんの「PSA」のように早期の段階で上昇するものもありますが、検診において使用すべきかどうか、

という点においてはまだ議論の余地があり、市区町村の対策型検診への導入は推奨されていません(独自に実施している自治体はあります)。

以上のことから、腫瘍マーカーを検診で測定することで私たちが幸せになれる可能性は低い、と私は考えます。

少なくとも、腫瘍マーカーを検診で測定したい、と考える方は、ここに挙げた多数のデメリットを、検診を受ける前に十分に理解しておく必要があるでしょう。

 

役に立つケースはごく限定的

では、そもそも腫瘍マーカーは、一体どういう目的で使用されているのでしょうか?

これはがんの種類によってさまざまですが、大きく分けると、「進行・再発がんに対する治療効果の判定」「がんの術後再発の発見」の2つがあります。

手術で切除ができないレベルまで進行したがんや、術後に再発したがんに対して抗がん剤治療(化学療法)などを行うと、

当初上がっていた腫瘍マーカーの値が下がってきます。この変化を見ることで、抗がん剤の効果を推測することができます。

これが、「治療効果の判定」です。

抗がん剤を使用しても腫瘍マーカーの数値が上がり続けるなら、「抗がん剤の効果が薄れているのではないか」と予想することができます。

逆に低い値のままなら、「抗がん剤の効果が維持できているのではないか」と考えることができます。

もちろん、こうした治療効果の判定をする場合でも、身体診察やCT、MRI、PET等の画像検査を併用する必要があります。

腫瘍マーカーの変化は「1つの目安」にすぎない、ということに注意が必要です。

 

また、がんの種類によっては、術後再発の発見に使用することも可能です。

例えば胃がんや大腸がんは、術後再発の検索を目的として、腫瘍マーカーの「CEA」と「CA19-9」を、

3カ月に1回といった比較的高頻度で測定することが推奨されています。

 

大腸がんの術後、定期的に血液検査で腫瘍マーカーを測定し、基準範囲を外れて上昇していれば、再発を疑って精密検査を行う、といったことが可能です(

もちろん偽陽性、すなわち精密検査を行っても再発が確認されないケースもあります)。

一方、乳がんは、術後に定期的に腫瘍マーカーを測定することの意義に関して議論の余地があり、必ずしも推奨されてはいません。

腫瘍マーカーは、がんの種類によっても、患者さんの病状によっても、その扱いがまったく異なるということです。

数値が上昇していたときの解釈にも、専門的な知識が必要です。

いずれにしても、腫瘍マーカーは、専門家の指示に従って「必要なシチュエーションでのみ測定すべきもの」と考えておくのがよいでしょう。

 

※『東洋経済 ONLINE 』記事より転載

  

出典:『医者が教える 正しい病院のかかり方』(山本健人 著 / 幻冬舎新書)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


肺がんステージ4:医者に見放されても、諦めずに抗がん漢方を飲み、がんに克った

2024-06-21 12:06:18 | がん闘病

              イラスト:ミッドタウンクリニック名駅 HPより転載

 

人を励ます生き証人の真実の声を伝えたい

S・Sさん(83歳・千葉県)が、ご自身の肺がんの闘病を報告くださいました。

小雨の降るなか、はじめてお目にかかれる体験者への取材なので、ドキドキ、ハラハラしながら向かうと、

周辺神社、ゴルフ場が点在する田園風景が広がる一軒屋の前で、明るい声で「遠い田舎まで、いらっしゃい」と、

笑顔の挨拶で出迎えてくれた須貝様の姿がありました。

初めてお会いする須貝様は、顔色もよく張りのある通る声で、とても患者さんとは思えないほどの元気さにびっくりしました。

ご自宅へ入ると、奥様の素敵な笑顔を拝見して、緊張で固まった身体もほぐれて、和やかな雰囲気のなかで、

奥様が用意してくださったお茶と茶菓子を頂きながら、須貝様の肺がんの体験記を伺いました。

 

話の冒頭、須貝様がパソコンで作成した体験談の原稿(下記)を見せてくれました。

そして、力強く「私は嘘も偽りもございません。自分が体験してきた闘病の真実をありのままに話し、

がんでお悩みの皆さんに少しでもお役に立てればと思い、体験談を書きました」と語り始めました。

 

突然の肺がんの宣告

2015年(平成27年)9月、前回健康診断の「異常なし」の結果から3ヵ月に経ったところの検診で、

いきなり医師から「肺がんです!」という結果を知らされました。

その時食欲はもちろん、ゴルフもしょっちゅう行けるくらいの体力があったのに、とても納得できない気持ちで、まさに青天の霹靂でした。

さらにその後の治療の話になると、医師に「抗がん剤を飲むか、それとも余命を楽しく暮らすか」の判断にも迫られました。

 

このまま人生を終わりたくない・・・

私はこのまま人生を終わりたくない、家族のためにも医師の言いなりになるまいという思いで、

自分の力を頼りに、四六時中パソコンとにらみ合って、必死であらゆるがん情報を収集すると同時に、

がんに良いと言われているサプリメントなども入手して、いろいろと比べてみました。

そんな苦労したかいがあって、やっと抗がん漢方・天仙液の公式サイトに辿り着き、そこで掲載した体験談をじっくり吟味したところ、

一番信頼できると自分なりの確信ができたので、無料のサンプル見本付き資料請求してみました。

後日、香港から請求した見本資料が届き、早速同封の「総合カタログ 製品情報概要」を読み、そのなかで書かれている注意事項をよく確認して、

自分は特に当てはまる箇所がないから、すぐサンプル見本を飲んでみました。

そしたら、身体中に天仙液がネバネバと張り付くような感じで、とても良かったと実感しました。

なので、とりあえず病院の抗がん剤を飲まずに、天仙液で様子をみようと決めました。

 

自分の信念を貫き、天仙液を飲み続けた結果、肺がん病に克った

2015年10月から、購入した天仙液Sを1日3本(60cc)飲み、その3ヵ月後のCT検査で、「影がなくなった」と医師に言われました。

その後、5ヵ月毎に病院での検診を欠かさず受けていました。

そして、2016年6月のCT検査で、つい内科と外科の医師から「がんが殆ど無くなっている」という嬉しい言葉を頂き、現在に至っています。

現在、病院の処方薬は「補中益気湯」と、胃腸を良くする薬だけです。

天仙液Sも継続して飲んでいますが、高価な薬なので、朝晩10ccずつを飲みながら、系列製品の天仙丸5号も併用することにしました。

天仙液S、天仙丸を飲むほか、日々の食事についてもゆっくり時間をかけて、食べ物をよく噛んで食べるようにしています。

特にお餅が大好きなので、昼食はいつも熱々の軟らかいお餅と、妻が作ってくれた糖分、塩分控えめの小豆あんをつけて食べっています。

好き嫌いがなく、食べ物はなんでも有難く、美味しく食べます。

本当に体調がよくて、午前中は畑仕事をやったり、午後から大好きなゴルフの練習をやったり、日々楽しく暮らしています。

とにかく、肺がんの皆様に言いたいのは、

たとえ医師に見放されても、諦めずに天仙液を飲む治療に専念してほしいと願っております。

まだまだ長生きできます。頑張りましょう、ここに生き証人がいます」と力強く言ってくれました。

 

取材の最後、須貝様に「がんに克った一番の要因とは何か?」と尋ねたところ、その答えは、

1.医師に見放されても、絶対諦めない気持ちを持つこと

2.情報収集は力になり、とても大切なこと。自分の身体だから、医者まかせ、人まかせにせず、自分の責任で治す、という姿勢が一番効果的である

3.信頼できる情報であるかどうかの確認は、手間を惜しまず、納得できるまで徹底的に調べること

  そして、これだと確信した治療法や治療薬を信じて、迷わずに進むこと

4.くよくよしないこと。お天道様が出たら起きて、沈んだら寝る、日々の快眠、快便、快食を維持すること

5.腹八分目の食事を心がけ、運動をすること

  

 以上、元気でパワーフルな須貝様の肺がん体験内容でした。

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須貝様ご本人が作成してくださいました書面を、そのまま掲載させていただきます

〔原文内容〕

 嘘も偽りも御座いません、真実を書いています。

 癌でお悩みの皆さんに少しでも役に立てればと思い、ここに筆を取りました。

  私、平成27年9月ある病院でCTを撮り、肺癌の恐れありで、ペットを撮り、肺癌と診断され、

余命を楽しく生きられるのが3ヵ月、生き延びて6ヵ月と云われ、抗がん剤を飲み治療するか、それとも余命を楽しく暮らすかの判断に迫られました。

 私はこのまま人生を終わりたくないと決断、いろいろパソコンで調べた結果、天仙液に到達し、治療に専念する事にしました。

20ml入の天仙液を朝食後9時に1本、昼食後3時に1本、夜食後9時に1本を3ヵ月飲み続けた所、その後病院でCTを撮った結果、

抗がん剤を飲まずに様子を見る事に、その後病院でCT5ヵ月毎に撮り、診察を続けています。

 結果は大変良く、癌も殆ど無くなり、現在に至っております。

天仙液は高価な薬、少しづつ良くなるにつれ、朝10ml、夜10ml飲み、段々良くなり、朝天仙丸2個から2個、夜天仙液を10mlと少しづつ減らして、

現在一本20ml入り天仙液3分の1、天仙丸1錠、夜食後9時に交互に服用しています。

 今は、畑仕事をやったり、午後から毎日ゴルフの練習をやったり、楽しく暮らしています。

 肺癌の皆さん、医師に見放されても、諦めずに天仙液を飲み、治療に専念しましょう。

 まだまだ長生き出来ます。頑張りましょう。

 ここに生き証人がいます。

        須貝 貞雄

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取材後記:

 がん治療は決して簡単なことではございません。

多くの治療のなか、どう病気と向き合うか、どの治療を選ぶか、またどのような結果を得られるかは十人十色ですが、

今回の取材を通じていかに自分を信じて、希望をもって治療に臨むことの大切さを教えられました。とても有意義な時間を過ごすことができました。

今後もこういった人との繋がりを大切に、学んだことを患者様とのそのご家族との交流に生かし、

患者様や家族に寄り添い、よりよいサポートができるよう心かけたいと思います。