一陽来復(いちようらいふく) あわてず・あせらず・あきらめず

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「マーガリンは体によくない」→ではなぜ日本で売られている?

2024-10-24 15:59:00 | 健康

     DELISH KITCHEN ホームページより転用

 

「マーガリンは体によくない」→ではなぜ日本で売られている? 人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。

しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。

国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2020年)。

もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。

 

マーガリンが体によくない理由  

マーガリンが好きで、朝食でパンに塗る習慣がある人も多いでしょう。

しかし、実はトランス脂肪酸を多く含むマーガリンは現在アメリカでは「販売禁止」になっています。  

マーガリンに含まれる「トランス脂肪酸」が体に悪影響を及ぼしているというエビデンスがあるためです。  

このトランス脂肪酸とは、クッキーやドーナツを作るときの材料になるショートニング、そしてファーストフードなどにも含まれています。  

マーガリンは高価なバターの代替品として「人造バター」という名称で販売されました。

植物油から作られるので、動物性脂肪から作られるバターよりも「健康によさそう」というイメージでどんどん普及していきましたが、

研究ではまったく逆の結果が出てしまいました。

 

トランス脂肪酸は体に悪い  

トランス脂肪酸を摂取することでLDL(悪玉)コレステロールが増加し、HDL(善玉)コレステロールが低下したというデータがあります(※1)。

LDLの増加も、HDLの減少もどちらも心筋梗塞や脳梗塞につながる「動脈硬化」を進行させますので、相乗効果で体に害を及ぼします。  

また1日に摂取するエネルギーのうち2%をトランス脂肪酸として摂取することで、

心筋梗塞などの心臓病に罹患するリスクが16%も上昇したというデータもあります(※2)。

他にも「糖尿病になりやすくなった(※3)」「認知症になりやすくなった(※4)」といった研究も存在し、「トランス脂肪酸はさまざまな意味で体に悪い」と決着がついています。

 WHOは2023年までに、「食品に含まれるトランス脂肪酸の一切の根絶」という方針を掲げました。  

ここまで強い呼びかけをWHOが行うのは異例です。

現在その方針に従ってアメリカ、カナダ、台湾、タイなどの国ではトランス脂肪酸の使用に制限を加えたり、

シンガポールや韓国では食品のトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けたりしています。  

では、なぜ日本では販売されているのでしょうか?

 

なぜ日本で売られている?  

日本ではどうでしょうか。禁止はおろかトランス脂肪酸の含有量の表示も義務付けられていません。

厚生労働省の主張は次のとおりです。  

「1日の摂取エネルギーの中で1%以上摂取すると健康上の影響が出現するといわれているトランス脂肪酸に対して、

日本人の平均摂取量は0.3%程度。健康上問題はない」  

言い換えると「海外と違って日本人は普段から大してトランス脂肪酸を摂取していないから、規制しなくてもいいでしょう」ということでしょう。

また、トランス脂肪酸に関連する日本のマーガリン・ショートニングの市場は大きく、大企業も関係してくる話なので、

完全に禁止するのはハードルが高いのかもしれません。  

ちなみに、マーガリンからトランス脂肪酸の含有量を減らそうと努力している企業もあります。

例えばミヨシ油脂ではマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量を約10分の1にするなど、めざましい成果が出ています。  

しかし、国ではなく「個人」の選択として考えると、トランス脂肪酸の害は確実に意識しておくべきです。

含有量の記載があれば、個々の食品に対して明確な対応がとれるのですが、表示義務が課されていないのが日本の現状です。  

少なくとも「マーガリン、ショートニング、ファーストフードといったトランス脂肪酸が含まれていると見込まれる食品を食べすぎないようにする」

という対策は確実に行うようにしましょう。 

 

【出典】 

※1 DeAnn J Liska,et al. Trans fatty acids and cholesterol levels: An evidence map of the available science. Food Chem Toxicol. 2016 Dec;98(Pt B):269 281.

※2 Yongjian Zhu,et al. Dietary total fat, fatty acids intake, and risk of cardiovascular disease: a dose response meta analysis of cohort studies. Lipids Health Dis. 2019 Apr 6;18(1):91.

※3 Fumiaki Imamura,et al. Fatty acid biomarkers of dairy fat consumption and incidence of type 2 diabetes: A pooled analysis of prospective cohort studies.PLoS Med . 2018 Oct 10;15(10):

※4 Takanori Honda,et al. Serum elaidic acid concentration and risk of dementia: The Hisayama Study. Neurology. 2019 Nov 26;93(22):e2053 e2064.

※記事初出時より、以下の部分を修正しました。

『実はマーガリンは現在アメリカでは「販売禁止」』を『実はトランス脂肪酸を多く含むマーガリンは現在アメリカでは「販売禁止」』に、

『アメリカ、カナダ、台湾、タイなどの国ではトランス脂肪酸の使用を禁止したり、』を『アメリカ、カナダ、台湾、タイなどの国では

トランス脂肪酸の使用に制限を加えたり、』に修正。

2024年10月21日13:16、ダイヤモンド社書籍編集局)  

 

(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)


秋の養生

2024-10-11 17:14:14 | 健康

        Himawari House」HPより転載

 

秋は陽の気と陰の気が入れ替わる過渡期で、気候がだんだん寒くなって、日照時間が短くなります。

葉が色づいて落ちるため、人々は心の中で物寂しさを感じ、情緒の不安定や感傷的になりやすい憂鬱な気持ちになります。

これは乾燥しやすい大気のせいかも知れません。

しかし、秋はすがすがしく、実りの季節でもあります。収穫を喜び、秋のようにさわやかに過ごしたいものです。

まもなくやって来る冬を迎えるためにも、このような気持ちが大切です。

 

漢方の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」では、秋になるとすべてのものの形(容)が定(平)まるという意味から、

秋の3ヵ月のことを容平(ようへい)と言って、秋の養生法を次のように述べています。

「この季節には、鶏の寝起きのように、早く寝て早く起きることであり、心を安らかにして、くやまず精神を落ち着かせて、

秋の気が身体を損なうことのないようにし、やたらと動きまわって、肺を冷やさないようにします。これが秋の季節に調和した養生法であります。

もし、養生法に逆らって、秋の冷えにあたり肺を冷やしたりすると肺を損傷し、冬になって食物を消化しきれずに下痢をしたりします。」

秋というのは物事を仕上げたり整理したりするのにふさわしい季節であり、秋になって何か新しいことを始めようとすると秋の気である肺をいためます。

肺に影響するのは冷えだけでなく、秋も深まってくると乾燥の気が盛んになり、ノドや鼻の粘膜や皮膚表面も敏感になってきます。

このような燥邪(大気の乾燥)が病因になってきます。

夏の暑い時期には、皮膚の毛穴は開き、発汗や皮膚呼吸により老廃物や水分の代謝が活発になっていますので、

咳や鼻炎など呼吸器系に病気を持っている人でも比較的過ごしやすい季節でありますが、

秋口に入り、朝晩がめっきり涼しくなってくると、そうはいきません。皮毛が閉じてノドや鼻に負担が掛かってきます。

また、秋の乾燥した空気はノドや鼻の粘膜などに炎症を起こします。

 

秋の一般的な養生

1 薄着をしない

 気の勢いが外向きから内向きに変わるので、皮膚の防衛力が手薄になります。

 薄着でからだの熱や水分を逃がしたりして、かぜを引かないように気をつけましょう。汗をかいたらすぐに拭いてください。

2 激しい運動は避ける

 激しい運動でエネルギーの消費や発散を強めては、自然に逆行することになり、来るべき冬に向け健康を維持できなくなります。

3 憂鬱(ゆううつ)にならない

 心静かに、気持ちをできるだけ平穏に保ち、心配事や悲しみで感傷的にならない。 

 もし、そのような気持ちになったら、カラオケなどで大きな声を出して発散しましょう。

4 眠り過ぎない

長く寝ていると、秋と関係の深い肺気が虚すといわれています。

肺(呼吸器)が弱っている人にとって、体を休ませ過ぎることは、気のめぐりをますます悪くします。

だからといって、睡眠が不足することも決してよくありません。早寝早起きを心掛けましょう。

5 燥を潤すものを食べる

ゴマ、もち米、うるち米、ハチミツ、ビワ、パイナップル、乳製品などの柔らかいものを適当に食べたほうがよく、

胃を益し、唾液の分泌を促し、からだを潤してくれます。

果物は、水分が豊富で潤す働きがあるように思いますが、それ以上に冷やす作用が強いので摂り過ぎには注意が必要です。

6 旬を食べる

旬のものはハウスものよりミネラルが豊富で、さつまいも、里芋、じゃがいも、山芋、ごぼう、れんこん、ニンジン、

茸、ブロッコリー、カリフラワーなどの秋野菜を積極的に摂りましょう。

ほかに、さんま、いわし、さばなどの魚も脂がのっておいしい季節です。

 

秋に多いからだのトラブル

秋には乾燥(燥邪)によるトラブルに気を付けて

秋には秋特有のトラブルがあります。この時期は乾燥して、大気中の湿気も少なく、その影響が肺を代表とする呼吸器に出てきます。

まず、ノド、鼻に。そして皮膚にも影響が及ぶこともあります。

さらに漢方の考え(肺は大腸と表裏関係にあり、特に大腸とは密接な関係)からいうと、大腸などの器官にも発展していきます。 

 

             

 

 ※ 小太郎漢方製薬会社 HP「季節のトラブル・養生(秋)」より転用

 


「がんとの共存」という新しい生存戦略

2024-10-04 16:22:28 | がん闘病

     がん研有明病院「がんと上手に付き合うためのヒント」より転用

新戦略=がんとの共存

がんの治癒判定の誤解