一陽来復(いちようらいふく) あわてず・あせらず・あきらめず

"抗がん漢方"をサポートするスタッフがお伝えしていきます。
 れんげ草の花言葉...あなたと一緒なら苦痛が和らぐ

「腫瘍マーカー」の目的を正しく理解できていますか?

2024-06-27 16:08:56 | がん闘病

     がん情報サービス HPより転用

 

世の中にはがんに関するさまざまな情報があふれていますが、中には、患者の負担になる間違った情報も少なくありません。

例えば「簡単な血液検査でがんの早期発見ができる」とうたわれることがある「腫瘍マーカー検査」もその1つ。

そこにはどんな重大な誤解があるのでしょうか? 

正しい医療情報をわかりやすく発信する医師として注目を集める山本健人さん。

その最新刊『医者が教える 正しい病院のかかり方』からお届けします。

 

がんがあっても異常値が出ないという大きな欠点

がんに関わる検査の中で、「腫瘍マーカー」ほど、その目的を誤解している人が多いものはないと思います。

私が外来診療をしていてよく患者さんから言われるのが、「がんかどうかを調べてほしいので腫瘍マーカーを検査してください」というセリフです。

患者さんの発想は、「腫瘍マーカーが高いとがんの可能性がある。低ければがんではないと考えて安心できる」というものでしょう。

しかし、残念ながら腫瘍マーカーを「がん早期発見のためのツール」として使うことは、一般的には不可能です。

ここであらためて、「腫瘍マーカーとは何か」ということに関して簡単に解説します。

腫瘍マーカーは、がんから分泌される、あるいはがんがあるときに周囲の組織などから分泌される物質のことです。

こうした物質は血流に乗って全身を巡っているため、血液検査でその値(濃度)を調べることができます。

現時点で、腫瘍マーカーは50種類以上あります。がんがあれば、この値が高くなることがある。これは事実です。

ところが、腫瘍マーカーには大きな欠点があります。

1つは、たとえがんが体内にあっても、初期の段階で腫瘍マーカーの数字が異常値になることはほとんどない、ということです。

 

一方で、がんが原因でその数値が上昇しているのであれば、それは「それなりに進行したがんが体内にあること」を意味します。

「早期発見」には使えない、ということです。

それどころか、進行したがんがある場合ですら、腫瘍マーカーが上昇しないケースは多々あります。

これは、「偽陰性」と呼ばれるケースです。

 

腫瘍マーカーとしてよく用いられる「CA19-9」という検査項目があります。

この陽性率(異常値となる割合)を見ると、胆道がんや胃がん、大腸がんではとくに、病期(ステージ)が低い方が(早期である方が)陽性率が低く、

も進行したステージ4であったとしても、陽性率は60~80%程度。

つまり、10人に2~4人は、進行したがんがあっても腫瘍マーカーは基準範囲にとどまることがわかります。

乳がんの各種の腫瘍マーカーの陽性率についても、同じような結果が出ています(「臨床検査のガイドライン2005/2006」日本臨床検査医学会より)。

つまり、血液検査で腫瘍マーカーを測定して基準範囲に入っていたとしても、がんではないとは言い切れない以上、まったくもって安心できないのです。

早期発見に役立たないだけでなく、進行していてもなお発見が難しいのであれば、やはり「がんかどうかを調べるツール」としては不十分です。

 

がんがなくても異常値が出ることのデメリット

もちろん、ここまで読んで、「腫瘍マーカーが正常ならともかく、もし異常値が出て進行したがんが見つかるなら、

早期発見でなかったとしても、それだけで意味はある」と思った方がいるかもしれません。

残念ながら、腫瘍マーカーにはもう1つの大きな欠点があります。

 

「偽陽性」という問題です。

腫瘍マーカーは、がんに関連して血液中に流出する物質ですが、「がんであるときにしか産生されない物質」ではありません。

がん以外の病気でも上昇することは多々あります。がんではないのに検査の結果が「陽性」になってしまう、ということです。

例えば、前述の「CA19-9」は、胆のう炎や膵炎、肺の病気など、がん以外の多数の病気で上昇することがあります。

同様に、消化器がんや、肺がん、乳がんなどで上昇することがある「CEA」も、肝臓や膵臓の良性の病気で上昇することがあります。

またCEAは、喫煙者であるというだけで高い値を示すことも多い腫瘍マーカーです。(福田一郎ほか「人間ドック受診者のCEA値に及ぼす喫煙の影響」)

 

実際私たちも、「腫瘍マーカー高値」という検診の結果を持って患者さんが病院にやってこられ、

精密検査をして「何も異常が見つからない」という事態を数え切れないほど経験しています。

「腫瘍マーカー」という言葉でありながら、「がんだけで上昇する項目ではない」という点に注意が必要なのです。

偽陽性の場合、患者さんは本来必要がなかったはずの精密検査を受け、その検査費用と度重なる通院の手間、

体への負担、検査のリスクを負うことになります。

 

また、「腫瘍マーカーが高かったのに、精密検査では結局何も異常が見つからない」という結果を手にしても

なお、「本当に自分はがんではないのか?」という不安感がぬぐえないまま病院を後にする方はたくさんいます。

これが患者さんにとって日々の生活を脅かす、大きな心理的負担となってしまうこともあります。

中には、前立腺がんの「PSA」のように早期の段階で上昇するものもありますが、検診において使用すべきかどうか、

という点においてはまだ議論の余地があり、市区町村の対策型検診への導入は推奨されていません(独自に実施している自治体はあります)。

以上のことから、腫瘍マーカーを検診で測定することで私たちが幸せになれる可能性は低い、と私は考えます。

少なくとも、腫瘍マーカーを検診で測定したい、と考える方は、ここに挙げた多数のデメリットを、検診を受ける前に十分に理解しておく必要があるでしょう。

 

役に立つケースはごく限定的

では、そもそも腫瘍マーカーは、一体どういう目的で使用されているのでしょうか?

これはがんの種類によってさまざまですが、大きく分けると、「進行・再発がんに対する治療効果の判定」「がんの術後再発の発見」の2つがあります。

手術で切除ができないレベルまで進行したがんや、術後に再発したがんに対して抗がん剤治療(化学療法)などを行うと、

当初上がっていた腫瘍マーカーの値が下がってきます。この変化を見ることで、抗がん剤の効果を推測することができます。

これが、「治療効果の判定」です。

抗がん剤を使用しても腫瘍マーカーの数値が上がり続けるなら、「抗がん剤の効果が薄れているのではないか」と予想することができます。

逆に低い値のままなら、「抗がん剤の効果が維持できているのではないか」と考えることができます。

もちろん、こうした治療効果の判定をする場合でも、身体診察やCT、MRI、PET等の画像検査を併用する必要があります。

腫瘍マーカーの変化は「1つの目安」にすぎない、ということに注意が必要です。

 

また、がんの種類によっては、術後再発の発見に使用することも可能です。

例えば胃がんや大腸がんは、術後再発の検索を目的として、腫瘍マーカーの「CEA」と「CA19-9」を、

3カ月に1回といった比較的高頻度で測定することが推奨されています。

 

大腸がんの術後、定期的に血液検査で腫瘍マーカーを測定し、基準範囲を外れて上昇していれば、再発を疑って精密検査を行う、といったことが可能です(

もちろん偽陽性、すなわち精密検査を行っても再発が確認されないケースもあります)。

一方、乳がんは、術後に定期的に腫瘍マーカーを測定することの意義に関して議論の余地があり、必ずしも推奨されてはいません。

腫瘍マーカーは、がんの種類によっても、患者さんの病状によっても、その扱いがまったく異なるということです。

数値が上昇していたときの解釈にも、専門的な知識が必要です。

いずれにしても、腫瘍マーカーは、専門家の指示に従って「必要なシチュエーションでのみ測定すべきもの」と考えておくのがよいでしょう。

 

※『東洋経済 ONLINE 』記事より転載

  

出典:『医者が教える 正しい病院のかかり方』(山本健人 著 / 幻冬舎新書)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


肺がんステージ4:医者に見放されても、諦めずに抗がん漢方を飲み、がんに克った

2024-06-21 12:06:18 | がん闘病

              イラスト:ミッドタウンクリニック名駅 HPより転載

 

人を励ます生き証人の真実の声を伝えたい

S・Sさん(83歳・千葉県)が、ご自身の肺がんの闘病を報告くださいました。

小雨の降るなか、はじめてお目にかかれる体験者への取材なので、ドキドキ、ハラハラしながら向かうと、

周辺神社、ゴルフ場が点在する田園風景が広がる一軒屋の前で、明るい声で「遠い田舎まで、いらっしゃい」と、

笑顔の挨拶で出迎えてくれた須貝様の姿がありました。

初めてお会いする須貝様は、顔色もよく張りのある通る声で、とても患者さんとは思えないほどの元気さにびっくりしました。

ご自宅へ入ると、奥様の素敵な笑顔を拝見して、緊張で固まった身体もほぐれて、和やかな雰囲気のなかで、

奥様が用意してくださったお茶と茶菓子を頂きながら、須貝様の肺がんの体験記を伺いました。

 

話の冒頭、須貝様がパソコンで作成した体験談の原稿(下記)を見せてくれました。

そして、力強く「私は嘘も偽りもございません。自分が体験してきた闘病の真実をありのままに話し、

がんでお悩みの皆さんに少しでもお役に立てればと思い、体験談を書きました」と語り始めました。

 

突然の肺がんの宣告

2015年(平成27年)9月、前回健康診断の「異常なし」の結果から3ヵ月に経ったところの検診で、

いきなり医師から「肺がんです!」という結果を知らされました。

その時食欲はもちろん、ゴルフもしょっちゅう行けるくらいの体力があったのに、とても納得できない気持ちで、まさに青天の霹靂でした。

さらにその後の治療の話になると、医師に「抗がん剤を飲むか、それとも余命を楽しく暮らすか」の判断にも迫られました。

 

このまま人生を終わりたくない・・・

私はこのまま人生を終わりたくない、家族のためにも医師の言いなりになるまいという思いで、

自分の力を頼りに、四六時中パソコンとにらみ合って、必死であらゆるがん情報を収集すると同時に、

がんに良いと言われているサプリメントなども入手して、いろいろと比べてみました。

そんな苦労したかいがあって、やっと抗がん漢方・天仙液の公式サイトに辿り着き、そこで掲載した体験談をじっくり吟味したところ、

一番信頼できると自分なりの確信ができたので、無料のサンプル見本付き資料請求してみました。

後日、香港から請求した見本資料が届き、早速同封の「総合カタログ 製品情報概要」を読み、そのなかで書かれている注意事項をよく確認して、

自分は特に当てはまる箇所がないから、すぐサンプル見本を飲んでみました。

そしたら、身体中に天仙液がネバネバと張り付くような感じで、とても良かったと実感しました。

なので、とりあえず病院の抗がん剤を飲まずに、天仙液で様子をみようと決めました。

 

自分の信念を貫き、天仙液を飲み続けた結果、肺がん病に克った

2015年10月から、購入した天仙液Sを1日3本(60cc)飲み、その3ヵ月後のCT検査で、「影がなくなった」と医師に言われました。

その後、5ヵ月毎に病院での検診を欠かさず受けていました。

そして、2016年6月のCT検査で、つい内科と外科の医師から「がんが殆ど無くなっている」という嬉しい言葉を頂き、現在に至っています。

現在、病院の処方薬は「補中益気湯」と、胃腸を良くする薬だけです。

天仙液Sも継続して飲んでいますが、高価な薬なので、朝晩10ccずつを飲みながら、系列製品の天仙丸5号も併用することにしました。

天仙液S、天仙丸を飲むほか、日々の食事についてもゆっくり時間をかけて、食べ物をよく噛んで食べるようにしています。

特にお餅が大好きなので、昼食はいつも熱々の軟らかいお餅と、妻が作ってくれた糖分、塩分控えめの小豆あんをつけて食べっています。

好き嫌いがなく、食べ物はなんでも有難く、美味しく食べます。

本当に体調がよくて、午前中は畑仕事をやったり、午後から大好きなゴルフの練習をやったり、日々楽しく暮らしています。

とにかく、肺がんの皆様に言いたいのは、

たとえ医師に見放されても、諦めずに天仙液を飲む治療に専念してほしいと願っております。

まだまだ長生きできます。頑張りましょう、ここに生き証人がいます」と力強く言ってくれました。

 

取材の最後、須貝様に「がんに克った一番の要因とは何か?」と尋ねたところ、その答えは、

1.医師に見放されても、絶対諦めない気持ちを持つこと

2.情報収集は力になり、とても大切なこと。自分の身体だから、医者まかせ、人まかせにせず、自分の責任で治す、という姿勢が一番効果的である

3.信頼できる情報であるかどうかの確認は、手間を惜しまず、納得できるまで徹底的に調べること

  そして、これだと確信した治療法や治療薬を信じて、迷わずに進むこと

4.くよくよしないこと。お天道様が出たら起きて、沈んだら寝る、日々の快眠、快便、快食を維持すること

5.腹八分目の食事を心がけ、運動をすること

  

 以上、元気でパワーフルな須貝様の肺がん体験内容でした。

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須貝様ご本人が作成してくださいました書面を、そのまま掲載させていただきます

〔原文内容〕

 嘘も偽りも御座いません、真実を書いています。

 癌でお悩みの皆さんに少しでも役に立てればと思い、ここに筆を取りました。

  私、平成27年9月ある病院でCTを撮り、肺癌の恐れありで、ペットを撮り、肺癌と診断され、

余命を楽しく生きられるのが3ヵ月、生き延びて6ヵ月と云われ、抗がん剤を飲み治療するか、それとも余命を楽しく暮らすかの判断に迫られました。

 私はこのまま人生を終わりたくないと決断、いろいろパソコンで調べた結果、天仙液に到達し、治療に専念する事にしました。

20ml入の天仙液を朝食後9時に1本、昼食後3時に1本、夜食後9時に1本を3ヵ月飲み続けた所、その後病院でCTを撮った結果、

抗がん剤を飲まずに様子を見る事に、その後病院でCT5ヵ月毎に撮り、診察を続けています。

 結果は大変良く、癌も殆ど無くなり、現在に至っております。

天仙液は高価な薬、少しづつ良くなるにつれ、朝10ml、夜10ml飲み、段々良くなり、朝天仙丸2個から2個、夜天仙液を10mlと少しづつ減らして、

現在一本20ml入り天仙液3分の1、天仙丸1錠、夜食後9時に交互に服用しています。

 今は、畑仕事をやったり、午後から毎日ゴルフの練習をやったり、楽しく暮らしています。

 肺癌の皆さん、医師に見放されても、諦めずに天仙液を飲み、治療に専念しましょう。

 まだまだ長生き出来ます。頑張りましょう。

 ここに生き証人がいます。

        須貝 貞雄

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取材後記:

 がん治療は決して簡単なことではございません。

多くの治療のなか、どう病気と向き合うか、どの治療を選ぶか、またどのような結果を得られるかは十人十色ですが、

今回の取材を通じていかに自分を信じて、希望をもって治療に臨むことの大切さを教えられました。とても有意義な時間を過ごすことができました。

今後もこういった人との繋がりを大切に、学んだことを患者様とのそのご家族との交流に生かし、

患者様や家族に寄り添い、よりよいサポートができるよう心かけたいと思います。


梅雨時期の“重だるさ”を予防する食べ物

2024-06-13 13:02:28 | 食養生

           

 
今年も既に九州南部まで梅雨入りし、関東や近畿も早ければ今週後半にも梅雨の時期を迎えそうです。

爽やかな初夏から一転、湿気たっぷりの蒸し暑い日々に、体や頭の重だるさ、むくみ、食欲不振、下痢といった体の不調も出やすくなります。
 
東洋医学ではこの原因を、「湿邪」(大気中の湿気による不調)によるものと考えます。

今回、この湿邪を寄せつけず梅雨をスッキリ過ごすためのお勧めの食材を、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生に伺いました。
 

湿気による不調は、胃腸が弱っている時に起こりやすい

東洋医学では、病気を引き起こすものを「邪気」といいますが、その中には、体の外からもたらされる「六淫」
 
(風邪、寒邪、湿邪、燥邪、暑邪、火邪)と、体の内から生じる「内生五邪」(内風、内寒、内湿、内燥、内火)があります。

そのうち、梅雨の時季の不調の原因になりやすいのが、「湿邪」と「内湿」です。

湿邪とは、大気中の湿気が口や鼻、皮膚などを通じて体に入り、体の不調の要因となることです。
 
「湿」には重い、ネバネバしている、停滞といった性質があるため、重だるさや頭痛、頭重、むくみ、湿疹といった症状をもたらします。

 
一方、内湿とは主に、乱れた食生活で胃腸(東洋医学では脾胃という)が冷えて湿気が溜ることで、
 
体にさまざまな不調が生じることを指します。たとえば、食欲不振や下痢、軟便などです。

 
湿邪と内湿とは密接に関係し、両者が重なることで不調が生じるといえます。
 
たとえば、湿邪が起こりやすい時季(梅雨など)に乱れた食生活を続けた結果、不調を起こす、
 
あるいは内湿によって胃腸が弱っている時に、湿気の多い時季が重なり不調が生じる、などです。

いずれにしても瀬戸先生によると、「食生活の乱れによって脾胃が弱っていることが、この時季の不調の最大要因です」。
 

胃腸を弱らせる食材とは?

ということは、蒸し蒸しする梅雨の時季をスッキリ元気に過ごすには、食生活を整え、胃腸を元気にすることが欠かせません。
 
では、どのような食生活が良いのでしょうか。

まず、胃腸を弱らせる食材をできるだけ避けることです。
 
具体的には「冷たいもの」(アイス、ジュース、ビールなど)や「生もの」(刺身、生野菜、果物など)、
 
「甘いもの」(お菓子、砂糖たっぷりの飲み物など)です。
 
不調を感じる時には、これらを摂りすぎていないか、いま一度チェックしましょう。
 
完全にゼロにするのは難しいとしても、不調の際は「いつもより少なめ」を意識すると良いと思います。

そして、これらの食材を控えめにした上で、胃腸を元気にする食材を摂るとより効果的です。
 

体の中の「湿」を汗と尿でしっかり排出する

胃腸を温め湿気を動かす食材には、香辛料(シナモン、黒胡椒、山椒、唐辛子など)、ネギ、シソ、ヨモギなどがあります。

また、胃腸の湿気を取り、利尿を促す食材としては、豆類(さやいんげん、そら豆、枝豆など)、トウモロコシ、コーン茶などがお勧めです。

体に入った湿気(つまり湿邪)を上手にさばける体づくりも、この時季には大切です。

それには、発汗作用や利尿作用のある食材を摂って「湿邪」を対外に排出することが大事。

たとえば、発汗を促すには、生姜や香味野菜(パクチー、シソ、ネギなど)、香辛料(唐辛子・カレー粉など)など。

利尿を促すには、緑豆もやしや瓜科の野菜(キュウリ、スイカ、トウガンなど)、豆類(さやいんげん、そら豆、小豆など)、

海藻類、魚の鮎や鱧(はも)、ハトムギなどが良いでしょう。



その他、気の巡りをよくする食材もお勧めです。具体的にはタマネギ、ピーマン、香味野菜(シソなど)などです。

また、温かいものを食べると発汗が促されます。

温かい味噌汁やスープなどを積極的に摂るようにしたり、野菜はできるだけ加熱したものを食べたりすると良いと思います。

その他、東洋医学では、体内に溜り続けネバネバ状態になった水を「痰」(たん)といいますが、

湿気に強い体づくりにはこの痰を取り除くことも大切です。

それには、きのこ類、海藻類、タマネギ、ダイコンなどを摂るのがお勧めです。



蒸し暑く、しかも雨が多いこの時季。体も頭もだるくなりがちですが、そんなときこそ汗を十分にかき、

胃腸を温めてあげる生活を意識して、スッキリ気分で梅雨を乗り切りましょう!

 

ウェザーニュース 配信記事(2019/06/04)より転載

参考資料など   取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏/瀬戸佳子氏


コンビニおにぎりやハム、ベーコンの添加物の安全性って?

2024-06-07 16:40:19 | 健康

    

 

コンビニおにぎりは添加物が工夫され、安全性が高まっている

 

とかく添加物が多いことで悪者にされがちなコンビニですが、最近ではかなりの改善・進歩がみられているそうです。

記事の後半には、避けたい添加物一覧や、目的別添加物の安全性 〇△× の評価が付いています。ぜひお役立てください。

 

「例えば、明太子やイクラのおにぎりには、以前は具材に発色剤の亜硝酸Naが添加されていました。

現在は紅麹色素などで赤色をつけています。

また、保存料は使わずに、pH調整剤や酸味料(クエン酸や乳酸など)の酸の力で細菌の増殖を抑えたり、

アミノ酸の一種であるグリシンも旨味成分であるのと同時に、細菌の増殖を抑制する効果があります。

これらを上手に使うことで、体に悪影響がありそうな添加物が減らされています」(渡辺雄二さん)

 

ハム・ソーセージ・ベーコンは「無塩せき」のものを選ぶ

2015年にWHOのIARC(国際がん研究機関)がハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉を毎日50g食べると、

直腸や結腸のがんになるリスクが18%高まるという分析結果を発表しました。

これらに添加されている発色剤の亜硝酸Naは酸性の胃の中で、肉に含まれるアミンという物質と結合して、

発がん性のある物質に変わるといわれています。

こうした問題から、最近では亜硝酸Naを添加していない『無塩せき』の商品が増えてきました。

セブン&アイ・ホールディングスの『セブンプレミアム 無塩せき』や信州ハムの『グリーンマーク』シリーズがそうです」

 

避けたい添加物一覧

安息香酸Na【保存料】

清涼飲料水や栄養ドリンクに多用。動物実験でも悪影響が見られ、人間においても微量で胃腸粘膜への影響が心配

亜硫酸Na【漂白剤・保存料】

かんぴょうやドライフルーツなどの漂白や、ワインの酸化防止剤として使用。胃腸への刺激が指摘されています

次亜塩素酸Na【殺菌料】

まな板や包丁の消毒などに使用され、食品に残らない前提で認められています。しかし、実際には残っている可能性が

OPP/TBZ【防かび剤】

輸入のレモンやオレンジなどの出荷時にかび防止のために添加。もともと農薬の一種でOPPは発がん性が確認されています

亜硝酸Na【発色剤】

肉の加工品などの色を保つために使用。肉に含まれるアミンと結びついて、発がん性物質に変化するといわれています

タール色素【着色料】

赤色2、黄色4など12種の色素の総称。自然界に存在しない物質で、12種類すべてに発がん性の疑いがあります

カラメル色素【着色料】

コーラ、コーヒー飲料、ソースなどに使用。カラメルⅠとⅡは安全ですが、ⅢとⅣには発がん性物質が。実際にどれが使われているかは不明

サッカリンNa【甘味料】

最近では使用頻度が低いのですが、一部の酢ダコやしょうがの酢漬けに使われることが。発がん性が疑われています

合成甘味料3品目【甘味料】

おもにカロリーオフ飲料に使用されている、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKは体への悪影響の懸念が

臭素酸K【小麦粉改良剤】

パンの製造過程で使われます。発がん性が確認されていますが、最終食品に残らない前提で使用が認められています

 

 

よく使われている添加物を〇△×で紹介

数ある添加物の中でも、よく使われているものをセレクト。

そのうち、特に危険度の高いものを×、安全性の高いものを、その中間のものをで表しました。購入の際の目安にしてください。

保存性を高めるもの

生産して店頭に並び、私たちが消費するまでに、腐ってしまわないようにするための添加物。

ある意味必要ですが、体に悪いものはできる限り避けたい。

保存料

× 安息香酸Na(合成)
× ソルビン酸K(合成)
× パラベン(合成)

安息香酸Naは水に溶けやすく、おもに清涼飲料水に。
ソルビン酸Kは漬け物やワインに、パラベンは化粧品に多いのですが、しょうゆやシロップなどに使われることも

酸化防止剤

× BHA・BHT(合成)
 ビタミンC(L-アスコルビン酸・合成)
 ビタミンE(d–α–トコフェロール・合成)

酸化を防止して食品の変質を防ぐものです。
BHAは発がん性が確認され、BHTにはその疑いがあります。最近ではビタミンCやEといった安全性の高いものにシフトする傾向です

防かび剤

× イマザリル(合成)
× OPP(合成)
× TBZ(合成)

外国からの柑橘類の輸送時にかびや腐敗を防ぐために添加されます。
いずれももともとは農薬で、昔は日本では使用禁止の添加物でしたが、貯蔵性や輸送のために許可されました

色をよくするもの

食材の黒ずみを防いだり、着色や漂白をして、おいしそうに見せるために添加物が使われます。
おもに化学合成されたものが多く、これらは毒性が強いので、天然由来のものを探すのがポイントになります。

発色剤

× 亜硝酸Na(合成)
× 硝酸K(合成)
× 硝酸Na(合成)

ハムやソーセージ、ベーコンなどの肉加工品が体によくないといわれるのは、これらの発色剤が理由。
この3つは極力、避けるようにしましょう

着色料

× 赤色2・102(合成)
× 黄色4・5(合成)
 ウコン色素(ターメリック色素・天然)
 カラメル色素(天然)
 ベニバナ色素(天然)
 赤キャベツ色素・赤ビート・ビートレッド(天然)

食品に鮮やかな色をつけるための着色料。
個々の添加物によって毒性は違います。野菜などの天然由来の色素ならほぼ安全と覚えておきましょう

漂白剤

× 亜塩素酸Na(合成)
× 過酸化水素(合成)
× 亜硫酸Na(合成)

食材を漂白して見栄えよくする目的で使用。
どれも毒性が高く、上のふたつは最終食品に成分が残らないことを条件に許されており、表示義務はありません

質感をよくするもの

食品に粘度をつけたり、ふっくらとさせる、プルプル感を出すなど、食品の質感や風合いをよくする目的で使用されます。

比較的安全なものが多いのですが、増粘剤には避けたいものもあるのでチェックして!

増粘剤

× カラギーナン(天然)
× トラガントガム(天然)
 キサンタンガム(天然)
 セルロース(天然)

これらすべて天然由来のものですが、上のふたつは動物実験で体への影響が報告されています

風合いを出す

 リン酸塩(Na)(結着剤・合成)
 イーストフード(一括名・合成)
 かんすい(一括名・合成)
 重曹(pH調整、膨張剤・合成)
 ミョウバン(膨張剤・合成)
 アルギン酸エステル(糊料・合成)
 炭酸Mg(膨張剤・合成)

パンのふっくら感はイーストフード、ラーメンの麺の風合いはかんすいによるもので、全体的に毒性は強いものではありません。
一方、ハムやソーセージの肉の結着をよくするリン酸塩(Na)は腎臓への悪影響が、サンドイッチなどに含まれるアルギン酸エステルはアレルギーが心配

ゲル化剤・乳化剤

 ペクチン(天然)
 グリセリン脂肪酸エステル(合成)
 レシチン(天然)

ジャムに使われるペクチン、アイスクリームなどに使われるグリセリン脂肪酸エステルも安全

味に関するもの

ダイエット系の飲料や食品に使われる甘味料、旨味を出す調味料、酸味を加える酸味料など、味を調えるのに使用。
甘味料に危険なものがありますが、ほかは比較的安全。でも、とりすぎには注意が必要です。

甘味料

× アスパルテーム(合成)
× アセスルファムK(合成)
× サッカリン・サッカリンNa(合成)
× スクラロース(合成)
 ステビア(天然)
 キシリトール(合成)
 ソルビトール(別名ソルビット・合成)

基本的に合成のものは避けたいところ。
キシリトールとソルビトールはもともと自然にある成分を人工的に作っているのですが安全性は〇。ステビアは天然由来ですが精巣への影響の不安が残ります

調味料

 アミノ酸系(合成)
 核酸系(合成)
 有機酸系(合成)
 無機塩(合成)

こんぶやかつお節、貝類などの旨味成分を人工的に作ったもので、安全性は高いが大量摂取には注意が必要

酸味料

 クエン酸(合成)
 クエン酸Na(合成)
 酢酸Na(合成)

食品に酸味を加える用途と、保存性を高めたりpHを調整する目的でも使われます。
安全性の高いものが多い

 

■教えてくれた人 科学ジャーナリスト・渡辺雄二さん

千葉大学工学部合成化学科卒業後、1982年より食品、環境、医療などの諸問題を消費者の視点で提起。

著書に『「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』(大和書房)など

 

※この記事は、集英社WEBマガジン『OurAge』から引用しています。

  


食品添加物と賢く付き合う ー ①

2024-06-05 16:17:17 | 健康

  

        大阪健康安全基盤研究所 HPより 転用 

 

添加物を知って、賢く選ぶことが大切

がんの闘病をしていると、「身体によいもの」を食べたい、「身体によくないもの」はできるだけ避けたいと実感します。

さまざまな加工食品のほとんどに食品添加物が含まれています。今やそれを避けることはできません。

ただ怖がるのではなく、その知識を持って、上手につき合っていくことが大切です。店頭でチェックしたい一覧表付きです。

 

「米、野菜、果物、肉、魚、砂糖、塩、味噌、しょうゆなどはこれまで長い歴史の中で食べ続けられてきて、その安全性が確認されています。

一方で、食品添加物は大量生産をする食品会社の都合で、おもに戦後に使われ出したもの。

実は安全性は動物実験だけで、人間で確かめられていないのが現状です

とはいえ、添加物を避けていたら食べるものがなくなるのも事実。

保存料がなければ腐ってしまうという消費者にとっての不都合も。

 

添加物の中でも、毒性が高いものと安全なものがあります。

例えば、石油などから化学的に合成された合成添加物の一部は、特に発がん性の可能性があるなど危険性があります。

一方で、自然界にある植物や細菌などから得られる天然添加物の多くやビタミンCやE、クエン酸、乳酸などは安全です。

こうしたことを知って、危険なものだけを避ければいいのです。

最近はコンビニの商品でも、安全性の高いものにシフトしています。

商品に記載されている原材料名を確認する習慣をつけることをおすすめします。

 

添加物の表記についてチェック!

原材料名には、まず食品原料、/のあとに食品添加物が続き、それぞれ使用量の多い順に記載されます。

しかし、中には具体的な物質名を表記しなくていい場合があります。その法則を知っておきましょう。 

※最初に食品原料が多い順に、/のあとに添加物が多い順に続きます。

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◆用途名付き物質名

添加物には物質名の表示が義務づけられていますが、なかでも用途名を併記するべきものがあります。

例えば、「発色剤(亜硝酸Na)」といったもの。用途名を記す必要があるのは、

保存料、防かび剤、発色剤、着色料、甘味料、漂白剤、酸化防止剤、糊料(増粘剤、ゲル化剤、安定剤)。

実はこの用途名の併記が必要なものは全体的に毒性が高いので注意が必要です。

◆表記しなくていいもの

ひとつは「一括名」表記が許されるケース。アミノ酸のL-グルタミン酸Naが使われていても、「調味料(アミノ酸)」だけでOK。

ほかに、ビタミン類などの栄養強化剤や最終的に食品に残らないものも表記義務はありません。

また、原材料に含まれる添加物で、最終食品に残っていない場合は、「キャリーオーバー」といって表記しなくていいことになっています。

◆量り売りは表記義務なし

原則として、容器や包装に入って売られているものには原材料の表記が必要です。

しかし、パン、ケーキ、和菓子、漬け物などの店舗やデパ地下、物産展などで、

対面でバラ売りや量り売りがされているもの、弁当店で作られた弁当には表記義務はありません。

表記されていないからといって、添加物が使われていないわけではないことは覚えておくといいでしょう

 

これだけは避けたい10の添加物

添加物を完全に避けるのは不可能ですが、これだけは知っておきたい危険度の高いものは?

「特に危険度が高いのは石油製品などから作られた合成添加物の中で、自然界にはないものです。

自然界に存在しないだけに、人間の体内で消化・分解されないものが多く、肝臓や腎臓などにダメージを与え、

免疫力の低下やアレルギーの原因になる可能性があります。

なかには動物実験で発がん性が明らかになったものもあります。これらを毎日とり続けた場合、健康へのリスクは当然考えられます。

少なくとも、摂取する頻度をできる限り減らすことが重要です」

 

避けたい添加物一覧

◆安息香酸Na【保存料】

清涼飲料水や栄養ドリンクに多用。動物実験でも悪影響が見られ、人間においても微量で胃腸粘膜への影響が心配

◆亜硫酸Na【漂白剤・保存料】

かんぴょうやドライフルーツなどの漂白や、ワインの酸化防止剤として使用。胃腸への刺激が指摘されています

次亜塩素酸Na【殺菌料】

まな板や包丁の消毒などに使用され、食品に残らない前提で認められています。しかし、実際には残っている可能性が

◆OPP/TBZ【防かび剤】

輸入のレモンやオレンジなどの出荷時にかび防止のために添加。もともと農薬の一種でOPPは発がん性が確認されています

◆亜硝酸Na【発色剤

肉の加工品などの色を保つために使用。肉に含まれるアミンと結びついて、発がん性物質に変化するといわれています

◆タール色素【着色料】

赤色2、黄色4など12種の色素の総称。自然界に存在しない物質で、12種類すべてに発がん性の疑いがあります

◆カラメル色素【着色料】

コーラ、コーヒー飲料、ソースなどに使用。カラメルⅠとⅡは安全ですが、ⅢとⅣには発がん性物質が実際にどれが使われているかは不明

◆サッカリンNa【甘味料】

最近では使用頻度が低いのですが、一部の酢ダコやしょうがの酢漬けに使われることが。発がん性が疑われています

◆合成甘味料3品目【甘味料】

おもにカロリーオフ飲料に使用されているアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKは体への悪影響の懸念

◆臭素酸K【小麦粉改良剤】

パンの製造過程で使われます。発がん性が確認されていますが、最終食品に残らない前提で使用が認められています

 

■教えてくれた人 科学ジャーナリスト・渡辺雄二さん

千葉大学工学部合成化学科卒業後、1982年より食品、環境、医療などの諸問題を消費者の視点で提起。

著書に『「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』(大和書房)など

 

※この記事は、集英社WEBマガジン『OurAge』から引用しています。