写真:野口ファームHPより
身体にも 家計にも やさしい野菜、玉ねぎについて知ってみましょう。
春先になると「新玉ねぎ」が出回りますが、これは黄玉ねぎや白玉ねぎを収穫してすぐに出荷したもので、特定の品種を指すわけではありません。
新玉ねぎは、通常の玉ねぎよりも皮が薄く、水分量も多いのが特徴です。辛みも抑えられていて、みずみずしい食感と甘みを楽しむことができます。
味わいは異なりますが、新玉ねぎと通常の玉ねぎの成分に大きな違いはありません。
辛みや香りのもとになる「硫化アリル」をはじめ、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンCなどの成分が含まれています。
玉ねぎは年間を通して流通していて、2月上旬の九州産が出回り始めてから産地が北上し、8月上旬から翌年の5月までは北海道産が主に流通しています。
普通の玉ねぎは、収穫後に乾燥させますが、新玉ねぎは収穫後すぐに出荷します。
新玉ねぎは春先だけ出回る早生種のことで、やわらかく辛味が弱いので生食にも向いています。
新玉ねぎに含まれる嬉しい栄養とは?
玉ねぎの独特のにおいと辛さの原因となる「硫化アリル」は、新陳代謝を活発にし、血液をサラサラにする効果があります。
抗菌作用もあるので風邪の予防にも役立ちます。
ただ、硫化アリルは加熱すると成分が変わってしまいますが、新玉ねぎを生食すれば硫化アリルを効率よく摂取できます。
新玉ねぎは、体に嬉しい栄養がたっぷり含まれています。新玉ねぎに含まれる栄養を紹介していきましょう。
・硫化アリル
新玉ねぎを食べたら、血液がサラサラになるイメージがありませんか?
新玉ねぎに含まれる栄養の1つである硫化アリルが血液をサラサラにする働きをしているのです。
血液をサラサラにすることにより、
・血栓
・動脈硬化
・心筋梗塞
・脳梗塞
など、血液や血管に影響する多くの生活習慣病を予防する効果があります。
・ケルセチン
硫化アリルの他に「ケルセチン」という栄養が含まれています。
ポリフェノールの一種であるケルセチンは、ブロッコリーやリンゴなどにも含まれていますが、玉ねぎにもっとも多く含まれています。
ケルセチンには、抗酸化作用や抗炎症作用、降圧作用などさまざまな生理作用が報告されおり、
・生活習慣病
・ガン
・動脈硬化
・糖尿病
などを予防する効果があります。
さらに、アレルギー抑制や紫外線から肌を守る効果もあり、積極的に摂りたい栄養です。
新玉ねぎを日当たりがよい場所に置いておくと、ケルセチンの栄養が増えるといわれています。
・オリゴ糖
新玉ねぎには「フラクトオリゴ糖」という栄養が含まれています。
胃や小腸で吸収されず大腸まで届く特徴があり、エネルギーになりにくいため低カロリーです。
フラクトオリゴ糖には、難消化性(低カロリー)以外にもさまざまな機能があります。
フラクトオリゴ糖に含まれる8つの嬉しい機能
・お腹の調子を整える
・ミネラルの吸収促進
・虫歯の原因になりにくい
・免疫の改善
・低カロリー
・血糖値の上昇を抑える
・便臭の改善
・脂質代謝の改善
・カリウム
新玉ねぎには、体内の余分なナトリウムや水分を体の外へ排出する働きがある「カリウム」が含まれています。
カリウムは、
・むくみの解消
・血圧を下げる
・脳卒中の予防
・骨粗しょう症の予防
などの効果が期待できます。
新玉ねぎには、嬉しい効果が期待できる栄養が多く含まれているので、毎日ご家庭の食卓に取り入れたい食材ですね。
炒め物や煮込み、生食など、幅広い食べ方ができ、毎日の食卓に欠かせない玉ねぎですが、
日本に入って来たのは明治時代と、比較的歴史は意外に浅い野菜です。
日本で多く出回っているのは「黄玉ねぎ」と呼ばれる品種で、通常は収穫後1ヶ月程度乾燥させたものが出荷されます。
黄玉ねぎ以外にも、「赤玉ねぎ」や「白玉ねぎ」、「小玉ねぎ」といった品種があります。