ひあたり良好

今日もいい天気。外へ行こう

正岡子規の随筆を読む

2010-03-27 17:33:03 | 日々是精進
正岡子規の随筆を読む

学生時代には漱石、芥川、鴎外など、いろいろな本に手を出しては読んでいた。
この好みは社会人になっても変わらず、通勤の電車ではもっぱら本ばかり読んで過ごしている。

去年、NHKで「坂の上の雲」の放映が始まったので観ていたところ、香川照之演じる正岡子規のインパクトが強烈だった。結核になって病床に伏しながらも、生に執着し、はいつくばりながらも一生懸命に生きようとする姿が鮮烈だった。

そういえば、子規の本って読んだこと無いな。

先日、近くの古書店に立ち寄ったとき、わりと程度の良い文庫本をみつけたので、
筑摩書房の「ちくま日本文学 正岡子規」を購入した。

翌日、早速読んでみた。
子規に関しては、下記のような、受験レベル、クイズ程度の知識しかない。

ホトトギスを創刊した
結核で若くして亡くなった
俳句の革新をした

実際に読んでみたところ、肉付きの良い心温まる文章(正確は悪童ぽいが)だけでなく、目の前にその風景が広がるような、精緻な表現描写におどろいた。さすが写実的な俳句を展開しただけのことはある。

一遍一遍がほどよい長さなので、会社の通勤途中や、ちょっとした空き時間に読むにはちょうどよい。

また子規の交友関係の広さも垣間見ることができる。弟子の虚子、碧梧桐だけでなく、伊藤左千夫、長塚節、夏目漱石などが、病床に伏す子規のもとへとやってくる。
ドラマ同様に、本当に多くの人々から敬愛されていたことがわかる。

35歳で逝去。
病に伏して、せめて歩くだけでもいい、いや立ち上がることさえできれば、それが無理なら座ることだけでもできるようになりたい、といった叫びを読むと、精一杯生きて行かなきゃなあという気にさせられる。

今度、子規の家があった根津に行ってこよう。