亀の啓示

18禁漫画イラスト小説多数、大人のラブコメです。

パラレルストーリー 年上美月 番外編③

2018-08-16 01:00:07 | 美月と亮 パラレルストーリー
新しいパンツをおろした。

馬鹿だな。

そして、財布のカード入れに
コンドームを二個忍ばせた。

馬鹿だな。







日曜日の朝は、いつも昼過ぎまで
惰眠ってやつを貪るんだけど。
今朝は、五時に目が覚めた。

馬鹿だな。

台所に水を飲みに行く。
まだ外は暗くて、電気をつけないと
コップのありかさえ分からない。

水を口に含むと、途端に喉が水を求めた。
意外と喉が渇いてたんだなと知る。
喉を鳴らしてコップの水を飲み干すと
ため息が出た。

ゆうべから、すげえ緊張してるんじゃないか。

馬鹿だな。馬鹿だな。俺。

部屋に戻って机に向かう。
リラックスしよう。
いつものように。

俺は気を紛らわすために、教科書を開くという
珍妙な行動に出ていた。
冷静になろう。こうすれば自分の、のぼせ上がった
頭が冷えるのだ、というのが丁度コレだったのだ。
ビバ、勉強。
俺は早起きをして、英語と数学の予習を終えた。
生物の教科書は触らなかった。
これは、逆効果だ。



俺の家と美月の家は、徒歩30分程で
近所と言えば近所である。
最寄りの駅は違う。
今日は少し離れた駅で待ち合わせをした。

自分の最寄りの駅から電車に乗る。
3つ乗ると、他の路線に乗り換えられる
ターミナル駅に着く。
改札を出て、地下鉄の駅に入った。

「おはよう。」

まだ約束の五分前だが、美月は改札口に立っていた。

「おはよ。」

俺は美月と並んで、さりげなく腰を抱く。
美月はタンクトップの上からえりぐりの深い
ルーズなTシャツを着ている。
スカートは膝上20センチくらいの
デニムスカートだ。ピッタリしたシルエットが
腰から太ももの曲線をセクシーに見せる。
生足だ。足元はスニーカーに短いソックス。

「楽しみで、よく眠れなかった。」

「でへ。俺も。五時に起きちゃったよ。」

美月は頬を赤らめて、俺の腰に回した手に触れる。

「ごめん。離して。」

俺は慌てて手を離した。

「嫌、だった?」

「ん。かん…くすぐったいからぁ。」

美月が微かに腰をくねらせる。

かん?かん、じちゃう?の?

俺は夜景を見に行かないかと誘ったが
朝から街に出ることにした。

一日中二人っきりで居たことがなかった。
誰に気兼ねするでもなく、邪魔されずに
デート出来るなんて。今までなかった。

美月は俺の腕を取って抱き締める。
俺の腕は、美月の肩から胸元、お腹のあたりまでを
ふんわりと感じる。

歩いている間に離れたりくっついたりを
繰り返して、美月は様々な角度から俺の腕を
味わっているようだった。

「すてき。」

美月がポツリと漏らす。

俺は回りの風景を見回した。
女の子の目を引くようなポスターや
お店は特になかったが。

「亮の腕。男らしくて。すてき。」

「そう?そんなに筋肉ついてないけど。」

男らしくて、なんて。
それなら坂元先生の方がガタイはいいし
筋骨逞しい系の体つきをしている。

「抱いた感じ。程よくて。大好き。」

美月はうっとりとしながら、俺の肩に頬擦りする。

「うれしい。」

俺は逆の手を回して、美月の髪を撫でた。

何て言うか。二人きりでいるだけで
こんなにも甘い。
これは何を悩むことなく、セックスだって
自然に出来るんじゃないか。
キスして。体を愛撫して。一つになる。
美月の言うことが本当なら。
処女である彼女の苦痛が少しでも減るように
やさしく触れていかねばならない。
ゆっくりと、やわらかに。
自分の欲望よりも、彼女の反応を最優先に
ことを進めていかねばならない。

映画を観て。公園を歩いて。ゲーセン行って。
デパートで買い物をして。
あ、一緒に美月の水着も見た。
夏休み、俺は講習で海どころじゃないけど
プールくらいなら行けそうだ。
美月は泳ぎが得意だという。
苦手な運動を思い出す方が難しいという。
さすが塀の上を歩いていた女だ。
そう言うと、美月は誤魔化すように
俺の腕に抱きついた。

「ただ。水着がね。」

「ん?水着が?」

「あたし、そういうの無頓着で。
ずっと高校の時着てたスクール水着ってやつ
サイズ変わってないから。それで行っちゃってる。」

美月はつい最近、それを恥ずかしいと自覚した。

「このスカートも、ね。実は昨日買ったばっか。
スカート、持ってなかったんだもん。」

「美月。」

もう、まだ日も沈んでないってのに
俺は。おれわあああああぁぁぁ

「やっぱりお腹だすのは抵抗あるなあ。
セパレートはやめとく。」

「セ・パ?」

「上下離れてるやつ。ビキニみたいなの。」

え?水着って、こんな彼氏とプールに行くのに
ビキニ戦力外通告ってあり得なくない?

「こんなのがいいな。安心する。」

美月が持ってきたのは白くて、ストラップが
片方にだけ斜めに掛かっている。
右肩には何もない。胸元にはフリルが三段くらい
たっぷりとついていて、胸のボリュームの薄い
美月の体を可愛らしくふんわり演出しそうだ。

「着てみるね。待ってて。」

俺は生まれて初めて、女の買い物につき合い
試着室の前で着替える彼女を待つ。という
稀有な出来事を噛み締めていた。

「どうかな?うふ。」

美月のバストは思ったよりふっくらしていて
何より腰のくびれがセクシーで
お尻がぷりんとかわいくて
腕と脚が長くて。
すごく似合ってる。
すぐ、脱がせたいほど似合ってる。

「い、いいんじゃない。」

俺は脱がせたくなるのを堪えて、美月に適当な
返事を返してしまった。

「似合って、ない?」

あ、美月がしょげてしまった!

「違うよ!もう。だめなんだ。
変なこと考えちゃうから!俺。」

「変なこと?」

美月も分かってんだか分かってねえんだか。

「脱がせたいほど似合ってる。」

俺は美月に耳打ちして。仕上げに耳たぶにキスした。

俺は美月の様子を観察した。
かなり、自分としてはギリギリのあたりを
攻めた台詞だった。これは脱がせたいアピールだ。
脱がせたいって。脱がせて何をしたいか
もう答えは一つしかないではないか。

「とお、る?」

通じてない?まさか。な。

「他のも着てみるね。」

美月はあっさりと試着室のカーテンを閉める。




あれえ。なんか、違うな。
俺はもう、美月を抱けるもんだと思ってた。
滑り出しは上々だったよな。

脱がせたいほど似合ってるって。
なんか地雷踏んだかな俺。

あれからなんか、変になっちゃった。

夕焼けを見ながら歩いているときも
晩御飯なに食べようか、なんて二人で
迷ってる時も、美月は俺の腕を触ろうとも
しなくなってしまった。

東京タワーの展望台で夜景を見ていても
美月は俺から距離を取る。
俺は我慢できなくなって
美月の手を取り、自分に引き寄せた。

「俺、なんか悪いこと言ったか?」

悪かったなら謝るから。
怒らせたなら、二度としないから。

「夜景を見に行こうって。そういうことなの?」

美月は、いくら処女でも
いくら幼くて可愛くても
俺より5年長く生きてるんだ。
自分の思惑をさらけ出されて
俺は今更ながら狼狽えてしまった。
なにも、返せなかった。

「違った?」

美月は俺から言わせたいのだろう。
そして、キッパリと断るつもりだ。
俺には多分、そんな資格はない。

「俺は。確かにそんな下心で誘った。
俺たち、そんな風に一線を越えたらどう変わるか
ずっと考えてた。もっと美月を大事に思って
長く深く愛せるようになるのかなって。
そりゃ、単に抱きたいってそんな思いもある。」

美月の顔がみるみる不貞腐れたものに変わる。

「もう!情けない!」

「ごめん!」

美月は俺のことも見ずにきびすを返し
堂々とした大股で歩いていく。

「ま、待って!美月!帰るなら送るから!」

振り返った美月は、口をへの字に曲げて
目尻からは涙を滲ませている。

「買い物するから!つき合って!」

美月は高架下の洒落たショップに入っていく。

ランジェリー売り場で立ち止まり
上下セットを引っ掴んで振り返る。

「どっちがいい?」

「……………」

「どっちを、脱がせたいの?」

俺は、パステルカラーのレースがあしらわれた
大人し目なセットアップを指した。

「すみません。これお願いします。
着て帰りたいんですけど。」

美月はお金を払うと、試着室に消えた。






「ブラとショーツバラバラだったの!」

うっすら、聞いたことはあった。
女子は男に脱がされるような状況に置かれたとき
ブラとパンツが揃いのデザインじゃないのを
極端に恥ずかしがると。靴下を違う組で片方ずつ
履いてしまったくらい恥ずかしいのだと。

「夜景ってキーワードが出た時点で
ちゃんと気を配るべきだった。
もしかして、とは思ったんだけど。
はっきり言われてもいないのに、
浅ましいかなあって。」

「美月。」

俺は、美月に財布を開いて見せた。
カード入れに指を挟み、中を見せた。

「お前のこと、考えながら買った。
馬鹿だな、俺は。もうお前のことしか
考えられないよ。」

「亮ぅ。」

俺はダッコちゃん人形のように
腕にしがみついてくる美月を
ヴァイオリンを弾くように顎で挟んだりしながら
道玄坂に向かった。









美月の肌は滑らかで柔らかくて
弾ける張りがあって。

喘ぎ声が甘くて可愛くて。

あん、あん、と弾むようにほとばしる。

俺は彼女の体をくまなく愛撫して
丁寧にほぐしていった。
つもりだったんだけど。

いっ!いたあいっ!!

あの叫び声はでかかったなあ。

騙し騙し、美月の中に入っていった
あの、快感。
俺も初めての女の体にメロメロになった。




「亮ぅ。愛してる。」

「俺も。愛してるよ。美月。」

ホテルを出て、駅まで歩いている道すがら。
俺は美月の腰を抱いている。
美月は抵抗しない。

「気を抜くと感じちゃう。」

美月はくん、と小さく鳴くと
俺の手を取って、腰から離した。

「やっぱり、ダメ。」

「今の声。すごく可愛かった。」

戻りたくないな。
明日はまた、学校だ。

美月を家まで送ると、もう11時を回っていた。

「気をつけて。」

「また、明日な。」

美月は俺の首をだいて。
今度は唇にキスしてくれた。 







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