亀の啓示

18禁漫画イラスト小説多数、大人のラブコメです。

パラレルストーリー 女房殿と俺

2018-10-29 12:20:27 | 美月と亮 パラレルストーリー
我が妻は俺の肩くらいしかない
小柄な女である。
最近は更年期障害と肥満に喘ぐ
普通の中年女性だ。

若い頃は痩せていた。
小綺麗にしていて、理知的な
そしてあっさりと竹を割ったような
性格の持ち主だ。

「ただいま。」

俺は何時になっても家に帰る。

結婚するときの条件として
彼女は一番にそれを上げた。
なんならそれ一つでもいいと言った。

「愛人宅に入り浸られちゃ
ご近所の笑い者だもん。」

結婚前の一番浮かれてるときに
こんなことを口に出す女だった。


美也子を抱いて(いや、抱かれて、か)
帰った夜。
普段学校の愛人たちを抱いた日なんか
鼻もかけないのに、こんなときばかり
切なそうに背中から抱きついてくる。

「ねえ。春さん。」

「どうした?」

「なんだろう。よくわかんないけど
今日は複雑な顔してるね。」

俺の正面に回り込んできて
背伸びをしてフルフルと体を震わせる。
俺は膝を折って彼女に近づく。

「かたじけない。」

「なんのなんの。」

改めて彼女は俺の頭を撫でた。

「いつも帰ってきてくれてありがと。」

もう体型も崩れ、目尻の笑いじわも
引っ込まない名実ともにおばあちゃんの
女房に、俺の分身はむくむくと大きく長く
硬くなる。何でだろう。

そりゃ、彼女が100%俺を信頼して
愛して待っていてくれることなど
あるはずがないと思う。
男と女の最低限のルールとして
黙っているが、女房が知らないわけはない。
何人もの女を抱いているのを
彼女はよく分かっているはずだ。

「千絵ちゃん。」

俺は女房を抱き締める。
いつものシャンプーとボディソープの香り。
手からはハンドクリームの匂い。
頬はハトムギ乳液のしっとりした肌触り。
抱き上げると少し体に力を入れる。

「ぎっくり腰になるよ!いいから!」

「馬鹿にするなよ。大丈夫だ。」

寝室に連れていき、ベッドで服を脱がせる。
柔軟剤の香りが漂う。
スウェットからも枕からもシーツからも
いつものフローラルブーケの香りだ。

「千絵ちゃん。愛してるよ。」

「も、いいからあ。」

呆れたように叩き落とすが
照れているのはよく知ってるので
気にはならない。

「なんか、あったんだ。」

俺は極めていつもの通りに
振る舞っているつもりなんだが
何故かばれている。
切なさにうちひしがれてきたのを
どうしてだか分かってくれている。
昔の恋のどうにもならない痛みを
なぜこいつは慰めてくれるのか。
本当にわからずにやさしくしてくれてる
はずがないじゃないか、と思う。

「いや。千絵ちゃんには関係ないことだ。」

「関係なくないな。春さんがしょぼくれ
てるのは、関係なくない。」

女房の柔らかいふっくらした体は
たまらなく気持ちよくて安心する。
こんな男でも、自分の家に帰って
自分の女房にやさしくしてもらって
おずおずと甘えるのは気持ちがいいのだ。

キスを唇から耳、首筋へとずらしていく。

「…ん……く……ふぅ……」

もう娘は嫁ぎ、息子も家を出ている。
家には二人きりだというのに、まだ女房は
喘ぎを殺し、必死に飲み込む。

「千絵。お前がいてくれなかったら
俺は何も出来ないくだらない男だよ。」

「こんなに素敵で、お仕事もキチンとしてる
人なのに。あたしはただ、待ってるだけ
だよ?あなたを思い出して待ってるだけ。」

「それがどんなに男を支えてるか。
君にはわからないんだろうな。」

このへんでお喋りはおしまい。
俺は女房に攻め入る。
しばらくはいい勝負だが
そのうち女房が白旗を上げる。

「や、ひゃあ、ん。も、もう、」

「まだまだ、だ。」

「はあ!あ!ああ!っ」

馴れた中をかき混ぜる。
温かくて濡れて気持ちいい音をたてる。

「んくっ、、ひあんっ、、」

痙攣する女房を抱き止めて
もっと奥へと差し入れた。
俺も中で弾けた。

うっすら汗ばんだ肌を合わせて
荒い息を落ち着ける。
女房の呼吸に上下する胸でだらりと
トドみたいに横たわる。

「なんか。凄く良かった。」

女房は恥ずかしそうに呟くと
俺の頭を抱き締めた。

俺はまんまと取っ捕まってるなと思うが
見て見ぬふりをした。
牙を抜かれた野獣だ。
飼い慣らされて餌をもらい暖かな体を
合わせて眠る。狩りを忘れそうだ。

その夜、女房と初めてしたデートの夢を見た。












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