kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件

2011年09月25日 | ★☆☆☆☆
日時:9月25日
映画館:広島市映像文化ライブラリー(イタリア映画特集)
パンフレット:プレスシートスタイル300円

ロベルト・カルヴィ事件とは「マンガ日本経済入門」とか、あと何といっても「ゴッドファーザーPart3」で描かれたバチカンとつながりの深かった銀行頭取、カルヴィがロンドンで死体で発見された事件である。

その事件を現在(製作は2002年)分かっている事実を元に再構成したのが、この映画である。

ただですら分かりにくい金融犯罪を映画にするのである。フィクションだった「ゴッドファーザーPart3」でさえ事件の背景が分かりづらかったのだから、上手くまとめるか、かなり脚色しないと、付いていけないのではないか?

実際、その通りだった。
もう開幕15分で事態が見えない。カルヴィがバチカンの一部と絡んで、不正に手を染めていることは分かるのだが、あまりに多い登場人物それぞれの立場が全然、分からない!(分かりにくさには、司法・金融制度の違いやバチカンの大きな存在も起因している。)

かっての日本映画のようにナレーションと字幕で事細かに説明が入るようなこともなく、どんどん話が進む割に、ストーリーが整理されている感がなく、真実が明らかになるスリリングさとか悪事が破綻する負のカタルシスもない。

飛び交うのは説明くさいセリフと犯罪の証拠となる文書(=紙切れ)なので、映像としてとても持たない。

また、どんなタイミングで挿れられているか判断に苦しむピノ・ドナッジオの音楽もイライラするだけ。とても21世紀に入ってからの映画とは思えないセンス。

主演のカルヴィも追いつめられて逃げ回るだけで、威厳が感じられない。元々、大銀行の頭取だった人間がそんな羽目に陥るというところにも面白味があると思うんだがな。

やはり、金融犯罪を映画として伝えるのは限界があるな。犯罪の本質を絵にできないもんな・・・。

プレスシートがあるってことは、一応、日本公開された(2003年)んだろうけど、相当、事件に詳しいか、イタリア映画なら何でもOKという人でないと楽しめなかっただろう。ワタシでさえ、楽しめなかった・・・。







題名:法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件
原題:I banchieri di Dio - Il caso Calvi
監督:ジュゼッペ・フェッラーラ
出演:オメロ・アントヌッティ、パメラ・ヴィッロレージ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、ルトガー・ハウアー


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