kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

モンスターハンター

2021年04月14日 | ★★☆☆☆

ワタシ自身はビデオゲームをプレイしないのだが、ポール・W・S・アンダーソンの新作となれば、やはり行かねばなるまい。

国連治安維持軍のミラ・ジョヴォヴィッチのチームは砂漠で嵐に巻き込まれ、異世界へ放り込まれる。そこはモンスターの跋扈する世界だったが、異世界の原住民とともにサバイバルに挑む。

まあ、モンスターハントが主題の映画なので、それ以上の展開の広がりを期待できるわけでもなく、いつになったら話の本筋に入るのかと思いきや、前半はダラダラした展開が続いてしまう。特にジョヴォヴィッチと原住民のトニー・ジャーの遭遇とそこからのケンカなどくどい、くどい。「ゼイリブ」のプロレスシーンを彷彿とさせるのだが、そこはカーペンター好きのアンダーソン監督も狙っているのかも知れない。(狙わなくてもいいけど)それでも一定の水準以上で見れるのは監督の手慣れた手腕のもんだな。

手製の武器や知略を持ってモンスターを退治したり、逃げたりしていると、原住民代表のロン・パールマンとも遭遇。砂漠の中で帆船を操っていたりするあたりワクワクするのだが、帆船はあくまでもイメージに過ぎないので手下数十人をこき使って操船する堂々たるキャプテンぶりが見られるわけでもない。

【以下ネタばれあり】

このまま、ボスキャラモンスターの火吹き竜リオレウスを退治して終わりかと思いきや、いきなりジョヴォヴィッチは嵐の中で元世界に戻り、オスプレイに救出される。
ここからが「巨大メカ大好き」なアンダーソン監督の真骨頂。追いかけてきたリオレウスがオスプレイ、ハマー、エイブラムス戦車、AWACS機を相手に大暴れ。なまじの怪獣映画を上回る迫力なのは、監督の視点が巨大メカに行ってて破壊するためのパワーが直接的に表現されるからではないかと思う。
リオレウスがエイブラムス戦車の砲塔を投げ上げるのだから、やはりアンダーソン監督はこうでなくっちゃ。
ワタシの心の眼にはすでにアンダーソン監督がいつかは撮るであろう本格派戦争映画が見えている(笑)

南アフリカでロケされた景色も荒々しくてステキなのだが、せっかく南アフリカでロケしたならキャスパーとかマンバとかご当地装甲車を起用すればいいのに(笑)

コロナ禍のこのタイミングで公開されたのは、映画の出来の裏打ちになっているのではと邪推してしまうし、アンダーソン監督の中でも出来がいい方ではないので、評価は★★☆☆☆。

ところで、巨大メカともう一つアンダーソン監督映画に欠かせないのが、ジェイソン・アイザックスだが、今回は残念ながら登場せず。AWACS機内から指揮しててほしかった。






題名:モンスターハンター
原題:MONSTER HUNTER
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャー、ロン・パールマン

最新の画像もっと見る

コメントを投稿