kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

トップ・ガン/マーベリック

2022年06月05日 | ★★☆☆☆
日時:6月2日
映画館:サロンシネマ

周囲での鑑賞率がやたら高い本作、ワタシも2日前に席を確保して土曜日に観に行ったが観客の年齢層もやたら高い。皆さん、青春プレイバック(笑)

前作から実に36年、コロナでの公開延長を差し引いても30年以上前。前作を鑑賞した当時、ワタシは高校生だった。

【以下、ネタバレあり】

映画の中も同じように年を取り、米海軍のエースパイロットだったマーベリックことトムもそのスキルを最大限活用し、やりたいことだけやる気ままな海軍ライフ。
そこに艦隊司令官にまで昇りつめた旧友のアイスマン(バル・キルマー)からの直々の指名で特殊ミッションにあたる若手パイロットたちの教官を命じられる。特殊ミッションとはならず者国家のウラン濃縮プラントの爆撃破壊だった。

ちょっと待てい。戦争状態にない国に対して、米海軍はそんなことしてもいいのか?

そんなことは脇に置いてストーリーは進む。プラントは谷底の地下深くに建設されており、2段階攻撃が必要とされる爆撃作戦の特訓は過酷を極める。

ちょっと待てい。どうやったらそんな面倒くさいところにプラントが作れる。建設道路も通れないところにどうやって掘った?(劇中で説明されたと時は思わず失笑した。)

そんなことは脇に置いてストーリーははどんどん進む。
前作で事故死したパイロット、グースの息子も登場させ、前作への目配せを随所に盛り込みつつ、その一方でトムはジェニファー・コネリーとの恋愛にも忙しい。前作では若き美男美女のラブロマンスだったが、今回はイケメン壮年と美熟女(子持ち)のラブロマンス。プラント攻撃同様、観客のターゲット層もよく研究されている。おそるべしブラッカイマー。

何とか特訓も終え、いよいよミッション開始。露払いとして、いきなりトマホークミサイルでならず者国家の空港施設を破壊。

ちょっと待てい。米海軍は何の警告もなしに敵施設に猛爆撃を加えてもいいのか。飛行するF-18の頭上をミサイルの群れが追い越していく映像はなかなかカッコいいのだが、空港施設も無人ではなかろう。

そんなことは脇に置いて、いよいよプラント施設への2段階爆撃を敢行。もちろん際どいところで作戦は成功し、プラント施設は華々しく吹き飛ぶ。

ちょっと待てい。プラント施設には技術者や科学者、建設労働者など民間人はいないのか。

そんなことは脇においておいて・・・いやいやもうおいてはおいたらイカンだろ。
映画だから荒唐無稽な話は全然構わない。それが映画のいいところなのだが、それを米海軍が全面的にバックアップしていることにはさすがに違和感があるぞ。

ワタシ自身戦争映画は大好きだが、実は前作もそんなに好みではなく、むしろ同時期に公開された、アカがアメリカを占領する「若き勇者たち」の方が大好き、後年公開されたパロディ映画「ホットショット」の方が大好きなクチだったが、今回も前作に引き続いて苦手感を拭いきれなかった。

全編に感じられる「やったもの勝ち」感・・・
力のある側が力づくで勝利する映画はやっぱり面白くない。対等な勝負だったり、敗者の苦々しさだったり、逆に力ある側が貧しく弱き者たちから反撃されたりする方が映画は面白いし、そこが人生にも通じるところがあるんだな。

もちろん、米軍全面協力(と命知らずトム)による撮影、そこにデジタル技術もフル活用して、息を飲むライド的な映像と音響効果はやはりスクリーンで観る映画を実感させてくれる。

で、クライマックスは感動と噴飯の紙一重の展開。
ちょっと待てい。普通、飛行場はそんな近くにはないし、敵地では10キロ歩くのも大ごとだぞ。
とはいえ、そこに持っていく伏線の張り方なんかは感心するのだが。

Imdbのランキングが8点以上とはちょっと信じがたいが、
ワタシの評価は★★☆☆☆。

ところで、エンドクレジットの「トニー・スコットに捧ぐ」にはさすがに涙。






題名:トップ・ガン/マーベリック
原題:TOPGUN MARVERICK
監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、ジェニファー・コネリー、マイルズ・テラー、バル・キルマー、エド・ハリス



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