kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

Sentenza di Morte (死の宣告)

2012年03月15日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:3月3日
その他:マカロニ大会での上映

マカロニ大会も第12回ともなると主催者や関係者の技術力も大幅にアップ。未公開作品を日本語字幕付きで見ることができます。

さて、玉石混交のマカロニ・ウエスタンの世界において、橋にも棒にもと言われる未公開作品群。そんな中、傑作と名高いのが本作。

マカロニ・ウエスタンにしては珍しいオムニバス作品で、前年に公開された「世にも怪奇な物語」のヒットを受けて製作されたというのは、NEKOさんの見事な読みです。

主人公が兄を殺した4人を追う典型的な復讐譚。この4人の仇がリチャード・コンテ、エンリコ・マリア・サレルノ、アドルフォ・チェリ、そしてトーマス・ミリアンという豪華な顔ぶれ。さすがに豪華すぎて4人が一堂に会する場面がないのは、マカロニならではです。(笑)

ストーリーは単純なんだけど、ヒネリが効いていて、「下手な鉄砲だけを数撃って、ヒットしない。」つまらない作品とは大違い。

作品の予算もデカく、マカロニ大会のパーティーでもその話題で持ちきり、「カメラワークが斬新!」「マカロニ5本くらい撮れそうなエキストラ数!」「雨のシーンがある!」「夜の場面がある!」と大盛り上がり。
って、今の映画にしたら、普通のシーンなんですけどね。(笑)

エンリコ・マリア・サレルノのエピソードなど出来が良すぎて、「ありゃ、サレルノが監督の後ろで恐い顔をして、これ聞こえよがしに嫌みを言って、プレッシャーをかけていたんだ。」などと噂が出る始末。

文字通り、白眉なのが、トーマス・ミリアンの怪演で、コントラストの強い画面づくりととも相まって、もはや怪奇映画。まあ、どのエピソードも強烈すぎて、「起承転結」が「起結結結」なパワーバランスになってしまっていることが、かえって問題だったりします。

製作当時、マカロニ・ウエスタンというフレームでは何をやってもよかったことが実感できます。現在、リメイクしても充分に通じる内容なんですが、複数の仇を追う設定がきっと「キル・ビル」のパクリなんて言われてしまうんだろうな。(笑)







原題:Sentenza di Morte (死の宣告)
監督:マリオ・ランフランキ
出演:ロビン・クラーク、リチャード・コンテ、エンリコ・マリア・サレルノ、アドルフォ・チェリ、トーマス・ミリアン



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