kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒

2020年11月29日 | ★★★☆☆

あえてという訳でないんだが、なぜか年1本くらいの割合でストップモーションアニメ映画を見ているような気がする。

今年は「KUBO/二本の弦の秘密」の制作会社スタジオライカの新作が登場。いつものようにクオリティの高い作品。

【以下、ネタバレあり】

時は19世紀、英国紳士のフロスト卿はロンドンの紳士クラブに入会し、高慢ちきな貴族のクラブトップを見返すため、世界中でUMAを探していた。
そんな折、アメリカからビッグフット目撃の情報が入ったことから現地に向う・・・。

ここからビッグフット探しになるかと思いきや、何とすぐにビッグフットと遭遇。しかも流暢に人間語を使う高い知能を有し、同類のイエティに会うべくヒマラヤに行きたいと言う。
ここからフロスト卿とリンクと命名されたビッグフットの珍道中が始まり、さらにそこにフロスト卿の元カノで友人の未亡人、メキシコ人のアデリーナが加わる。

今回もスタジオライカのアニメが素晴らしい。素晴らしすぎてCGアニメと見分けがつかないくらい。予告編やエンドクレジットでもタイムラスプで製作風景が紹介されるが、いつものように絵作りへのこだわりや仕掛けの大きさに感動させられる。

駅馬車の車中では室内装飾のカーテンのフリンジが馬車と同じように揺れる!し、川のせせらぎや海原の波もストップモーションアニメで再現(どうやっているんだ!)する。
大嵐に揺れる船中の大活劇はこの映画の見せ場の一つだ。大波に叩き割られそうになる客船など「女王陛下のユリシーズ号」さえ思い起こさせるくらい。

舞台となっている19世紀の世界旅行のワクワク感にもあふれている。西部開拓時代のアメリカでは列車と馬で旅をしてドンパチはお約束。敵役の殺し屋はまんまリー・バン・クリーフだし(笑)
物語の中では、なんと世界一周半くらいしてしまう。劇中時間では2年は経過しているだろう(笑)

なのだが、映画全体で気持ちが盛り上がらない。ストーリー展開が他社のアニメと同じように見えるのか、出来が良すぎてストップモーションアニメのアナログ感が感じられないからか、キャラクター設定が観客に寄せすぎなのか・・・

総評として批評家受けは良かったが、ヒットせず赤字だったというのもさもありなん。

ところで、声優陣はヒュー・ジャックマンほかなのだが、エマ・トンプスンはすぐにわかる。こういう知的な熟女系女優が好きです(笑)






題名:ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
原題:MISSING LINK
監督:クリス・バトラー
声の出演:ヒュー・ジャックマン、ザック・ガリフィアナキス、ゾーイ・サルダナ、ティモシー・オリファント、エマ・トンプソン

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