47年正月、南極探検隊の昭和基地での越冬生活中、全員をシュンとさせたのは、
ある隊員の国許の夫人から来たアナタというたった一語の電報であった。
たった一語、千万無量の思いである。これ以上の表現はない。
今日心ある日本国民は皆このあなた! と言いたい宰相を欲しているのである。
あなた! と言いたい救世主、頼む御方を欲しているのである。
そして俺(おれ)が俺がというものばかりにウンザリしている。
そんな俺がではだめ。あなた! と呼びたい人がない以上、わたしはわたしでやってゆく。
せめてわたしの一隅を照らす。あなたもそうですか。それは嬉しい。
これが一燈照隅であり、やがて万燈遍照にもなろう。
即今はこれしかないのである。 by 安岡正篤
ある隊員の国許の夫人から来たアナタというたった一語の電報であった。
たった一語、千万無量の思いである。これ以上の表現はない。
今日心ある日本国民は皆このあなた! と言いたい宰相を欲しているのである。
あなた! と言いたい救世主、頼む御方を欲しているのである。
そして俺(おれ)が俺がというものばかりにウンザリしている。
そんな俺がではだめ。あなた! と呼びたい人がない以上、わたしはわたしでやってゆく。
せめてわたしの一隅を照らす。あなたもそうですか。それは嬉しい。
これが一燈照隅であり、やがて万燈遍照にもなろう。
即今はこれしかないのである。 by 安岡正篤