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◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

今日の秀句/6月11日~6月20日

2025-06-11 18:00:51 | Weblog

6月20日(1句)

★朝歩き汗ひくを待つ陶の椅子/上島祥子
「陶の椅子」のひんやりした感触が汗を引かすのにちょうどよさそうで、作者の細やかな感性を感じる。また、少し詩的な重みがあるので、この句が生きている。(髙橋正子)

6月19日(3句)

★雉鳩の鳴いて目覚むる梅雨晴れ間/桑本栄太郎
梅雨の晴れ間に雉鳩がクウクウ鳴いて、心地良い目覚めが知れる。子こんな目覚めこそ至福の時と言えそう。(髙橋正子)
★夏氷薬缶の中にかたかたと/小口泰與
麦茶の入った薬缶なのか、氷がかたかたと涼しそうな音を立てている。生活の中の涼しそうな音に耳を傾けるのも、生活の豊かさといえるのでは。(髙橋正子)
★若葉雨切りひらきゆく通院路/川名ますみ
若葉雨を「切りひらいてゆく」感覚は、車椅子に乗っている時の感覚ではないかと思う。たっぷりと降る若葉雨に降られながら、通院の路と進む意志の強さを思う。(髙橋正子)

6月18日(句)

★降り出しの雨音軽く明易し/上島祥子

「明け易し」と「雨音軽く」が、感覚としてぴったりと合っている。「明け易し」を音に例えれば、夏の「軽い雨音」と言えそう。(髙橋正子)

6月17日(1句)

★青梅の三つ四つ落ちて朝の雨/上島祥子

青梅が三つ四つ落ちているのを見て、夜の間に雨で自然に落ちたことにすぐに思い至るだろう。朝の雨と青梅の三つ四つが、爽やかな印象。(髙橋正子)

6月16日

※該当句無し

6月15日(2句)

★句会あり夏の夜とはことのほか/小口泰與
夏の夜の長さを楽しむひとつに句会に出かけることがある。「夏の夜とはことのほか」と言えるほど、リラックスし、楽しむことができる。(髙橋正子)
★力溜め鮃の皮引く夏本番/土橋みよ
鮃の旬は冬だが、冬に限らず夏も刺身などにすれば、涼し気で美味しい。おそらくこの鮃は刺身にされるのであろう。力を溜めて皮を引く夏本番の気合が、鮃の活き良さを思わせる。(髙橋正子)

★ねむの花花蕊赤く落にけり/廣田洋一

ねむの花はほんわりと咲いている印象だが、中心の蕊は赤い糸のようである。落ちるとその細い蕊の赤さが目に強く残る。そこを見逃さずに捉えたよさ。(髙橋正子)

6月14日(1句)

★植えられし早苗すっくと水面に立つ/多田有花

植えられた早苗が根付いてきたのだろう。水面にすっくと立つその水際に早苗の力が見える。(髙橋正子)

6月13日(1句)

★水打てば葉陰に隠れし胡瓜あり/土橋みよ

庭に水を打っているとき、家庭菜園に胡瓜が大きくなっているのが葉隠れに見えた。うれしいことだ。みずみずしく涼し気な句。(髙橋正子)

6月12日(1句)

★アマリリス正面は青き津久見湾/多田有花

津久見湾は、大分県の豊後水道にあるリアス式の海岸線をもつ湾で、大小の島々が浮かぶ。この句は、大輪のアマリリスの赤と、青い海の色のコントラストが明快で、アマリリスも真正面の海を向いて、その率直さに健やかさがある。(髙橋正子)

6月11日(2句)

★時々は流され休む水澄まし/廣田洋一
水澄ましの動きは見ていて飽きない。水の上に静止しているかと思えば、ときどきは流されていき、またそこで休んだりする。その様子を率直に詠んだところがよい。(髙橋正子)
★庭師来て風の生まるる夏の庭/上島祥子
剪定の季語は、春となっているが、これは、果樹などの剪定を差している。夏には徒長枝が伸びたり、葉が茂ったりして、暑苦しい印象をうけるので、庭師に「刈り込み」を頼む。庭に風がよく通るようになった。風が生まれる涼し気な夏の庭になったのだ。(髙橋正子)
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11 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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お礼 (上島祥子)
2025-06-12 23:40:26
正子先生
6/11の秀句に「庭師来て風の生まるる夏の庭」をお選び下さり丁寧な句評を有難うございました。梅の木の繁りすぎた枝を整理してもらったら、風も光も良く通り気持ちの良い庭になりました。
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御礼 (廣田洋一)
2025-06-13 07:34:56
高橋正子先生
いつも懇切にご指導いただき有難うございます。
6月11日の「時々は流され休む水澄まし」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
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お礼 (多田有花)
2025-06-15 11:48:33
正子先生
「アマリリス正面は青き津久見湾」を6月12日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
大分県は豊後水道をはさんで愛媛県の隣県です。
津久見市の隣の臼杵市と愛媛県八幡浜市はフェリーで2時間半ほどの距離とか。
愛媛県側も複雑なリアス式海岸が続きますが、大分県側も同様で、海岸線の美しさを堪能できます。
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お礼 (多田有花)
2025-06-16 08:57:54
正子先生
「植えられし早苗すっくと水面に立つ」を6月14日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
近所の水田で田植えが始まり、田に水が入り、代田となりその水が澄んで、田植えが行われます。
田植えが終わった直後の早苗は水面にようやく頭が出るかどうかのいたいけな感じです。
それが数日もたてばしゃんと背筋をのばして水の上に立っています。
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お礼 (土橋みよ)
2025-06-16 09:01:14
正子先生
6月13日と15日の句に星のご指導と温かい励ましのコメントを頂き有難うございます。鮃は2.5㎏の大きなもので力が入ってしまいました。庭に作った小さな野菜畑では胡瓜や茄子が実をつけ、成長の早さに驚いております。15日のコメントでは、どの点が良かったかを教えていただきました。今後の指針にして参りたいと思います。お時間を割いていただき感謝しております。
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添削のお礼 (土橋みよ)
2025-06-20 09:30:21
「栃木来て」の句について分かりやすく説明して戴き有難うございます。言葉を縮める時には主語が何かを考えて、何度も読み返してから投句したいと思います。
また、「力溜め」の句に温かいコメントを頂き感謝いたします。市場から買い求めた、夏の鮃らしい身がしっかり入ったものを昆布締めにしてみました。
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御礼 (桑本栄太郎)
2025-06-20 12:32:48
高橋正子先生
お早う御座います!!。
6月19日の今日の秀句に「雉鳩の鳴いて目覚むる梅雨晴れ間」の句をお選び頂き、嬉しい過分なるご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
当地京都はの昨日は最高気温が36,8℃まで上がりました。然し、夜はまだ涼しく昨日の朝は雉鳩の「デデッポポウ!、デデッポポウ!」との鳴声に目覚めました。
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御礼 (小口泰與)
2025-06-20 13:32:32
高橋正子先生
(夏の夜)の句を6月15日の秀句にお取り上げ頂き、正子先生にはうれしい句評を頂き有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
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お礼 (川名ますみ)
2025-06-20 21:30:46
正子先生、いつもあたたかいお導きをありがとうございます。
「若葉雨」の句にいただきましたコメント、仰る通りの心境でした。通院以外で外出することがないので、通院の際は、その季節に飛び込んでいくような心地です。
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御礼 (廣田洋一)
2025-06-21 08:07:55
高橋正子先生
いつも懇切にご指導いただき有難うございます。
6月15日の「ねむの花花蕊赤く落にけり」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難うございます。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
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