MBA -30歳からの挑戦-

30歳を機にMBA取得を志した挑戦者の、勇気あるも困難に満ちた成長物語。アメリカから帰国後、再就職しました。

一粒の米

2005年10月23日 | 若き日のメモ

江戸時代の儒学者として有名な新井白石の話である。

白石も人の子である。
幼い頃には勉強をさぼることがあったそうだ。
そんな時には、父親が「一粒の米」を例にあげて、
白石を諭したという。

父親は白石に米びつを持ってくるように指示した。
そして、一粒の米を米びつからとったそうだ。
白石に尋ねて曰く、
「この一粒の米はどこからとったと思う」。

白石はもちろん「わからない」と答えた。
また一粒の米をとって、
「今度はどこからとった」と尋ねた。

この作業を数回続けた後に、
白石の父はいった。
「一粒の米はどこからとったかわからない、
しかし、これを何百回、何千回と続けていくと、
やはり米は減ったとわかるであろう。」

「勉強も同じである。
一日さぼっても、急にあほうになるわけではない。
しかし、ずっと勉強しないと、
いつの日か自分がダメな人間になっていることに
気づくであろう」。

なるほど、すばらしい教訓である。
いつ書き留めたのかもわからない若き日のメモによると、
この寓話は大村はまの「心のパン屋さん」で紹介されているそうだが、
易しい例を使って、とても意義のある教訓を学ばせようとする、
白石の父の知性と愛情が感じられる話である。

ビジネススクールの勉強は、
怠ける暇もないくらいではあるが、
やはり「今日一日ぐらい手を抜いても…」と思うことはある。
しかし、油断が続くようであれば、
やがては取り返しのつかないことになってしまう。

「一粒の米」の教えに感謝すると共に、
ゆっくりでもマイペースで努力し続けることを心に誓った。


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