MBA -30歳からの挑戦-

30歳を機にMBA取得を志した挑戦者の、勇気あるも困難に満ちた成長物語。アメリカから帰国後、再就職しました。

深呼吸の必要 (2004)

2007年10月08日 | MBA・留学

自分らしい上手な生き方とは…。

私が大学生の時の話であるが、
当時私が暮らしていた家の近くのプールで
アルバイトをしたことがあった。
プールというだけあって、夏の間だけ、
2ヵ月ほどのいわゆる短期アルバイトであった。

収入アップが当時の主な目的であったことは間違いないが、
今では「これまで生きてきた人生の中で、
最も輝いた1ページの一つ」といっても
過言ではないくらいに、楽しく、それでいて教訓に満ちていて、
もう十年以上も前の話なのに、
印象深い想い出として記憶に焼きついている。

そのプールでは、私と同じ、
または異なる目的を持って15人ほどの男女が集まった。
大学生がほとんどであったが、
そのうち数人と仲良くなり、
いつも一緒で、飲みにいったり、遊びにいったり、
こんなにすばらしい仲間とならずっと一緒に働きたいとさえ思った。

しかし、そんな楽しいことがいつまでも続く訳がなく、
やがて夏が終わりを告げる頃、
それぞれがそれぞれの人生に戻っていった。
私には、がんばって貯めた巨額のアルバイト代と、
「楽しいことはいつまでも続かない」というやけに大人びた寂しさ、
そして、限られた時間ではあったが、
仲間から学んだ多くの教訓が残り、
それらと共に新学期の大学に戻っていったわけである。

話がズレてしまったが、
私は「深呼吸の必要性」を観て、
自分自身、そして周りの人々もそれぞれが、
様々な悩みを抱えながらも、
一生懸命に自分らしく毎日を生きていたあの時代を思い出し、
少なからず心が癒されたように感じた。
それは、自分自身がいる状況を楽観視することの必要性を訴え、
行き詰っている人々にある種の安らぎを与えてくれるのである。

沖縄には長寿が多いと言われているが、
「なんくるないさ(問題ない、心配しすぎることはない)」
に象徴されるように、
物事をいい意味で諦められる強さというか、
潔さが、生きる上で実はとても大切なことのように思えた。

確かに我々は悩まなくてもよいことに頭を悩ませ、
どうでもいいような事で、心を疲弊させている。
「そういう生き方とは異なる生き方もある」というメッセージを、
おじいとおばあ役のお二方の芸術品のような笑顔から、
感じ取ることができた。

人はいろんなものを背負って生きているけど、
自分の価値観を他人に押し付けることなく、
様々な価値観が存在することが許される世の中になればいいなと、
鑑賞後のすがすがしい気持ちの中、
この作品のメッセージが、
多くの人たちに伝わるといいなと、祈るような気持ちになった。


作品評価: 10点(10点満点)


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