MBA -30歳からの挑戦-

30歳を機にMBA取得を志した挑戦者の、勇気あるも困難に満ちた成長物語。アメリカから帰国後、再就職しました。

授業料のからくり(?)

2005年05月25日 | MBA・留学
今日のトピックはいつもより度の強い「客観的なメガネ」をかけて読んでいただきたい。

私のこれまでの経験上、「多くの日本人は良いものを安く手に入れたい人々」だと考えている。もちろん一部の高額所得者や、お金をあまり気にされない人々は除外してという意味で…。

しかし、ことアメリカ人の教育に対する考え方に関しては、MBA如何に関わらず「安かろう、悪かろう」というイメージが付きまとう場合が多いと考えている。誤解を恐れずに分かりやすい例を挙げれば、一般的に言って、授業料が比較的安い州立大学と、授業料が高額の私立大学を較べた場合、大部分のアメリカ人は「後者の教育の方がベターであろう」というイメージを持つに違いない。もう一度念を押すが、例外は多々ある。

したがって、大学側としては「リーズナブルな授業料を学生に課すことで、より多くの学生に対する魅力を高めたい」という気持ちと、「授業料を安くすることで生じるマイナスイメージを抑えたい」という相反する欲望が互いに反発し合うことになる。その反発が落ち着くポジションに授業料が設定されることになる。回りくどい話になるので、簡単に表現すると、さまざまな事情により、いくつかの大学では、本来徴収しなければならない授業料よりも、随分と高い授業料を学生に徴収している場合があるのだ。

私はいま2つのMBAプログラムを計りにかけて、どちらを選ぼうか思案している最中であるが、一方の大学、(ここではA大学とする)から、奨学金を提供したいという話が持ち上がっている。私はその手紙を見た瞬間に、他方の大学に(B大学)メールを送り、B大学では奨学金はないのかという交渉を始めた。5月上旬の話である。

A大学とB大学の授業料を較べると、A大学の方が高い。そして私の気持ちはA大学に傾いている。B大学と奨学金の話を初めて分かったのは、大きな大学であるので、奨学金の枠はすでに決まっているような印象を受けたということ。しかし、A大学にはB大学と交渉している事実のみを伝え、A大学の奨学金の率を上げてもらえないかという交渉も同時に始めた。

結果的に、一連の交渉の過程で、A大学は奨学金の額を20万円近く上げてくれることとなった。私はB大学の授業料の詳細を例に挙げて(B大学の授業料の資料をA大学に提出することになるが)もう一度だけ最後の交渉をするつもりであるが、おそらく奨学金はもう少しだけ上げてもらえるような気がしている。

誤解していただきたくないのは、私は上で述べた一連の交渉で、A大学と私のどちらサイドに主導権があるかを分かっていない。つまり、私以外の日本人アプリカントは私よりもはるかに高額な奨学金をもらっているかもしれないし、もらっていないかもしれない。私は私費留学生となるので、少しでも安い授業料に抑えたいと必死なので、結果を出し、かつ大学側も、私も、互いに気分の悪くならないWin-Winの関係を築いてこの交渉を終えたいと考えている。

結局のところ何が言いたいかというと、初めに述べた「授業料=プログラムの質」という神話がある以上、大学によっては必要以上に授業料を徴収せざるを得ない場合があり、うまく話を進めることさえできれば、授業料を多少は低く(=奨学金を高く)してもらうことも不可能ではないということである。

言われたままの授業料を納めるというのは多くの学生にとって当たり前のことなのかもしれないが、教育のバックグラウンドで働いていたおかげで、授業料のからくりを理解することができたので、まだ授業料の交渉を行っている方がおられればぜひ参考にしていただきたい。

しかし、この交渉はご存知のようにとても高いリスクを伴うので、細心の注意を払っていただきたい。交渉が失敗すれば、あなたの信用は音を立てて崩れ(もちろん、これからの2年間を含む)、日本人、アジア人の学生やアプリカントまでが大きな迷惑を被ることになる。ビジネスに関する知識修得や国際交流への寄与という大切な目的を妨害するような事例が起こらないことを祈るばかりである。

もっとも、MBA受験の過程で、進学先の大学がアプリカントの言うことに聞く耳を持つか持たないかについてはアプリカント自身が一番良く分かっているはずだ…。


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1 コメント

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Unknown (まちがい)
2005-05-28 13:31:34
>大学によっては必要以上に授業料を徴収せざるを得ない場合



授業料の高低はむしろ需給関係で決まります。



>この交渉はご存知のようにとても高いリスクを伴うので、細心の注意を払っていただきたい。交渉が失敗すれば、あなたの信用は音を立てて崩れ(もちろん、これからの2年間を含む)、日本人、アジア人の学生やアプリカントまでが大きな迷惑を被ることになる。



ありえません。



>MBA受験の過程で、進学先の大学がアプリカントの言うことに聞く耳を持つか持たないかについてはアプリカント自身が一番良く分かっているはずだ…。



合格した時点で、アプリカントではありません。カンディデイトです。既に学校の商品ですから学生の立場は強くなります。