MBA -30歳からの挑戦-

30歳を機にMBA取得を志した挑戦者の、勇気あるも困難に満ちた成長物語。アメリカから帰国後、再就職しました。

木藤 亜也

2006年07月18日 | ひと

亜也さんへ

どのような縁があったのかは分かりませんが、
私はここアメリカの地であなたの人生を描いたドラマを見て、
あなた自身が書かれた手記を読ませていただきました。
どちらも心に残る物語で、
涙なしには見ることができなかったくらいです。
ずいぶんとドラマティックな人生でしたね。

あなたの言葉の一言ひとことは、
とても大きな力を持っていると感じました。
物語が進んでいくと、
必然的に病気も進行していくので、
あなたと一体になって病気を憎みました。

物語が進むほどに胸が痛くなることも増えていきましたが、
何度壁にぶつかっても
その持ち前のまっすぐな心強さで立ち向かっていくあなたの姿に、
勇気づけられました。

脊髄小脳変性症との戦いは辛かったでしょうね。
あまり知られていない病気だったから、
きっと毎日が不安なことばかりで、
悩んでも悩んでも答えが出ずに心ばかりが疲れたでしょう。

心細かったでしょうね。
きっと身体も辛かったことでしょう。
思うように身体を動かせなくて、
自分の想いを言葉にできなくて、
悔しくて、情けない思いをしたでしょう。
はがゆさで気が狂いそうになったこともあったでしょう。

人をいたわるあたたか気持ちを持つあなただから、
迷惑をかけていると考えて、
大きな責任を感じられたことでしょうね。
まわりの人に何百回も何千回も「ごめんなさい」と謝られたことでしょう。
また、「見捨てられるかもしれない…」という恐怖に
苦しめられたこともあったでしょう。 

みんなと同じようにしたくてもできない悔しさに、
歯をくいしばることも数え切れないくらいあったでしょう。
何のために生まれてきたのか、
その意義を見出せないこともあったでしょうね。
厳し過ぎるくらいの環境の中で、
よくがんばって生きようとしてくださいました。

亜也さん、あなたは言いました。

12年間の学校生活で学んだ知識、
先生や友人から受けた教えを生かして、
社会の役に立ちたかった。
たとえどんな小さな弱い力であっても、
喜んで与えたかった。
お世話になったせめてもの恩返しがしたかった
」と。

あなはた「世の中の役に立てない」と
嘆いたのかもしれません。
でも、それは大きな間違いだったようですね。
私を含めて、きっと多くの人々はあなたの物語から、
とても大きくて、あたたかな勇気をもらいました。
あなたが必死に生きようとする姿から、
「生きることの意味」を学ばせてもらいました。

テレビドラマや手記を通して
あなたと出会えたことを私はうれしく思います。
あなたの生きようとする姿があまりに一生懸命で、
あなたの生きようとする姿があまりに美しくて、
亜矢さんが流した1リットルの涙には遠く及びませんが、
私もたくさんの涙を流しました。
泣き虫の亜矢さんと同じですね…。

病気に命を奪われた方に
こんなことを言うのもおかしな話ですが、
亜也さんはとても幸せだと思います。
心強く、優しくてあたたかいお母さんの子として生まれたこと。
そして、思いやりのある家族に囲まれて生きられたからです。

亜也さん、あなたはあなたにしかできないことを成し遂げました。
あなたの家族は言うまでもなく、
同じ学校に通った生徒、先生、
病院の医師や看護師、
そして同じ病院で治療に励む患者、
彼らや彼女ら、そして私の心の中で、
あなたはずっと生き続けていくのです。

みんなの気持ちの中で、あなたができなかったこと、
そしてあなたがやりたかったことを存分に楽しんで下さい。

最後に亜也さんのお母さん。
亜也さんは言いました。

母から受ける愛は自分の中で消化され、
人に対する愛に変わっていくものであると思う。

すばらしい娘さんをこの世に産んでくださいました。
亜也さんは、とても立派な娘さんです。
今、あなたに勇気を与えているのと同じように、
亜也さんはこれからも多くの人々に勇気を与えることでしょう。
娘さんが、あなたの生きる支えになっているように、
きっと多くの人々の生きる支えになっていくはずです。
これからも亜也さんが生きた証を人々に伝えてあげて下さい。

亜也さん、あなたがいなければ、
考えなかったことを考えさせてもらいました。
感じなかったことを感じさせてもらいました。
あなたのおかげで、
生きることについて深く考え、
生きたくても生きられない人の分まで、
精一杯生きなければならないことを学びました。

亜也さん、あなたのことだから、
今は天国できっとたくさん歩いているんでしょうね。
いや、走りまわっていることでしょうね。

ありがとう、亜也さん、
あなたの人生に感謝します。
ありがとう、亜也さん、
私はあなたに約束します。

命を終えるその日まで、
私もあたなのように一生懸命に生き抜くことを…。

ありがとう、亜也さん。

ありがとう。


     次回のトピック: 「1リットルの涙」

エクササイズ: ウォーキング 098/150


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