太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

映画「悪い女はよく稼ぐ」

2019年06月22日 | 太陽にほえろ!


先日、マミー刑事こと長谷直美さん初主演の映画「悪い女はよく稼ぐ」を観てきました。

「太陽にほえろ!」にゆかりのある方が多く携わっていて、そのせいか初めて観るのになんとなく懐かしいような
不思議な感覚でした。

ゴリさんこと竜雷太さん、DJこと西山浩司さん、初代庶務係・くみちゃんこと青木英美さんが出演。
みなさんさすがにあの当時とはだいぶ変わられていましたが、それでも端々に七曲署にいたころの面影を残していて
うれしかったです。

マミーは運転がやんちゃだったこと以外はどちらかというと優等生タイプだったと思いますが、
今回は詐欺師の役で、年齢を重ねて凄みを増した長谷さんがカッコよく演じておられました。

西山浩司さんはDJがそのままベテランになったと妄想したくなる刑事役で、
渋みと軽妙さが相まってすごくいい感じに年を重ねてらっしゃいました。
若い頃より断然いいです。

本編内で、太陽好きなら「おお!!」と思わず声が出るであろう人物の名前も登場。
うれしいサプライズでした。


連日終演後にトークショーがついていて、私は「太陽にほえろ!night」の日に行きました。
ロビーに集まる観客のみなさんを見て、勝手に太陽好きの同類と親近感を抱いておりましたが、
けっこう映画に出演されていた方や長谷さんのお知り合いもいらしたみたいです。

トークショーでは、長谷さんと青木さん、原隆仁監督(太陽当時助監督)が主に初期のころの思い出を話していました。
目の前で七曲署OGたちがしゃべってる!ということに内心舞い上がりながら聴いておりました。

途中でこの映画の企画・プロデュース・脚本を手掛けた柏原寛司さんも飛び入りでお話に加わったのですが、
アクションものの印象が強い柏原さんなので、見た目もハードでタフな感じを想像していたら
とてもおだやかで柔らかい雰囲気の方でした。

青木さんは、おしゃれで素敵なマダムでした。
「普段はもう寝ている時間なんだけど…」といいつつ、“アナザーストーリーズ”を観直してトークショーに臨まれたそうで、
ちょっと緊張気味のようでしたが、ボスとの思い出など話してくださいました。

トークショーが終わった後、長谷さんが「一家に一枚、魔除けになります」と、主題歌CDの販売も自らされていたので
そりゃ買ってしまいましたよね、やっぱり。

目の前であのマミーが!サインをしてくれて!握手もしてくれました!
「マミー!」と呼びたかったけど、映画を観た直後だったので昔の役名で呼ぶのもはばかられ…。
たぶんご本人は何と呼ぼうがにこやかに受け入れてくださったと思いますが。

短い時間でしたが七曲署のマミーと言葉を交わすことができて、数日経った今でも夢心地です。

“アナザーストーリーズ”でも太陽のスタッフ・キャストの集合写真が何枚か紹介されましたが、
いつの時代もキャストが特別扱いじゃなく、制作スタッフの一員という空気が感じられて好きです。

素顔の長谷さんも、サバサバと明るく、カッコいいけど気どってなくて、本当に素敵な姉御でした。
長谷さんを通じて、あのころの七曲署の空気を吸えたような気分になれた、
そんなシアワセな「太陽にほえろ!night」でした。


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「アナザーストーリーズ」

2019年06月19日 | 太陽にほえろ!
いつも楽しみに拝見しているブログさんで紹介されていて、ワクワクしながらこの日を待ちました。
これを見逃していたら…と思うと恐ろしいです。
この場を借りて、ありがとうございます!

NHKだけにCMが入らず丸々1時間『太陽にほえろ!』特集。
DVDの特典映像で見聞きしたり、関連本で読んだりして知っている内容も多かったですが、
当時のスタッフや出演者が、この番組のために取材を受け話してくれているということが貴重です。

メインテーマをはじめサントラもふんだんに使われ、竜さん、小野寺さん、勝野さんの出演時には
それぞれの刑事のテーマが流れるのも、お約束ながら熱くなるものがあります。
いやー、普段から聴いているくせに、テレビから流れてくる太陽の楽曲ってなんでこうぐっとくるんでしょうか。

多くの秘蔵資料や関係者の証言を集め丁寧に作られた「アナザーストーリーズ」。
携わった方々の太陽愛をひしひしと感じました。


おそらく萩原健一さんが亡くなられたことがきっかけで今回の特集につながったと思いますが、
私は初めてマカロニをリアルタイムで記憶していないことを悔しく思いました。
10代の自分が彼を観ていたら、どんな影響を受けたんだろうと。

今回も、子どものころ太陽を見て影響されて脚本家になった方が出演されていましたし、
渡辺徹さんも太陽ごっこをやっていたのが、のちにラガー刑事として番組を作る側になったんですよね。

太陽の影響で実際に映像や音楽の世界に飛び込んだり、あるいは警察官になった方も少なくないと思います。
直接仕事に結びつかないまでも、「人生で大切なことはすべて太陽で学んだ」という方も多いのではないでしょうか。

子どもだった私もとっくに新人刑事の年を過ぎ、殿下やゴリさんどころか
番組後期の山さんや長さんの年代にいつのまにか追いついていました。
あのころ憧れていた大人像とは違うけれど、きっと自分のどこかにその欠片が沁みついていると信じて
真剣に人生に向き合っていこうと、めずらしくちょっと熱くなった夜でした。


最後に流れたボスのメッセージ。
番組打ち上げ時にスタッフ・キャストに向けて吹き込まれたものですが、
長い年月を経て、改めて『太陽にほえろ!』を愛するすべての人に届けられたのではないでしょうか。

『太陽にほえろ!』に出逢えた人生、それだけでも捨てたもんじゃないと思います。



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#562 ブルース刑事登場!

2019年06月15日 | 太陽にほえろ!


早朝、新宿の公園で倒れている浮浪者のそばにしゃがんでいる若者をみかけたドック(神田正輝)とボギー(世良公則)が声をかけると、
無言で殴りかかってきた。ふたりが身分を明かすと若者は素直に抵抗を止めた。
彼の名は澤村誠(又野誠治)。警察学校に移った長さん(下川辰平)の教え子で、今日から一係に配属になる新人刑事だった。





ドックたちが事情を聞くと、澤村は被害者が平さんと呼ばれていて顔見知りであること、
亡くなる直前に形見のハーモニカをくれたことは答えたが、犯人については何も聞いていないし心当たりがないという。
なにか隠しているようすだが頑固に口を閉ざす澤村。
ボス(石原裕次郎)は、澤村に謹慎を命じて家に帰し、ドックとボギーに見張らせるがまんまと撒かれてしまう。

澤村の家が思いがけない豪邸で、さらに妻(渡瀬ゆき)までいると知り驚くドックたち。

泉ちゃん。無口で不愛想な澤村とは正反対の明るく社交的な奥さんです。
こういう女性と一緒なら彼も間違いないだろうなと思わせる良いキャラクターです。

澤村の父親は生前ブルースのピアニストで、その影響で本人もブルースが好き。
母親とは子供のころに死別している。
少しずつ澤村の生い立ちも紹介されていきます。

さらに、久しぶりに長さんと再会した山さん(露口茂)は、澤村が不用意に人を傷つけたくないという気持ちが強い男だと
聞かされる。


ふたりがとっても嬉しそうで、私も嬉しいですw



以前、得意のハーモニカを吹きながら、生き別れた息子が政界に出ると話していた平さんの嬉しそうな、
それでも迷惑になるから名乗り出ないと語ったときの少し寂しそうな姿を思い出す澤村。

平さんを探し出し殺したのが響組の組員で、新進政治家の上杉とつながりがあることが分かった。
上杉は平さんの息子で、それが世間に明るみになることを恐れた上杉が響組を使って殺したのだった。
息子の出世を陰ながら喜んでいた父親を、保身のために死に追いやった上杉に澤村の怒りが爆発する。


事件解決後、あだ名は「ブルースがいいです」と主張して譲らない澤村。
ドック、ラガー、ボギーと明るく陽性な新人刑事が続きましたが、ここにきて陰のある無口な、そして頑固な新人の登場です。



【伝統の文学座】



2年たってようやく弟分が入ってくると張り切るラガー。
実際にも渡辺徹さんと又野誠治さんは文学座の先輩後輩ですが、年は又野さんの方が一つ上だそうで、
そのせいかラガーがあまり先輩に見えなかったです。
それでも、改めて観ると当時のブルースは初々しさもあり、ラガーは精いっぱい先輩ぶっているのが微笑ましいです。

又野さんは同じく文学座の松田優作さんに憧れていたとのこと。
私は最近まで彼が優作さんに似ていると言われていたことを知らなかったのですが、
よくよく見直してみると意識してるのかなと思う場面はあります。

ですが、又野さんには彼特有の鍛えられたアクションとそこはかとないユーモア、そして繊細ともいえる優しさがあり、
私の中では記憶に薄いジーパン刑事よりもブルースの方が愛着があります。

こうしてみると、本当に文学座って「太陽」と縁がある劇団なんですね。
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#561 12年目の真実

2019年06月03日 | 太陽にほえろ!


ドック(神田正輝)には同じ高校から揃って一浪して同じ医大に入った友達が4人いた。
仲の良いその5人が毎年恒例で集まり飲んだ翌朝、仲間の1人・安川が遺体で発見された。
周囲の状況から、安川は建設中のビルの屋上から何者かに落とされたと考えられた。

ドックは仲間を信じながらも、刑事として彼らのアリバイを調べ真実を探ってゆく。



『禁じられた怒り』に続いて、再会した翌日に医大時代の友人を亡くし捜査を担当することになるドック。
そのうえ今回は容疑者も友人というしんどい状況。
それでも前回に比べるとずいぶん冷静に対応していて刑事としての成長がうかがえます。




もう一軒行こうという誘いを断り先に帰ったドックは、酔っ払って自宅に帰るのが面倒だったのか、
翌朝起きる自信がなかったのか、なぜかラガー(渡辺徹)を叩き起こし部屋に転がり込む。

なんともはた迷惑な話ですが、結果的にこれがドックのアリバイになったんですよね。

亡くなった安川は、医大を中退しクリーニング店を営んでいたが、妻が配達中に店の車を盗まれ、
犯人がひき逃げ事故を起こしたまま見つからないため、遺族に払う賠償金を工面するのに苦労していたことが判明。
さらに通夜の席でドックは、彼の母親から「5人のうち息子ともう一人が裏口入学だった」という事実を聞かされる。

…もう一人って、ドックじゃないの?
たしかお父さんがお金払って入学できたのがわかって嫌になった…っていうのが
中退した理由のひとつじゃなかったでしたっけ?

なんとなくもやもやしますが、まあ先に進みましょう。

裏口入学を斡旋していた予備校の職員(北村総一朗)をゆさぶる山さん(露口茂)。

『七曲署・1983』以来でしょうか。北村さんと対峙する山さんはいつも楽しそうw


安川が同じ境遇の友人に借金を頼んだのではないかと思ったドックは、友人たちに事実を確認して回る。
親友に対しても遠慮なく捜査に当たるドックにマミー(長谷直美)やラガーたちは感心するが、
ドックはあくまでも仲間の無実を信じていた。



裏口入学を告白した倉本(大門正明)が、あの晩ビルの屋上で安川と会っていたことも打ち明けたが、
あくまで殺しは否定。
ところで、倉本医院の外観がドックの実家にそっくりなんですが。



状況から倉本が怪しいと睨むラガーは、それでも倉本を信じるドックにちょっとイラついていますw
刑事仲間のドックを医者仲間に取られちゃいそうで焦ってるのか、少し焼きもちも入っているように見えるのは考えすぎでしょうか。
のちにラガーが殉職したとき、ドックが回想したのはこの場面でした。

意外にも、真犯人は安川が生命保険に入っていることを知った、ひき逃げの被害者の夫だった。
妻を喪い途方に暮れる気の毒な夫を装い、実は妻以外の女性と付き合いマンションの購入資金にするため
安川の命を奪ったのだった。

逮捕状を突きつけられ逃げ出す男を捕まえ殴りつけるドック。
当時の一係の中では力が強そうなトシさん(地井武男)とラガーが二人がかりでも抑えきれない暴れぶり。
犯人にぶつけた拳には、安川と仲間たちの分の怒りも込められていた…にしても少々やりすぎて
哀れな犯人は前歯を折られたのでした。


【本日の卒業】
友人が勤める病院の屋上でナーコと再会したドックは、介護の仕事を手伝いたいという彼女を応援する。
その言葉で気持ちを固めたナーコが一係に挨拶に来た。

(ナーコ、ますます綺麗になってる!)

しょげるラガーに「男らしくシャキーンと見送ってやれ」と諭すドックに、
「良いこと言うじゃないか」と言ったときの山さんの口調と表情がツボで何度も観ちゃいます。

ナーコの卒業をもって、一係のお茶くみの歴史は終わりました。
時代の変わり目を感じます。
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#552 或る誤解

2019年05月20日 | 太陽にほえろ!
かすみ荘で一流会社に勤めるサラリーマンの手塚が殺されているのが見つかった。
遺体のそばに9時38分を指して止まっている血のついた置時計があり、犯行時間と凶器がほぼ確定された。
凶器の指紋は拭き取られ、近所で見つかった手塚の財布からは現金が抜き取られていた。

ドアノブから前科のある三善(佐野浅夫)の指紋が検出されたが、彼はラガー(渡辺徹)が行きつけの
定食屋の主人だった。

山さん(露口茂)とラガーが店を訪ねると、三善は山さんを店の外に誘いその場で手塚殺しを自白する。
一方、ラガーから事件のことを聞いた三善の娘・和枝(東啓子)は激しく動揺した。
彼女は手塚と付き合っていて、父に反対されて気まずくなっていたのだった。




服役中に知り合った男の娘・和枝を引き取り育ててきた三善。
和枝の結婚話に反対したためにケンカになり、
むしゃくしゃして相手のアパートに押し掛けたら、その男が殺されていた。

直前に和枝がアパートから走り去る姿を見た三善は、彼女が殺したと勘違いして
自分が罪をかぶろうとしたのだった。

和枝はあの晩手塚のアパートの前まで行ったものの、会わずに引き返していた。

父親がどうして自分に確かめもせず罪を被るようなことをしたのかと嘆くが、
山さんは娘を疑うようなことを言ってこれ以上嫌われるのが怖かった三善の気持ちがよく分かった。

血のつながらない息子・隆を育ててきた山さん。
父親参観に行くと約束したのに、この事件で行けなくなり隆から責められたばかりだった。



自分が記憶する限り、親に面と向かって嫌いと言ったことはないと思うのですが、
子どもが思う以上にショックなんでしょうね。
特に父親は取り乱したりしづらい分、いつまでも傷が癒えなさそうです。

親子だからといって何でも話せるわけじゃない。
今回のように、ちょっとしたタイミングのいたずらで物事があらぬ方向に転がってしまうことは
じゅうぶんあり得ます。

取り調べたのが山さんだったから真相にたどり着いたものの、もしかしたら
三善の自供のまま彼は娘の罪を被って逮捕され、娘は信じていた父が恋人を殺したと思い込んで
これから苦しんで生きていくことになったかもしれません。



山さんは、事件を解決するとともに親子の未来も救ったのでした。


一係室に戻った山さんは、ボスから遅れてでも授業参観に行けと命じられる。
「最後の1分でも出たほうがいいですよ」
子どものいるトシさん(地井武男)の一言も実感がこもっています。

あんなにむくれていた隆くんですが、きっと駆けつけたお父さんを見て大喜びすることでしょう。
山村親子もまた、ボスと仲間たちによって救われたのでした。






【本日の走り屋】
交通課から異動して間がないマミー(長谷直美)が、今回得意の運転を披露。
「大丈夫か?」と助手席で怯えるドック(神田正輝)を尻目に容疑者のバイクを追いつめます。


途中で振りきられたボギー(世良公則)は「あなた下手ねー」と言われ、
山さんを学校に送っていく役目もマミーに奪われてしまうw


交通課のミニパトと比べて一係の覆面車は性能も良さそうなので、マミーも嬉々として飛ばしてますね。
そして、車にとっても上手い人に乗ってもらう方が実力を発揮できて幸せでしょう。

いろんな規制がかかる前のこの時代は、カーアクションも迫力があって観ていて血が騒ぎました。
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