本日のロッドのお話です。
KⅡ Bonny Lynx The tamer 11ft 3in #4/5 270～330gr Lither Spey (チビネコ) の巻きでございます！
先のネコ使いで素材の見直しを行いその素材の特徴が分かり、テーパーバランスの決定の見極めに自信をもっておりました。それと時期を同じくして、かなりのスピード感を伴って世界各地でロッドの低番手化が進んでおりました。これはスペイラインやヘッドのレベルが上がってきたためだと実感しておりました。
それを考慮しトラウト用のWハンドとして国内本流に最適なものを作りたく、対象魚はレインボー、イワナ、ヤマメなどに絞り込みました。これは自分の釣りでもその必要性を感じておりましたので、遅ればせながら企画、設計を始めました。
チビネコに要求したことは、
・低番手であってもその飛距離が高番手ロッドに負けないこと。
・大きなお魚でもそのサイズに負けないランディング能力を持つこと。
・スイッチロッドと重なるスペックではあるが、Wハンドロッドとしての特性を持つこと。
・本流では沈めたラインやヘッド、湖では大型のドライフライ（セミフライなど）の釣りで最高のパフォーマンスを発揮すること。
・対象魚をトラウトフィッシング（30cm～60cmオーバー)に絞り、扱いやすいロッドバランスを実現すること。
などなどです。
2017年12月にサンプルロッドを用意いたしました。
かなり完成度の高いものに仕上がりましたが、困った問題も起こりました。
見直した素材の良さと抜群のテーパーを持たせたため、狙ったスペック、11ft 3in での＃4/5であったのですが、番手が下がらないという問題が起きました。
このチビネコで狙った使用したいライン、ヘッドにはロッドが抜群だったのですが番手が上がってしまってました。とにかく素材の良さで番手が下がらない状況でございました。
しかし、このロッドサンプルのバットセクションのポテンシャルは大型のトラウトと相対するには必要であったために、トップセクション、2nd セクション、3rdセクションを作り替えまして、開発段階ではアクションの違う27通りの各パーツの組み合わせ（おそらくすべての方がどの組み合わせでも満足いくものだと思います）の中からキャスト時の繊細なラインからの情報、キャスティング時のロッドの曲がりからくる微妙な感触、魚とのファイトでの曲がり感、大物を獲るためのロッドパワー、そして目指した番手の決定を時間をた～っぷりとかけましてテストを何度も繰り返しました。
前の日に一番いいと思った組み合わせが次の日には？？？な感じになってしまう、そんなことの繰り返しになりました。
対策としてロッドの各仕様を身体で感じておりました感覚をリセットするために一度テストを行った後は必ず3日間はサンプルロッドはもちろん、全てのロッドを触らないことにいたしました。
しばらくそんな状況下でございました。最終的には2通りの組み合わせで長い時間悩みましたが、その時の市販されているライン、ヘッド事情に合わせまして最終仕様を決定いたしました。
約8か月の本当に長い時間がかかりましたが、2018年8月に発売いたしました。
市場にチビネコを出してからは各地のエキスパートの皆様のフィールド事情にマッチングいたしまして大人気アイテムとなりました。
またイメージアップとしてコストを度外視し、裏面ロゴを掲載しております。
多くのエキスパートの皆様のお気に入りのアイテムとなって各地域で大活躍中でございます。
繊細なウエットFFや豪快なストリーマーFFにも多用できるチビではありますが、凶暴な一面を持ったこのロッド、これからの活躍が楽しみです。
2020年8月で2歳になります！ お使いいただいております皆様に益々のご活躍と感謝を申し上げます。今後も大事にしてやってください！
ありがとうございました！
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