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『覆面作家』 大沢在昌

2025年05月12日 17時57分18秒 | ■読書
大沢在昌の連作ミステリ短篇集『覆面作家』を読みました。
大沢在昌の作品は昨年7月に読んだ『撃つ薔薇: AD2023涼子』以来ですね。

-----story-------------
嘘と真実の狭間に潜む、謎を「私」はあぶりだす。
収録作品すべての語り手は、著者を彷彿とさせる「私」なる作家。
自身の経験に裏打ちされたミステリーは、本当にすべてフィクションなのか?
ハードボイルド&ミステリーの第一人者が満を持して放つ珠玉の作品集

「幽霊」
ある日、作家の「私」に接触してきた真野と名乗る正体不明の男。
彼が語る内容を小説にして欲しいと言うが。

「村」
携帯が圏外になるほどの僻地に、思いもよらぬ人物が集う「村」の秘密。

「確認」
キャバクラの勤め終わりの女性を、家まで車で送り届けるドライバーは何を隠しているのか。

など、どれもが読了後、虚実の有無をいやが応にも考えさせられるミステリアスな作品集。
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2017年(平成29年)に刊行された作品……著者本人がモデルとなったリアリティのある8篇が収録されています。

 ■幽霊
 ■カモ
 ■確認
 ■村
 ■イパネマの娘
 ■大金
 ■覆面作家
 ■不適切な排除
 ■解説 内藤麻里子

ある日、作家の「私」に接触してきた真野と名乗る正体不明の男……彼が語る内容を小説にして欲しいと言うが(『幽霊』)、、、

学生時代の友人が語る、携帯が圏外になり思いもよらぬ人物が集う「村」の秘密(『村』)

キャバクラの勤め終わりの女性を、家まで車で送り届けるドライバーは何を隠しているのか(『確認』)など、どれもが読了後、虚実の有無をいやが応にも考えさせられるミステリアスな作品集。

主人公でハードボイルド作家の「私」は大沢在昌本人がモデルということもあり、作家の日常生活から文学賞の授賞式、バーやクラブでのホステスや編集者、作家仲間とのやり取り等、とてもリアリティを感じましたね……そこに、巧く創作を織り込んで物語が作られているので、どこまでが現実で、どこからがフィクションなのか? ということを想像しながら読み進めました、、、

どの作品も愉しめましたが、その中でも印象に残ったのは、

ホステスを送り届けるドライバーの正体(プロの殺し屋?)を描いた『確認』、

限界集落の対策として、潜伏したい人物の隠れ場所として、ホントにどこかに存在していそうな人里離れた村を描いた『村』、

マッサージ店で流れたボサノバの曲が記憶の底に押し込めていた女性を思い起こさせる『イパネマの娘』、

の3篇かな……私小説、エッセイ風の語り口なので、読みやすかったですね。

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