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『サディーが死んだとき 87分署シリーズ』 エド・マクベイン(著),井上一夫(翻訳)

2025年07月13日 18時59分44秒 | ■読書
アメリカの作家エド・マクベインの長篇ミステリ作品『サディーが死んだとき 87分署シリーズ(原題:Sadie When She Died)』を読みました。
『ショットガン 87分署シリーズ』に続き、エド・マクベインの作品です。

-----story-------------
雪を予感させる雲が覆う下で、街はクリスマスの飾りつけにざわめいていた。
87分署に、殺人事件のしらせがとびこんだのもそんな時だった。
刑事専門の弁護士ジェラルド・フレッチャーが、自宅の寝室で妻サラーの刺殺死体を発見したと報告してきたのだ。
捜査は開始された。
犯行は稚拙で、物盗りによる計画的な犯行とみることができた。
次の朝には早くも決定的な容疑者が浮かび、その男ラルフ・コーウィンは抵抗することもなく逮捕され、麻薬の金欲しさに押し入り、サラーに声をたてられたために夢中で刺したと自供した。
素人の、ジャンキーによる単純な強盗殺人事件として、検察官の手にうつされようとしていた……。
キャレラはそのあっけない解決をどうしても受け入れられなかった。
ジェラルド・フレッチャーが、腹を残忍にえぐられた妻の死体をそばにして、「わたしはだれかがこの女を殺してくれたのを喜んでいるよ」とキャレラに言った、挑発的な響きが耳に残って離れなかった。
彼は妻を異常なまでに憎んでいた! 容疑を受ける危険を承知の上で、なぜそんな告白をあえてしたのか。
キャレラはその小さな疑惑の裏に隠された犯罪を執拗に追い詰める。
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1972年(昭和47年)に刊行された、87分署シリーズの第26作です……小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。

スティーヴ・キャレラ刑事は自分の耳を疑った……「本当に嬉しいよ」弁護士ジェラルド・フレッチャーは妻サラーの刺殺死体を見てこう言ったのだ、、、

犯人はあっさりと捕まり、その男ラルフ・コーウィンは麻薬を買う金欲しさに襲ったと自供した……しかしキャレラ刑事はフレッチャーの言葉が忘れられなかった! 異様なほど挑戦的なフレッチャーの態度の裏には!?

物盗り目的で窓から侵入したコーウィンがジェラルド・フレッチャーの妻サラーを刺した……という線が有力な中で、キャレラ刑事はジェラルド・フレッチャーに疑惑を抱く、、、

そんなキャレラ刑事に、なぜかジェラルド・フレッチャーは自ら接触を試みてくる……2人の駆け引きが愉しめる心理ミステリでしたね。

マイヤー・マイヤー刑事とバート・クリング刑事の治療用ブレスレットを巡るやりとりや、クリング刑事の上手くいかない色恋沙汰等々の事件とは無関係なサブストーリーも愉しめるのですが……本作は、少しキレが悪い印象でしたね、、、

とはいえ、ずっと読んでいるとキャレラ刑事を中心とした刑事たちや、その家族に感情移入しちゃいますね……87分署シリーズ、次々と読みたくなっちゃいます。

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