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『ダーティ・ママ!』 秦建日子

2013年09月19日 20時36分00秒 | ■読書
「秦建日子」のコメディータッチの警察小説『ダーティ・ママ!』を読みました。


「秦建日子」作品は約4年前に読んだアンフェアな月―刑事 雪平夏見以来ですね。

-----story-------------
シングルマザーで、子連れで、刑事ですが、何か?

――育児のグチをぶちまけながら、「高子」「葵」の凸凹刑事コンビ+「橋蔵(1歳)」が事件解決へとひた走る! 
爽快感120%の新シリーズ!
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2012年1月~3月に日本テレビが「永作博美」主演でドラマ化した作品で、当時、何回か観たことがある作品… 本作はドラマ化される前の2010年に発行された作品です。

以下の連作3篇で構成されており、ドラマの前半部分にあたる作品が収録されています。

 ■episode1 はじめてのダーティ・ママ
 ■episode2 ダーティ・ママは三度吐く
 ■episode3 父親参観日のダーティ・ママ


小太りで中年女のシングルマザー「丸岡高子(マルコー)」「永作博美」のイメージとは全く違いますが…)と、かつてソフトボールでオリンピック代表選手を目指していた長身の「長島葵」… そんな二人の凸凹コンビがスカッと事件を解決して行く警察小説なんですが、、、

「高子」は、1歳の息子「橋蔵」を特製ベビーカーで連れながら刑事としての仕事をこなし、麻布南署刑事課で検挙率ナンバーワンの女性刑事、「葵」は、刑事としての手腕よりも「橋蔵」のベビーシッターとして期待されて刑事課に異動となった新米女性刑事… という全く現実味のない設定なのですが、そんな二人が気持ち良く事件を解決して行くので、テンポ良く愉しみながら読めましたね。


『はじめてのダーティ・ママ』は、パート先企業の不正経理を知った主婦「冨田幸代」が事件に巻き込まれる物語、、、

夫はリーマンショックで職を失い、息子は家計を手伝おうとして無理なバイトをして交通事故を起こしてしまい、経済的に苦しい状況に追い込まれた「幸代」は、一家離散を防ぐために上司に口止め料を求めるが、それにより命を狙われることに… 事件の背後に潜む、黒幕織を追い詰めることはできませんでしたが、凸凹コンビの活躍で「幸代」には平和な生活が戻ります。


『ダーティ・ママは三度吐く』は、公園のトイレで頚動脈を切り裂かれた若い女性の死体が発見され、複数の容疑者の中から真犯人を突き止める物語、、、

同棲中の男性と、その男性の妻が、容疑者として浮上するが、被害者の男性関係を洗い出すうちに別な容疑者が浮かび… 凸凹コンビが強引な捜査で真相を明らかにします。


『父親参観日のダーティ・ママ』は、同日に発生した強盗事件と爆破予告事件が、強盗事件の犯人が爆破予告された幼稚園に逃げ込んだことから、両方の事件を並行して解決することになる物語、、、

ドジな強盗犯人と大人びた幼稚園児の濃いキャラが面白かった… 爆破予告事件の真相が意外で面白かったですね。


いずれの物語も「高子」の息子「橋蔵」の親権問題や、「葵」「佐々木卓也」との恋物語を絡めながら語られているので、ドラマ化を意識したつくりになっている感じがしましたねぇ… でも、面白かったです。


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