井上ひさしの連作時代小説『東慶寺花だより』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています… 井上ひさしの作品は、6~7年前に読んだ『井上ひさしの日本語相談』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
江戸の離婚は現代の二倍?
寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立する――。
離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、そして人情の切なさ、温かさ。
鎌倉の四季を背景にふっくらと描かれる、笑いと涙の傑作時代連作集。
十年の歳月をかけて書きつむいだ感動の遺作。
著者自身による特別講義を巻末に収録する。
原田眞人監督、大泉洋、満島ひかり出演で『駆込み女と駆出し男』という題で映画化。解説・長部日出雄
<東慶寺にはどんな女性が、何人駆け込んだか。正確にはわかりませんが、江戸後期までに少なくとも3千人と言われています>(井上ひさし「東慶寺とは何だったのか」より)
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1998年(平成10年)から2008年(平成20年)に、文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に発表された作品… 女たちの「駆け込み寺」を描く、涙と笑いの人情譚、井上ひさしの遺作となる作品です。
■梅の章ーおせん
■桜の章ーおぎん
■花菖蒲の章ーおきん
■岩莨の章ーおみつ
■花槐の章ー惣右衛門
■柳の章ーおせつ
■蛍袋の章ーおけい
■鬼五加の章ーおこう
■白萩の章ーおはま
■竹の章ー菊次
■石蕗の章ーおゆう
■落陽の章ー珠江
■黄蘗の章ーおゆき
■蓼の章ーおそめ
■薮椿の章ーおゆう
■特別収録 東慶寺とは何だったのか 井上ひさし
■「東慶寺の本棚」
■解説 女性は江戸時代から強かった 長部日出雄
井上ひさしが十年をかけて紡いだ、感動の遺作! 江戸時代、女たちが不幸な結婚から逃れるための「駆け込み寺」であった鎌倉の東慶寺… その門前に建つ御用宿の居候で、戯作者志望の青年・中村信次郎の目を通し、救いを求めて寺に身を寄せる女たちの物語が描かれる、、、
駆け込む理由はどれもこれも一筋縄ではいかなくて… ただ虐げられるばかりではない、怒り、抵抗し、許し、受け入れる。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、そして人情の切なさ、温かさ… 名もなき人々の弱さと強さを優しい視線で見つめた井上文学の到達点とも言うべき、静かな感動に満ちた連作短篇集。
駆け込みという言葉から連想される暗さはなく、ほのぼのとした温かい気持ちにさせてもらえる物語でした… 落語の人情噺のような印象の作品でしたね、、、
ミステリ的な要素もあり、駆け込み至った謎を解いていく愉しみもあったし、エピソード毎に鎌倉の四季折々の美しい情景が浮かんでくるような展開も良かったですね… 個人的には、『柳の章ーおせつ』や『蛍袋の章ーおけい』でイイ役どころを演じている仁八そばのトラばあさんが良かったなー
当時の女性は男性に虐げられていたという勝手なイメージがあったのですが、東慶寺へ駆け込んだ女性は三千人と言われており、再婚率は80%だったそうですし、自分で稼いで、自分で生きていく力をもっていて、女性もやられっぱなしじゃなかったようですね… 著者自身による特別講義は、歴史の勉強になりました。
ここのところ、時代小説が続いています… 井上ひさしの作品は、6~7年前に読んだ『井上ひさしの日本語相談』以来なので久し振りですね。
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江戸の離婚は現代の二倍?
寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立する――。
離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、そして人情の切なさ、温かさ。
鎌倉の四季を背景にふっくらと描かれる、笑いと涙の傑作時代連作集。
十年の歳月をかけて書きつむいだ感動の遺作。
著者自身による特別講義を巻末に収録する。
原田眞人監督、大泉洋、満島ひかり出演で『駆込み女と駆出し男』という題で映画化。解説・長部日出雄
<東慶寺にはどんな女性が、何人駆け込んだか。正確にはわかりませんが、江戸後期までに少なくとも3千人と言われています>(井上ひさし「東慶寺とは何だったのか」より)
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1998年(平成10年)から2008年(平成20年)に、文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に発表された作品… 女たちの「駆け込み寺」を描く、涙と笑いの人情譚、井上ひさしの遺作となる作品です。
■梅の章ーおせん
■桜の章ーおぎん
■花菖蒲の章ーおきん
■岩莨の章ーおみつ
■花槐の章ー惣右衛門
■柳の章ーおせつ
■蛍袋の章ーおけい
■鬼五加の章ーおこう
■白萩の章ーおはま
■竹の章ー菊次
■石蕗の章ーおゆう
■落陽の章ー珠江
■黄蘗の章ーおゆき
■蓼の章ーおそめ
■薮椿の章ーおゆう
■特別収録 東慶寺とは何だったのか 井上ひさし
■「東慶寺の本棚」
■解説 女性は江戸時代から強かった 長部日出雄
井上ひさしが十年をかけて紡いだ、感動の遺作! 江戸時代、女たちが不幸な結婚から逃れるための「駆け込み寺」であった鎌倉の東慶寺… その門前に建つ御用宿の居候で、戯作者志望の青年・中村信次郎の目を通し、救いを求めて寺に身を寄せる女たちの物語が描かれる、、、
駆け込む理由はどれもこれも一筋縄ではいかなくて… ただ虐げられるばかりではない、怒り、抵抗し、許し、受け入れる。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、そして人情の切なさ、温かさ… 名もなき人々の弱さと強さを優しい視線で見つめた井上文学の到達点とも言うべき、静かな感動に満ちた連作短篇集。
駆け込みという言葉から連想される暗さはなく、ほのぼのとした温かい気持ちにさせてもらえる物語でした… 落語の人情噺のような印象の作品でしたね、、、
ミステリ的な要素もあり、駆け込み至った謎を解いていく愉しみもあったし、エピソード毎に鎌倉の四季折々の美しい情景が浮かんでくるような展開も良かったですね… 個人的には、『柳の章ーおせつ』や『蛍袋の章ーおけい』でイイ役どころを演じている仁八そばのトラばあさんが良かったなー
当時の女性は男性に虐げられていたという勝手なイメージがあったのですが、東慶寺へ駆け込んだ女性は三千人と言われており、再婚率は80%だったそうですし、自分で稼いで、自分で生きていく力をもっていて、女性もやられっぱなしじゃなかったようですね… 著者自身による特別講義は、歴史の勉強になりました。
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