イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品『復讐の女神(原題:Nemesis)』を読みました。
『さあ、あなたの暮らしぶりを話して クリスティーのオリエント発掘旅行記』、『カリブ海の秘密』に続き、アガサ・クリスティの作品です。
-----story-------------
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。
その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。
だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。
マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。
『カリブ海の秘密』の続篇。
(解説 南波雅)
-----------------------
1971年(昭和46年)に刊行された、ミス・マープルシリーズの長篇11作目となる作品……長篇として出版されたミス・マープルシリーズは次作の『スリーピング・マーダー』が最後ですが、執筆された時期は本作がシリーズ最後となります。
■1. 序曲
■2. 合言葉はネメシス
■3. ミス・マープル活躍を始める
■4. エスター・ウォルターズ
■5. あの世からの指図
■6. 愛
■7. ある招待
■8. 三人姉妹
■9. ポリゴナム・バルドシュアニカム
■10. “なんと、やさしく! なんと、美しく! 過ぎし日よ”
■11. 事故
■12. 協議
■13. 黒と赤のチェック
■14. ブロードリブ氏の疑念
■15. ヴェリティ
■16. 検死審問
■17. ミス・マープルの訪問
■18. ブラバゾン副司教
■19. 別れの言葉を交す
■20. ミス・マープルに考えあり
■21. 大時計三時を打つ
■22. ミス・マープルその次第を語る
■23. 終曲
■解説 合い言葉はネメシス 南波雅
午後になると2つ目の新聞「タイムズ」をひらくのが、セント・メアリ・ミードに住むミス・マープルの習慣だった……ときどき知った名前に出会うことがあるので、死亡欄にはとくにていねいに目を通す、、、
その日もラフィールという名を見つけた……数年前 カリブ海に遊んだマープルが自ら〈復讐の女神〉と名乗って大活躍をしたとき、彼女に援助の手をさしのべてくれたあの大富豪のラフィール氏だった。
ところがそれから一週間ほどたって、故ラフィール氏の奇妙な伝言が弁護士を通じてミス・マープルに伝えられた……遺産の一部を譲りたいが、ついてはマープルを〈復讐の女神〉とみこんであることをやってほしいというが、マープルに何を期待しているのか、何をしてもらいたいのか全く判然としない、、、
カリブ海の事件のことからラフィール氏は何か犯罪を解決してもらいたいのだろうと解釈したマープルは、死者の依頼を引き受けることにした……だが、事件そのものが分らないという雲をつかむような事態の前にさっそく開始した活動も行き詰ってしまった。
そのとき死者から第2の指令がとどいた……身辺に十分気をつけて、英国の古い館と庭園をめぐる観光旅行に参加するようにと、、、
〈復讐の女神〉ミス・マープルのミステリ・ツアー……女史が意欲を燃やすミス・マープル3部作の第2弾!
『カリブ海の秘密』でマープルに出会い、ともに謎解きをした大富豪ジェースン・ラフィールが死去し、彼が遺言にミス・マープルが解決すべき別の謎を残す……という展開で、『カリブ海の秘密』の後日譚的な物語です、、、
死亡したラフィールからの何らかの犯罪を調べてほしいという遺言状が届き、解決に成功すれば2万ポンドをマープルに相続させるというが、何をしらべるかすらわからない状況からのスタート……五里霧中のままラフィールが生前に手配したイギリスの有名な邸宅や庭園を巡るバスツアーに出かけたマープルは遂に悪の匂いを嗅ぎつける という興味深いプロローグが物語に惹き込まれました、、、
バスツアーで、登場人物が一気に増え、それぞれに怪しい部分があるなぁ……と感じていたところ、旅の途中で旧領主邸の怪しげな三姉妹が登場、さらにはツアー客の中のひとりがハイキング中に岩崩れにより重症を負い と中盤からは一気に物語が動きます。
本作も意外な人物が犯人でしたねー 愛が憎しみに変わる恐ろしさを感じる作品でした……それにしても、ツアー客の怪しげな2人組がマープルの危機を救うとは、、、
終盤は予想外の展開が愉しめました……本作品は3部作の第2作となる予定でしたが、アガサ・クリスティの死去により第3作は発表されないままになったようです。
以下、主な登場人物です。
ジェーン・マープル
探偵好きな独身の老婦人
ジェースン・B・ラフィール
マープルの知人。故人
マイクル・ラフィール
ラフィールの息子
エスター・ウォルターズ
未亡人。ラフィールの秘書
アーサー・ジャクスン
ラフィールのマッサージ師
ジェームス・R・ブロードリブ
上位弁護士。ジェースン・ラフィールの遺言執行人
シュスター
弁護士。ブロードリブの共同経営者
クロチルド・ブラッドベリースコット
ジョスリン・セント・メアリの旧領主邸在住
アンシア・ブラッドベリースコット
ブラッドベリースコット家の三女
ラヴィニア・グリン
ブラッドベリースコット家次女。未亡人
ヴェリティ・ハント
殺された娘
ノラ・ブロード
行方不明の娘
ブラバゾン
副司教。フィルミンスター在住
ライズリー(ゼラルディン)・ポーター夫人
観光バスの乗客
ジョアナ・クロフォード
観光バス乗客。ポーター夫人の姪
ウォーカー大佐
観光バス乗客。退役軍人
ウォーカー夫人
観光バスの乗客。メリーピットの知人
ヘンリー・バトラー
観光バスの乗客
メイミー・バトラー
観光バスの乗客。ヘンリーの妻
ミス・エリザベス・マーガレット・テンプル
観光バスの乗客。ファローフィールド校の元校長
ワンステッド教授
観光バス乗客。病理・心理学者
リチャード・ジェームスン
観光バスの乗客。建築家
ミス・ラムリー
観光バスの乗客
ミス・ベンサム
観光バスの乗客
ミス・クック
観光バスの乗客。ミス・バローの連れ
エムリン・プライス
観光バスの乗客
ミス・バロー
観光バスの乗客。ミス・クックの連れ
『さあ、あなたの暮らしぶりを話して クリスティーのオリエント発掘旅行記』、『カリブ海の秘密』に続き、アガサ・クリスティの作品です。
-----story-------------
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。
その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。
だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。
マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。
『カリブ海の秘密』の続篇。
(解説 南波雅)
-----------------------
1971年(昭和46年)に刊行された、ミス・マープルシリーズの長篇11作目となる作品……長篇として出版されたミス・マープルシリーズは次作の『スリーピング・マーダー』が最後ですが、執筆された時期は本作がシリーズ最後となります。
■1. 序曲
■2. 合言葉はネメシス
■3. ミス・マープル活躍を始める
■4. エスター・ウォルターズ
■5. あの世からの指図
■6. 愛
■7. ある招待
■8. 三人姉妹
■9. ポリゴナム・バルドシュアニカム
■10. “なんと、やさしく! なんと、美しく! 過ぎし日よ”
■11. 事故
■12. 協議
■13. 黒と赤のチェック
■14. ブロードリブ氏の疑念
■15. ヴェリティ
■16. 検死審問
■17. ミス・マープルの訪問
■18. ブラバゾン副司教
■19. 別れの言葉を交す
■20. ミス・マープルに考えあり
■21. 大時計三時を打つ
■22. ミス・マープルその次第を語る
■23. 終曲
■解説 合い言葉はネメシス 南波雅
午後になると2つ目の新聞「タイムズ」をひらくのが、セント・メアリ・ミードに住むミス・マープルの習慣だった……ときどき知った名前に出会うことがあるので、死亡欄にはとくにていねいに目を通す、、、
その日もラフィールという名を見つけた……数年前 カリブ海に遊んだマープルが自ら〈復讐の女神〉と名乗って大活躍をしたとき、彼女に援助の手をさしのべてくれたあの大富豪のラフィール氏だった。
ところがそれから一週間ほどたって、故ラフィール氏の奇妙な伝言が弁護士を通じてミス・マープルに伝えられた……遺産の一部を譲りたいが、ついてはマープルを〈復讐の女神〉とみこんであることをやってほしいというが、マープルに何を期待しているのか、何をしてもらいたいのか全く判然としない、、、
カリブ海の事件のことからラフィール氏は何か犯罪を解決してもらいたいのだろうと解釈したマープルは、死者の依頼を引き受けることにした……だが、事件そのものが分らないという雲をつかむような事態の前にさっそく開始した活動も行き詰ってしまった。
そのとき死者から第2の指令がとどいた……身辺に十分気をつけて、英国の古い館と庭園をめぐる観光旅行に参加するようにと、、、
〈復讐の女神〉ミス・マープルのミステリ・ツアー……女史が意欲を燃やすミス・マープル3部作の第2弾!
『カリブ海の秘密』でマープルに出会い、ともに謎解きをした大富豪ジェースン・ラフィールが死去し、彼が遺言にミス・マープルが解決すべき別の謎を残す……という展開で、『カリブ海の秘密』の後日譚的な物語です、、、
死亡したラフィールからの何らかの犯罪を調べてほしいという遺言状が届き、解決に成功すれば2万ポンドをマープルに相続させるというが、何をしらべるかすらわからない状況からのスタート……五里霧中のままラフィールが生前に手配したイギリスの有名な邸宅や庭園を巡るバスツアーに出かけたマープルは遂に悪の匂いを嗅ぎつける という興味深いプロローグが物語に惹き込まれました、、、
バスツアーで、登場人物が一気に増え、それぞれに怪しい部分があるなぁ……と感じていたところ、旅の途中で旧領主邸の怪しげな三姉妹が登場、さらにはツアー客の中のひとりがハイキング中に岩崩れにより重症を負い と中盤からは一気に物語が動きます。
本作も意外な人物が犯人でしたねー 愛が憎しみに変わる恐ろしさを感じる作品でした……それにしても、ツアー客の怪しげな2人組がマープルの危機を救うとは、、、
終盤は予想外の展開が愉しめました……本作品は3部作の第2作となる予定でしたが、アガサ・クリスティの死去により第3作は発表されないままになったようです。
以下、主な登場人物です。
ジェーン・マープル
探偵好きな独身の老婦人
ジェースン・B・ラフィール
マープルの知人。故人
マイクル・ラフィール
ラフィールの息子
エスター・ウォルターズ
未亡人。ラフィールの秘書
アーサー・ジャクスン
ラフィールのマッサージ師
ジェームス・R・ブロードリブ
上位弁護士。ジェースン・ラフィールの遺言執行人
シュスター
弁護士。ブロードリブの共同経営者
クロチルド・ブラッドベリースコット
ジョスリン・セント・メアリの旧領主邸在住
アンシア・ブラッドベリースコット
ブラッドベリースコット家の三女
ラヴィニア・グリン
ブラッドベリースコット家次女。未亡人
ヴェリティ・ハント
殺された娘
ノラ・ブロード
行方不明の娘
ブラバゾン
副司教。フィルミンスター在住
ライズリー(ゼラルディン)・ポーター夫人
観光バスの乗客
ジョアナ・クロフォード
観光バス乗客。ポーター夫人の姪
ウォーカー大佐
観光バス乗客。退役軍人
ウォーカー夫人
観光バスの乗客。メリーピットの知人
ヘンリー・バトラー
観光バスの乗客
メイミー・バトラー
観光バスの乗客。ヘンリーの妻
ミス・エリザベス・マーガレット・テンプル
観光バスの乗客。ファローフィールド校の元校長
ワンステッド教授
観光バス乗客。病理・心理学者
リチャード・ジェームスン
観光バスの乗客。建築家
ミス・ラムリー
観光バスの乗客
ミス・ベンサム
観光バスの乗客
ミス・クック
観光バスの乗客。ミス・バローの連れ
エムリン・プライス
観光バスの乗客
ミス・バロー
観光バスの乗客。ミス・クックの連れ