jykell7引越し先

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憎悪~第3話~

2005-11-26 13:43:38 | ノンジャンル
俺はためらいながら、自分の愛犬に刃を向ける・・・・

ギャウン! ガゥガゥ、ギャヒィィィン!!
悲痛な叫びが俺の心をえぐる。想像して欲しい。FFの竜騎士が自分の愛する子竜を殺すだろうか。
許せよ、ワン公。間に合うのなら、戦闘後、必ず復活させてやるからな・・
愛犬は鳴きながら、いや、正確に表現するなら泣きながら主人である俺に反撃してくる。おぅ、お前の攻撃、けっこう痛いじゃねぇか。お前、強くなってたんだなぁ・・・
ごめんな、俺ここで負ける訳には行かねぇんだよ。

と、敵ナイトの攻撃が一瞬やんだ。なんて野郎だ、一緒になって俺の愛犬を攻撃してきやがった。俺の怒りは頂点に達する。このキチガイナイトめ、そうはさせるかっっ! しかし、冷静に考えるとこの敵ナイトは極めてマトモだったのだ。伊達にDK(ドッグキラー)はやっていなかった。俺が愛犬を殺そうとする目的を素早く察知していたのだ。

コントローラを握る手が汗でびっしょりだ。喉もカラカラだがすぐ目の前に置いてあるコーヒーも手が出せない。

クゥオオーン・・ 愛犬がひときわ、悲しげな断末魔の叫びを上げて倒れる。
さぁ、どっちだ!! 犬のタゲは俺が取っていたはずだ、その体内に格納していた、200個のポーションはどちらへドロップするっ?
ログを注視する。息が詰まりそうだ・・・

俺はニヤリ、と嘲った。この勝負、もらった。俺の総ポーション数、限界値の256個。
敵はおおよそ、50個はきっているだろう。魔道士にヒール援助をもらったとはいえ、俺に強力な精霊と弱体を撃ち続けたせいでMPは底をついているはずだ。さっきから俺の背後で貧弱な杖でペチペチと俺を叩くのだが、かすりもしない。MPの尽きた魔道士に用などない。ナイトの後でゆっくり味わいながら切り刻んでやる。

勝ち誇った俺の前から敵ナイトの姿がフッと消える。ふん、やはりそうやって逃げるのか。糞野郎のくせに、死ぬのは嫌なのか。今度は俺が地獄の果てまで追い続けてやるよ、楽しみにしてろ。

しかし・・・。奴は瞬間テレポートしたのではなかった。再び現れたそいつはまばゆい光を放ちながら俺の眼前に現れたのだ。

そして俺は驚愕と絶望の淵に立たされた・・・・・・・。


==========次回、最終回につづく===========