藤崎小梅の日記帳

藤崎小梅の日常とつぶやき。

伝統と格式とお金

2006-11-02 12:44:42 | Weblog
昨日、日本舞踊をもっと広めるために『お金のかからない日舞』を企画している人からメールをもらいました。

詳しくプロフィールなんかを読ませていただくと、化粧や派手な衣装は用いない会を催されているそう。
一度参加させてほしいなぁ、と思うんだけど、正直怖い。
メイク無しで、衣装も地味で、となるとあとは腕と本人の持つ気迫が勝負になる。
確かに、ものすごくいい勉強にはなりそう。

日本舞踊=お金がかかるっていうイメージを作り上げてしまった伝統が、若い人を日本舞踊から遠ざけてしまってるのはものすごく悲しいこと。
私は小さい頃から親のおかげで何とか続けられて、何とか藤間、花柳で名取になることが出来たけど、そのお名前も返上して今は若柳で勉強中のただの研修生。
今後、若柳で名前をいただくために自分で金銭面は何とかしようと思うけど、どうにもならないのが現実だったりします。
そもそも若柳では名取になるための条件が、最低大きい舞台に3本立っていることで、その一本目が今度の歌舞練場。
この舞台一本にしてもびっくりするようなお金がかかっています。

正直、格式を重んじるあまり必要じゃないお金がかかりすぎてるんじゃないか?

そういう部分を『無駄』ととらえるか、『伝統』ととらえるか。
今までの私だったら『伝統』だから仕方ないんじゃない?
と思っていたけど、そのせいで和の伝統が廃れてしまうというのは本当にもったいないこと。
お金をかけず、もっともっと色んな人に日本舞踊に親しんでもらうには、無駄を省いた舞台を企画していくべきなのかもしれない。
ただ、そのためには踊り手の鍛錬が何よりも必要になると思う。

素踊りでも、派手な衣装がなくても楽しんでもらえるような、そういう古典の会も、いつかやってみたいなと思いました。