東日本大震災の本震と大津波が、福島第1原発を襲った3月11日から12日に
掛けて、炉心溶融を避けるために東京電力が海水を注入しようとした際、
原発のエキスパートを自称する菅直人首相が
海水注入で 『再臨界の危険が』 あるのではないか?との危機感から
原子力安全委員会に問い合わせた際、
班目委員長が 「再臨界の危険がある」 と言ったとして、海水注入に
一時ストップを掛けたという話。
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政府は、「原子力安全委員長から、『再臨界の危険性がある』
との意見が出された」と、原子力安全委員会に責任を押し付け
「班目氏が再臨界を指摘」…本人「言ってない」
(読売新聞) - 2011年5月22日(日)03:04
斑目委員長は、「私は『再臨界の危険がある』とは言っていない」
「発表文は東電と官邸と保安院が作ったもの。原子力安全委員会として抗議する」
と、政府に責任を押し付け、
班目委員長「私は言っていない」 再臨界の危険性発言
(朝日新聞) - 2011年5月22日(日)03:00
枝野官房長官は「官邸からそのような指示をしたことはない」
と、東京電力に責任を押し付け、
海水注入中断は東電の判断 枝野氏が認識示す
(朝日新聞) - 2011年5月22日(日)22:28
相変わらずの見苦しい『責任の擦り合い』を演じている。
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これらのやり取りで明らかになったのは、当初
『東京電力が廃炉を恐れて海水注入を躊躇していたが、
アメリカからの強い要請を政府が受け入れて、
政府が、渋る東京電力に海水注入を指示した』
という流れがウソだった、ということである。
むしろ、政府の側が 『再臨界を怖れて』 躊躇した、という流れが
初動を遅らせたというのが事実であるようだ。
しかし、原子力安全委員会の班目委員長も、これまで言を左右にした
話を繰り返して『デタラメいいんちょう』と言われていた位だから、
上記の弁明や流れを簡単には信じられない。
とはいえ、今の時点で2ヵ月半前に起こってしまった事態の正否を
論議しても被災者の人々に何の助けにもならないし、原発の危機的な
現状を改善することには全く繋がらない。
この問題で鬼の首でも取ったような気になって不信任案を出しても
何の役にも立たない。
谷垣自民党総裁が率先してこの問題を追求するようだが・・・
これらの問題は、政治の場では、事態がある程度収拾してから
じっくりと再検討して事故の再発防止策に活かしてゆくべきであり、
科学者の方々は、政治論議とは独立して事故の究明と再発防止に
直ちに取り組んで頂きたいものである。
いずれにせよ、いまだに責任の押し付け合いをしているような状態では、
本格的な原発事故緊急対策を実施できるのかどうか不安ばかりがよぎる。
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班目委員長「私は言っていない」 再臨界の危険性発言
(朝日新聞) - 2011年5月22日(日)03:00
班目春樹・原子力安全委員長は21日夜、朝日新聞の取材に対し、政府・東電統合対策室の会見について「再臨界の危険性があるなどと私は言っていない。侮辱と思っている」と反論した。
会見で配布された海水注入をめぐる事実関係の発表文には、「原子力安全委員長から、『再臨界の危険性がある』との意見が出された」などと記されていたが、班目委員長は「発表文は東電と官邸と保安院が作ったもの。原子力安全委員会として抗議する」と話した。
会見には安全委事務局の加藤重治内閣府審議官も同席していたが、班目委員長の発言は否定していなかった。
「班目氏が再臨界を指摘」…本人「言ってない」
(読売新聞) - 2011年5月22日(日)03:04
班目氏発言「再臨界、ゼロではない」と政府訂正
(読売新聞) - 2011年5月22日(日)22:09
政府・東京電力統合対策室は22日、東電福島第一原子力発電所1号機の原子炉への海水注入を3月12日に中断した際、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとしていた21日の発表を訂正した。
班目氏の発言について、「首相から再臨界の可能性を問われ、『可能性はゼロではない』との趣旨の回答をした」と改めたが、再臨界の問題が注入中断に影響した可能性に変わりはなく、野党は政府の説明がわずか1日で訂正されることになった経緯も含め、23日以降の国会審議で追及する構えだ。
発言内容の訂正は、班目氏が22日、首相官邸で福山哲郎官房副長官、細野豪志首相補佐官に申し入れた。出席者によると、対策室の発表の訂正を求める班目氏に、福山氏らが「可能性はゼロではない」と発言したとする案を提示し、班目氏も了承した、という。細野氏は22日夜、首相官邸で記者団に「(発言内容の)基本路線は変わっていない」と述べた。
福島第1原発 地震翌日1号機、「首相激怒」で海水注入中断
(産経新聞) - 2011年5月21日(土)08:00
首相関与、否定に躍起 政府「注水中断」矛盾点続々
(産経新聞) - 2011年5月22日(日)08:00
海水注入中断は東電の判断 枝野氏が認識示す
(朝日新聞) - 2011年5月22日(日)22:28
枝野幸男官房長官は22日、東京電力福島第一原発1号機で震災翌日の3月12日にいったん始めた原子炉への海水注入が一時中断された問題について「東電がやっていることを(政権側が)止めたようなことは一度も承知していない」と語り、海水注入の中断は東電側の自主的な判断との認識を示した。
被災地視察で訪れた青森県三沢市で記者団の質問に答えた。
政府・東電統合対策室も21日の記者会見で同じような見解を表明しており、発言は政権中枢として確認したものだ。枝野氏は「なぜ早くやらないんだと催促したことは何度も直接知っているが、逆方向のことは一切ない」と強調した。
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今度も原発事故での一番大事な話は、地震の直撃で壊れ漏水した原子炉配管の問題点でしょう。
これが隠蔽されている。
二番目は全電源喪失で、この一番の原因は鉄塔の倒壊でこれも地震の直撃が原因。これも長い間隠蔽されていた。
3番目は、空焚きでメルトダウンした後での水素爆発で、これで原発施設が回復不能の致命的な損傷を受けた。
水素爆発では東電が政府の指示に逆らってベントを半日近くもさぼった人災であることは明らかです。
メルトダウンと水素爆発で完璧に原発が損傷してからですね、この海水の注入の話は、
そして、原発への海水注入ですが、行ったのは前代未聞。
全く想定外の事柄であり、我が福島第一原発が初めてのことですが、未知の領域の事例で『再臨界』を含めて可能性としては有り得る特殊な話ですよ。
海水ですが3%以上もの塩分が有るのですから、崩壊熱での蒸発したら水1トン当たり30キロもの大量な塩の量です。
毎日数百トンも注水していれば、福島第一発電所は巨大な製塩所だったことになりますよ。
1ヶ月以上もの間大量の海水を入れた原子炉内は本来なら塩の塊になっていても不思議ではないのですが、圧力容器の底が抜けてダダ漏れ状態だったのでしょう。