JUNSKY blog 2015

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福岡市 五輪落選のその後

2006-09-04 10:05:13 | 社会
 「殿、ご乱心!」で始まった無謀なオリンピック誘致計画に、多くの市民が異議を唱え、福岡市議会史上かつてない、人口の1割にあたる反対署名が草の根で集まった五輪騒動。

 先週の、国内候補・東京に決定、福岡市「落選」の報を受けて、市長選挙を五輪人気で乗り切ろうとした山崎市長であったが、すでに取り巻きからも総スカンをくい、市長選挙も落選に追い込もうとの巷の声も大きく広がっている。

 市議会では、日本共産党福岡市議団が【声明】 を発表し、山崎市長は責任を取って即刻辞職せよと迫っている。唯一、当初の誘致決議に反対した党だけに、歯切れが良い。

 反対する会も、【声明】 を出し、市長の責任を問うている。

 「誘致には1銭の税金も使わない」と言っていた当初の話は、早々に反故にして、2億円もの税金を、計画作成や誘致のための宣伝物(大量の豪華パンフ、チラシ、ステッカー、幟、横断幕等)などに使ってしまったという。

 大体、多数の企業が現存して、経済活動を日々行っている須崎埠頭から、それら企業を追い出して(おそらく、買い手のつかない人工島に誘導するつもりだったのだろう)再開発するなど、荒唐無稽な計画であった。
 地元財界でも、開発で儲かる一部の企業経営者だけの賛成であり、大方のコンセンサスを得ている訳ではなかった。

 以下の西日本新聞の記事では、遠慮がちながら、その辺の問題点を突いている。
引続き、問題点を抉り出すキャンペーンをやって欲しい。
【西日本新聞】9/3

以下、引用 (文字色は引用者)
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どうなる須崎再開発 福岡市 五輪落選のその後

 2016年夏季五輪招致をきっかけに注目された福岡市・須崎埠頭(ふとう)の再開発問題は、国内候補地選考での落選で、山崎広太郎市長が再開発時期や手法の見直しを表明、当初計画は白紙に戻った
だが、地元経済界の一部には「五輪招致で高まった須崎埠頭への関心を再開発につなげたい」との思惑も芽生えている。招致運動で結束した官民の「仕切り直し」の行方が注目される。 (経済部・前田徹)9月3日

▼遺伝子の違い

 「官民一体の枠組みは、ひとまず仕切り直しですね」。福岡市の落選が決まった8月30日午後5時すぎ。福岡市役所のロビーで、日本オリンピック委員会(JOC)選考委員会の投票中継を遠巻きに見ていた福岡銀行の幹部は、落選を確認すると淡々とロビーを後にした。

 九州電力や福銀など、福岡市の有力企業で構成する「七社会」は、3月に発足した官民一体の誘致組織「福岡・九州オリンピック招致推進委員会」に人材や招致活動費を拠出。福銀も「企業規模に相応の負担をした」。
 しかし、福銀の谷正明頭取は4月、総額4900億円の事業費のうち、福岡市の負担を1000億円弱とし、残りの大半を民間負担とした同市の計画に対し「地元企業が町内会費を払って入るような事業ではない」と発言。五輪招致活動とは距離を置いてきた。

 JOCの投票の1週間前に、招致推進の中核団体が行った200人規模のゴルフコンペにも、福銀は行員を2人しか出さなかった。再開発でビジネスチャンスが広がる事業会社と、将来にわたるリスクを背負い込む金融機関の“遺伝子”の違いが透けて見えた。

▼市民の合意を

 福岡市は、ヤフードームがある百道地区や人工島など、博多湾岸地区の埋め立てや再開発で都市の成長を図ってきた。経済界の一部が須崎再開発を望むのは、中心部・天神の北側に隣接する同地区は「福岡に残された最後の開発」(九電幹部)といえるからだ。

 日本不動産研究所福岡支所の山崎健二支店長代理は「福岡市の人口は2035年まで伸びる予測がある。天神地区に面した須崎埠頭の立地は、住居、商業、ホテルなどの新たな投資を呼び込む好条件がそろっている」と指摘する。

 地場主要企業も須崎再開発について「福岡市の将来にとって大きなポイントであり必要だ」(九電工・河部浩幸社長)、「アジアの歴史的玄関口にふさわしい再開発で、この際、100年の計を立てるべきだ」(ベスト電器・有薗憲一社長)など、福岡市の落選後も、その必要性を訴える意見が相次いだ。五輪誘致に奔走した九州電力の橋田紘一常務は「銀行が難色を示したのは、手法や方法論。開発に反対したのではない」と強調する。

 ただ、須崎再開発に必要な用地買収は、五輪開催という当面の大義名分を失った。
山崎市長は「地権者が主体的に考える手法に変わる」と発言したが、地権者の越智産業は「市民の合意が得られるよう議論を重ねるべきだ」(越智通広社長)と注文をつけた。

 未利用地が多い人工島問題を抱え、JR博多駅の再開発が進む福岡市。今後、須崎再開発の新たなグランドデザインや方法論をどう描くのか。その主体は福岡市なのか、民間企業なのか。答えはまだ見つかっていない。
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引用終わり