【〈超常現象の謎解き〉の説が正しくてもおもしろい展開】
その肯定派とはジャーナリストのベンジャミン・フルフォードのことで、彼は〈闇の支配者に握り潰された世界を救う技術「現代編」〉という本の中でこのような主張を展開しています。
「人類の歴史はアトランティスの末裔によって裏から操作されており、人類に多大な恩恵をもたらす奇跡の技術の数々が彼らによって封印されてきた」
人類の歴史には、なぜ消えてなくなってしまったのか、理由がよくわからない技術というのが多くあるのです。その代表がローマン・コンクリートというもの。
ローマン・コンクリートとはローマ帝国時代の建築を支えたセメントのことで、現在使われているコンクリートとはまったく比べ物にならない性能を誇ったそうです。
それがどういうわけか、ローマ帝国の崩壊とともに消えてなくなってしまったのです……。(プラトンの弟子クラントアのアトランティス対話集の論評解説が失われた時期と一致します)。
しかし近年、ローマン・コンクリートの再現を目指し、日本がトップランナーとして研究開発が進んでいるそうです。
その名もジオポリマー性セメントといい、ローマン・コンクリートにるほどの技術だそうです。
が──DARPA(国防高等研究計画局)というアメリカの軍事研究所が、ヨーロッパ中のセメントメジャーと結託し、ジオポリマーのパテント独占を計っているそうです。
フルフォードはそのDARPAの背後に、アトランティスの末裔が存在すると見ているのです。
ところで、ローマン・コンクリート以外にも失われた技術、または進歩を遅れさせられた技術というのは多くあります。医学しかり、紙しかり、火薬しかり、熱機関しかり……。
フルフォードによると、もしもアトランティスの末裔の介入さえなければ、人類は遅くても西暦10世紀には夢の21世紀を手に入れていたそうです。
さて、このブログをここまで読んできた方なら、アトランティスの末裔が世界各地に生き延びたという説がほぼ事実であることを理解できているはずです。
では、生き延びたアトランティスの末裔は、なぜ世界を幸せにするあまたの技術を封印してきたのか?
アトランティスの末裔には2通りの生き方がありました。1つは人類に自分たちの技術を教え、文明を導く生き方。
もしもこの生き方を選んでいたら、彼らの名は今も燦然と輝いていたことは言うまでもありません。
もう1つの生き方は技術をほかの人類に教えずに独占し、世界を闇から支配する生き方です。
もしも1つ目の生き方を選んでいたら、人類から感謝と尊敬はされるかもしれないが、支配者として君臨することができない。そのためアトランティスの末裔は2つ目の生き方を選んだというわけです。
ここで〈超常現象の謎解き〉の「アトランティス=邪悪な軍事帝国説」の出番です。
アトランティス人が〈超常現象の謎解き〉の言うとおりに邪悪な支配者だったなら、アトランティスの末裔たちが2つ目の支配者としての生き方を選んだのは腑に落ちます。
アトランティス時代に成し遂げられなかった世界支配の夢を、今度は闇に潜みながら実現しようというわけです。
そしてそれは今のところ、メチャクチャ成功していると言えます。
人類の大半がアトランティスが実在したことどころか、西暦10世紀に夢の21世紀が実現したかもしれないことも微塵も知らないのですから。
アトランティスの末裔は今も世界の闇のどこかで、手をたたいて笑い転げていることでしょう。
アトランティスの末裔による世界支配に、無知の善意で貢献してしまっているのが懐疑論者たちなのです。
彼らが自分たちの罪の重さに気づき、素直に認めてくれる日は来るのでしょうか……?
【まとめ】
●人類の歴史はアトランティスの末裔に支配されてきた。
●ローマン・コンクリートをはじめ、彼らによって失われた技術が数多くある。
【プラトンのアトランティス物語】
(前略)さて以上のように、アトランティスを実在した超古代文明と考えるのは難しい。だがそもそもプラトンは、超古代文明アトランティスの実在をメインにして主張したかったのだろうか。
実は彼の著作を読むと、とてもそうは思えない。というのも、『ティマイオス』にしろ『クリティアス』にしろ、話の主役は古代ギリシアで、アトランティスはその主役を引き立たせるための悪役という設定になっているからだ。
これはどういうことか。物語の流れを読めばわかる。最初の『ティマイオス』では、理想の国家とは何ぞや、という話のおさらいから始まる。前日に登場人物たちが理想の国家について話し合っていたのだという。ここでの理想国家とは共産主義的軍事国家だ。
おさらいが終わり、読者が理想の国家の概要をつかめたところで、登場人物の一人、ソクラテスが次のようなことを言う。「今は立派な動物を絵に描いただけのような状態だが、この動物が実際に動くところを見てみたいものだ」と。
するとここでタイミング良く、別の登場人物のクリティアスが思い出す。そういえば昔、その理想の国家にそっくりの国があったという話を聞いた。それは古代のギリシアだったと。
対話の中で、古代ギリシアの国家と人々は絶賛される。
こうした古代ギリシア絶賛の中で登場するのがアトランティスである。アトランティスは紀元前1万年頃、大西洋を起点にヨーロッパとアジアを侵略しようとした帝国主義的軍事国家だったという。
古代ギリシアは、その悪役アトランティスが地中海の周辺国を支配しようと攻め込んできたときに孤軍奮闘。劣勢をはねのけて大勝利し、周辺国から大いに称賛されたと話は続く。
ところがその後、大地震と大洪水が発生。古代ギリシアは戦士がすべて大地にのみこまれるほどの被害を負った一方で、アトランティスは大陸ごとすべてが消滅してしまったという。
これがアトランティスが登場する物語の概要である。物語の中では登場人物たちが理想の国家を語り、その国家は書き手のプラトンの理想と一致する。
さらにその理想国家は絵に描いた餅ではなく、かつて古代ギリシアとして存在していたとされる。アトランティスはその引き立て役だった。
しかし現在、プラトンが描いた古代国家ギリシアが紀元前約1万年に実在していたと主張する人はほとんどいない。
皆、消えたアトランティスばかりに注目し、主役だった古代ギリシアは忘れられるか、空想の産物だとして片付けてしまう。
唯一の原典を書きながら、プラトンの意図は一般には伝わらなかった。もはやアトランティスは彼のもとを離れ、夢とロマンの世界へ飛び立っている。 ウェブサイト〈超常現象の謎解き〉より
✔️【逆デバンキング〈どちらが真実なのか……〉】
〈超常現象の謎解き〉によるとプラトンは、アトランティスを凶悪な軍事帝国だと述べたそうです。
ところが平川陽一はアトランティスのことを「平和を愛し、争いを好まない理想国家だった」と述べています。
どちらが真実に近いことを言っているのか?
こればかりは世界でただ1人超読解力を持つ私自身が、プラトンのアトランティス対話集を読むまで謎のままでしょう。