「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

吉野梅郷からの帰り道は、快速お座敷青梅梅まつり号に乗って

2014-03-17 13:38:49 | 日記
皆様、こんにちは。

昨日は、東京都青梅市の吉野梅郷を訪ねて、JR青梅線日向和田駅で下車しました。



青梅市内の梅の木はウメ輪紋ウイルスに侵され、吉野梅郷にある「梅の公園」の梅の木も「梅まつり」終了後にすべて伐採されることになっています。

吉野梅郷が再生するまでには、3年後を目途に行政から出されるウイルス撲滅宣言を待って、梅の木を植樹することから、少なくとも今後8年間は青梅から梅の木が姿を消すことになりそうです。

このニュースはテレビでも大きく取り上げられたこともあって、昨日の日向和田駅周辺は大変なにぎわいとなっていました。

吉野梅郷地区の入口にある神代橋からは多摩川の絶景を楽しみながら、梅郷へと入ります。



「梅まつり」会場では、小中学生による「大江戸ダンス」が鉄道唱歌などの昭和の名曲に載せて披露され、通行人を楽しませていました。



「梅の公園」はまだ2分咲きと言ったところで、今週末辺りが見頃かもしれません。



帰りに、神代橋近くの「紅梅苑」で紅梅饅頭(325円)と文餅(320円)で一服しました。このお店の梅の木も伐採されるそうです。また、梅の期間は1年で最も書き入れ時で、1年の売り上げの4分の1をこの期間中に稼ぐとテレビで放送されていたのを見ました。自慢の梅の木を失うばかりか、お店の売り上げも大きく落ち込むことが予想されます。「梅まつり」がいかにこの地域に利益をもたらしていたのかを伺い知ることができます。



駅まで戻り、16時06分発快速「お座敷青梅梅まつり号」千葉行き全車グリーン車指定席(日向和田→新宿9560M、新宿→千葉9327M)に乗りました。

16時03分頃に、奥多摩方より485系「華」編成6両(JR大宮支社小山車両センター所属)が回送列車として入線してきました。



私がいた位置に5号車が来たため、まずは5号車の写真を収めました。車内は掘りごたつになっていて、ゆったりとくつろぐことができます。



その後、1号車に乗車しました。



列車は途中時間調整のためいくつかの駅に停車しましたがドアを開閉せず、立川でようやく営業扱いの停車をしました。1号車から数人が下車していきました。

列車は中央本線に入り、三鷹には日向和田からおよそ1時間で到着しました。



吉野梅郷は一旦梅の名所としての地位を失い、できるだけ早期の復活を目指して、再生に取り組むことになります。小さいころより親しんできた梅の名所がこうした形で消えてしまうことは残念でなりません。再生を心より願うばかりです。

北総線値下げ裁判3・15報告会

2014-03-15 23:33:14 | 日記
皆様、こんにちは。

本日は「北総線値下げ裁判3・15報告会」が、10時から印西市中央駅前地域交流館で、そして14時から白井市中銀ホールで開催され、多くの市民の参加がありました。

千葉ニュータウン中央駅まで北総線を利用しました。千葉ニュータウン鉄道所有の9100形C-Flyer9118編成に当たりました。車端部の一部が2人掛けのクロスシートになっており、この編成はかつて3号車と6号車のカード式公衆電話が設置されていました。



柴田圭子原告団長の司会進行の下、武藤弘裁判の会会長による冒頭あいさつの後、河口まり子弁護士による2月19日の東京高裁判決の解説と参加者の質疑応答が行われました。



河口弁護士からは、一審では認められなかった京成電鉄の原告適格が二審で初めて認定されたことや、北総鉄道と京成電鉄等との線路使用料条件については一審と同じく原告適格すら認められなかった点等、丁寧な解説がありました。

フロアからは熱心な質問が数多く出され、河口弁護士が一つひとつ丁寧に答えておられた点が印象的でした。フロアからの主な質問は以下の通りです。

フロア1:北総鉄道による自力値上げが可能であるとする北総線運賃問題対策協議会(北対協)の報告書について、裁判所が「信用性に疑問がある」としたのはなぜか?
河口弁護士:この報告書が「前提となる情報の正確性については、なんら確認作業を行っておらず、したがって、結論の正確性を保証するものではない」と述べている点を裁判所がうまく利用したと考えている。この文言は訴訟提起を想定した弁護士事務所等による「定型文言」にすぎないが、裁判所はこのことを認識しておらず、かつ国を負かせるわけにいかないので、そのまま文言通りに解釈した結果と考えている。

フロア2:京成が北総に支払う線路使用料は、成田高速鉄道アクセスや成田空港高速鉄道に対する線路使用料と計算の根拠が異なり、やはりおかしいのではないか?
河口弁護士:おっしゃる通りと思う。ただ、鉄道事業法は線路使用条件について金額や計算方法を縛るものとではなく、法律上は違法性を問われないのが現状。

フロア3:東葉高速鉄道が通学定期券を自助努力で値下げするが、このことは裁判所の判断に影響を与えているのだろうか?
河口弁護士:法律は社会正義を実現する手段であるので、裁判所は当然社会の動きを常に気に掛けている。裁判官は当然東葉高速鉄道の動きも見ていると思われる。

フロア4:もしこの裁判が京成成田空港線の運賃認可がなされる前に提起されていたら、結論は変わっていたと考えられるか?
河口弁護士:提訴のタイミングが結論に影響を与えることはないと考えている。

私も「交通権から見た北総線運賃」をテーマとして、少しだけお話しさせていただき、最後に「生活バスちばにう」の若干の説明を行いました。

北総線値下げ裁判原告団は最高裁に上告しました。国は北総線運賃の原告適格については最高裁で争わない姿勢を示したということであり、3審の結論が注目されます。

報告会終了後、白井駅近くの理容店「白井駅前理容店」を訪問させていただきました。



この理容店は、『月刊千葉ニュータウン』の提案で始まった「北総線回数券ばら売りサービス」を一番早くに始めたお店です。取り扱い券種は、昼間券(曜日に関係なく、10時から16時まで利用可)と土・休日券(休日ダイヤの終日利用可)の2種類で、区間は白井~京成高砂間のみです。定価1枚650円のところ、1枚440円で回数券を購入することができます。

こうした意欲あるお店が、「北総線ばら売り回数券サービス」を支えています。北総線利用者にも大変喜ばれているサービスですが、中にはお店に無理難題を言う利用者もいるとのことです。

「北総線回数券ばら売りサービス」は協力店のご厚意(ボランティア)によって提供されていることをきちんと理解し、時間に余裕をもって利用していただくよう切にお願いする次第です。

北総線問題に精力的に取り組まれている千葉ニュータウン住民の皆様に敬意を表し、これからも北総線問題を見つめ続けていきたいと考えております。

ファイナルラン!「ホームライナー鴻巣3号」&「ホームライナー古河3号」

2014-03-15 01:39:49 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年3月15日(土)のJRダイヤ改正に伴い廃止された、「ホームライナー鴻巣」と「ホームライナー古河」に乗車しました。

8番線ホームのライナー券売機も3月14日限りで役目を終えます。その脇の行列では、係員が3月17日(月)から運行開始の特急「スワローあかぎ」のポケットティッシュを配っていました。



まず、JR東北本線上野18時43分発「ホームライナー鴻巣3号」鴻巣行き(3973M)4号車に乗車しました。



4号車はグリーン車ですが、「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」では普通車扱いとなるため、争奪戦になったものです。



JR大宮支社大宮総合車両センター所属185系200番台OM08編成あまぎ色による運行でした。



同じく最終日の「あけぼの」の陰に隠れて地味な存在ですが、上野駅8番線ホームでは大勢の鉄道ファンがホームライナー鴻巣を見送りました。

乗車率は9割と言ったところで、3割くらいは鉄道ファンが占めているようでした。

浦和、大宮、上尾、桶川、北本と各号車数人ずつの下車があり、鴻巣には19時34分定刻に到着しました。ここまで半数程度の旅客が乗り通しました。



3月17日(月)からは朝夕の通勤・通学時間帯に、「ホームライナー鴻巣」に代わって、全車指定制特急「スワローあかぎ」が運行されます。夜は高崎行きや前橋行きの他に、本庄行きが新たに設けられることになっています。

鴻巣到着後、OM08編成は回送として上野に送り込まれ、上野で車内整備を行った上で、上野21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)となります。

私も一旦普通列車で上野駅に戻ると、大変なことになっていました。上野駅は「あけぼの」の最後を見送ろうとする人たちでごった返していたのです。



私の方は、21時02分発「ホームライナー古河3号」古河行き(3623M)1号車で最後のお名残乗車に臨みました。「ホームライナー鴻巣3号」で運用された185系200番台OM08編成あまぎ色です。



私は先頭7号車に乗車しました。

8割5分ほどの乗車率で出発しました。列車は「あけぼの」を先導するかのように、大宮駅まで東北本線を先行します。

車内では、上野駅で買い求めた「あけぼの記念弁当」を噛み締め、心の中で「あけぼの」とお別れしました。



「ホームライナー古河3号」は、浦和、大宮と停車し、大宮で信号待ちのため5分遅れで発車しました。ホームは大勢の鉄道ファンで溢れかえっていて、ロープ規制が実施されていました。「あけぼの」の陰に隠れた地味な通勤列車であるにもかかわらず、本当に多くの鉄道ファンに見送られる様子を見て、この列車が本当に多くの人たちに愛されていたことを再認識した次第です。

次に東大宮に停車します。ここまでで6割以上の旅客が下車してしまいました。



蓮田と久喜でもさらに下車があり、22時10分頃に古河に着きました。古河で降りたのは、鉄道ファンばかりになっていました。



「ホームライナー鴻巣3号」と「ホームライナー古河3号」の両方を乗り比べて分かったことは、前者は終着駅まで一定の需要があるものの、後者の需要の太宗が東大宮までに留まること、そして何より前者よりも乗車率が相対的に低いことです。

東北本線では通勤ライナー特急「ホームタウンとちぎ」および特急「おはようとちぎ」が、2010年12月3日に廃止され、今回の「ホームライナー古河」の廃止に伴い、同線大宮以北から通勤ライナーが消滅することとなりました。

「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」が廃止されるのは、わざわざ車両基地から上野まで送り込まれる上、終着駅に着いた後、上野駅まで回送しなければならないという手間がかかる割には、1人当たり500円のライナー料金しか入らないため、JRにとってメリットの少ない列車になってしまっています。普通列車グリーン車であれば、わざわざ「別建て」で運行することもなく、人件費の安いグリーンアテンダントに改札業務を任せればよい上に、50kmまででも750円のグリーン料金が入ります。JRとしては、できるだけ手間がかからず、かつ高額な料金収入が得られる普通列車グリーン車に誘導したいのが本音ではないかと推測します。

いずれにせよ、高崎線には通勤ライナーが特急「スワローあかぎ」として残ります。この列車も乗車開始日に乗って確かめるつもりです。また、このブログでご報告できればと思っています。

※「ホームライナー鴻巣」については、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)47~48ページをご覧ください。

全てのステークホルダーに「メリット」を―「生活バスちばにう」が目指すもの

2014-03-11 23:23:14 | 日記
皆様、こんにちは。

3月9日(日)に印西市で「生活バスちばにうミニ・シンポジウム」が開催されたことは、前回の記事でお伝えした通りです。新聞でも大きく報道され、大きな反響を呼んでいます。

「生活バスちばにう」は北総線に対抗する交通手段ではなく、北総線から乗客を奪おうとは毛頭考えていません。安価な交通手段を提供することで、マイカーからのシフトを促したり、これまで高運賃の北総線を利用できなかった人たちの需要を新たに創出したいと考えています。

そもそも、「生活バスちばにう」の1日目標乗車人員は400人に過ぎません。千葉ニュータウン中央駅の1日乗車人員16,025人(平成23年度)に到底及びませんし、北総線利用者がバスに全てシフトすることもありえないことです。仮に400人が北総鉄道からバスにシフトしたしても、北総鉄道の経営への影響は限定的なものに留まるでしょう。繰り返しになりますが、私たちは今まで自宅に引きこもっていた人たちやマイカーの人たちの需要を創発したいと考えています。

私たちの願いは、バス運行を通じて「満たされないニーズを充足し、需要を開発する」ことを通して、住民のQOL(生活の質)を向上させ、「子や孫の代まで安心して暮らせる千葉ニュータウン」を実現することにあります。

そもそも「生活バスちばにう」のアイデアは、愛知県小牧市の「桃花台バス」(あおい交通(株))と福岡市における鉄道とバスの対等な競合に着想を得たことに始まりました。

交通権学会の前田会員と私は、2013年3月23日(土)に、愛知県小牧市にあるあおい交通株式会社本社に同社の松浦秀則代表取締役を訪ねて、「桃花台バス」に関するヒアリング調査を実施しました。同社訪問前には実際にバスにも乗ってみました。



「桃花台バス」は、名古屋造形大学とJR中央本線春日井駅の間で運行されているスクールバスの復便を路線バスとして開放するよう求めた地元の住民の要望を受けて実現したバスです。それまでは朝、あおい交通の営業所から春日井駅まで回送として送り込まれ、春日井駅から大学まで学生や教職員を乗せ、夕方以降は大学から春日井駅に学生や教職員を送り届けた後、やはり大学や営業所まで回送していました。この回送便に一般客を乗せるようにしたのです。まさに、あおい交通と地元住民の双方にとってメリットがもたらされたのでした。

松浦社長のお話しでは、「桃花台バス」は住民と会社の双方にとって"Win-Win"であることや、一律定額の乗合ジャンボタクシー「ミゴン」について熱く語って下さったことがとても印象に残っています。

私たちは「桃花台バス」の事例を見て、千葉ニュータウンで市民主導のバスを実現したいとの思いを強くしました。千葉ニュータウン住民との勉強会を重ねて、ついに同年10月7日(月)~13日(日)の1週間、バス社会実験を実施しました。乗車人員は目標に到達しなかったものの、実際に乗車された方々の満足度は高く、早期の路線バス化を望む意見が大半を占めました。



一方、兵庫県神戸市東灘区の住吉台地区は、六甲山ろくの傾斜地にあるにもかかわらず、住民の交通手段はマイカーなどに限られており、免許を持たない高校生や、車の運転が困難な高齢者も気軽に利用できるバス交通の登場が待望されていました。そんな住民の熱い思いが、意欲ある独立系バス事業者である、みなと観光バス(株)による「住吉台くるくるバス」の実現を導きました。今では多くの住民に利用される欠かせない交通機関となっています。

社会実験終了後も、私たちは千葉ニュータウン住民と検討を重ね、ついにこの4月に「生活バスちばにう」が正規の路線バスとして運行できる見通しとなりました。

「生活バスちばにう」は市民の手で交通機関を生み出した住吉台のスピリットに倣い、千葉ニュータウンでも市民の力で安価な交通手段を生み出したいと考えています。

「生活バスちばにう」の名称はすべてのステークホルダーの生活に役立ちたいとの思いを込めて、「生活バスよっかいち」の名称も参考に名付けられたものです。「生活バスよっかいち」とは性質を異にしますが、四日市のスピリットに敬意を表する気持ちを「生活バスちばにう」の名称に込めました。

そして、あおい交通、みなと観光バス、そして鎌ヶ谷観光バスの3社に共通するのは、「意欲ある独立系バス事業者」であるという点です。電鉄会社系列や公的企業でないからこそ、それぞれがしがらみに縛られずに、地域貢献のために大胆な事業を展開できているということなのです。

現在、千葉ニュータウンには高運賃の北総線しか事実上選択肢がありません。北総鉄道(株)の親会社は東証1部上場の京成電鉄(株)です。京成の平成25年3月期の当期純利益は219.73億円にも及びました。これだけの利益を計上している会社であるにもかかわらず、北総鉄道への線路使用料を実質的に支払っていません。「北総線値下げ裁判」では1審・2審ともに住民の訴えは退けられましたが、京成の企業行動は決してほめられるものではないことは確かでしょう。

企業は会計上の利益を計上しさえすれば、それで済むのでしょうか?株主だけでなく、顧客、従業員、および地域社会なども含めたあらゆるステークホルダーが満足することが重要であり、この点は伝統的な財務数値で評価することは適切ではないとの指摘もあります(Copper, S.[2004], Corporate Social Performance: A Stakeholder Approach, ASHGATE, 2004, pp.43-44)。

コーポレート・ファイナンスの教科書は、企業は投資を行う場合、その投資から生み出される期待キャッシュ・フローの現在価値から投資額を控除した余剰額(NPV)が正である場合に、企業価値が向上すると説き(Damodaran, A.[2002], Investment Valuation 2nd Edition, 2002, Willey, p.865)、NPVが正の場合に投資を行うことを正当化します。株主価値を重視する経営の下では、このことは当然視されているのです。

しかし、「生活バスちばにう」の運行主体である鎌ヶ谷観光バス(有)の徳永昌子専務取締役は、新たに2台のいすゞの中型路線バス「エルガミオ」を購入するに当たって、「思い切って買ってしまいました。もしうまくいかなければバスを売ればいいだけの話し。まずはバスを走らせることが大事だと思って決断しました」と述べています。徳永専務の言葉からは会社の利益を優先するという考えは感じられません。バス購入に当たって行ったのは簡単な収支見積もりであり、それも1日400人が利用すればバス購入費用と人件費、燃料費くらいは回収できるというシンプルなそろばんはじきだけです。

徳永専務の言葉にあるのは、自社の利益よりも顧客や地域の利益のために大胆にリスクを取るという決意です。社会実験でお客様からバスを待ち望む声を聞いたことが、徳永専務の決断を後押ししたと言えます。

自社の利益のために沿線住民に高運賃を強いる鉄道会社と、地域のために自社がリスクを引き受けようと決断して社運を賭けて新型バスを購入した小さなバス会社。どちらの会社の方が、社会に目を向けているのか。もはや言うまでもないことなのではないでしょうか。

※以下、過去の関連記事です。

「『生活バスちばにうミニ・シンポジウム』が開催され、コーディネーターを務めました」

「千葉ニュータウンバス運行を目指して行われたバス社会実験を振り返る」

「生活バスちばにうミニ・シンポジウム」が開催され、コーディネーターを務めました

2014-03-09 20:02:22 | 日記
皆様、こんにちは。

いよいよ4月より、北総線千葉ニュータウン中央駅~新鎌ヶ谷駅間に新規路線バス「生活バスちばにう線」が実現する目途が立ってきました。

「生活バスちばにう」実現と周知を目的として、本日10時00分~12時00分に、印西市市民活動センターで「生活バスちばにうミニ・シンポジウム」が開催されました。大勢の市民やマスコミにお越しいただきました。また、県外から駆け付けた参加者もおられました。



プログラムは下記の通りです。

司会 太田 誠(北総線の運賃値下げを実現する会会長)

基調講演 前田 善弘(生活バスちばにう友の会顧問)

パネルディスカッション
 パネリスト:徳永 昌子(鎌ヶ谷観光バス有限会社専務取締役)・武藤 弘(生活バスちばにう友の会代表)・前田善弘
 コーディネーター:大塚 良治(湘北短期大学総合ビジネス学科准教授)

冒頭に私から、北総線高運賃問題の背景説明を行った後、前田氏より「『生活バスちばにう』がめざすもの~千葉ニュータウンを、子や孫の代まで安心して暮らせる街に~」と題して基調講演が行われました。



前田氏からは千葉ニュータウンの交通の現状や問題点についての説明の後、市民主導のバスとして「生活バス四日市」(三重県四日市市)と「住吉台くるくるバス」(兵庫県神戸市東灘区)の事例が紹介されました。前田氏はバス交通の専門家であり、全国各地のバス交通の事例に精通しています。また、鉄道とバスが「がちんこ勝負」を繰り広げている福岡の様子をつぶさに見てきた経験から、バス交通が貧弱な千葉ニュータウンで基幹バスを実現することは、住民のQOL(生活の質)を向上させ、ひいては「子や孫の代まで安心して暮らせる街」の実現につながるとの考え方を披露されました。

続いて、パネルディスカッションに移りました。



パネリストは、徳永氏、武藤氏、前田氏で、私がコーディネーターを務めました。発言要旨は次の通りです。

武藤氏:「生活バスちばにうは北総線に対抗する手段ではない。選択肢を増やして、千葉ニュータウン発展の力になりたい」

徳永氏:「路線バス運行には6台のバスが必要だが、各市の地域公共交通会議で承認されれば、台数制限がなくなって、最低必要台数でバスを運行することが可能となり、300円という低運賃を実現することができる。しかし、既存のバス事業者は既得権益を守ろうとして、あの手この手で『生活バスちばにう』実現を引き延ばそうとしている。また、低運賃での運行を継続するために、極力コストカットを図りたい。月曜日から金曜日まで運行し、土日は運休する。千葉ニュータウン中央駅~新鎌ヶ谷駅間のバス運行が順調にいけば、高花や木刈、印西牧の原や白井にもバスを走らせることも可能になる。ぜひ皆様の応援をお願いしたい」

前田氏:「1年前に私がこのバスを提案したときにはここまで大きなムーブメントになるとは想像もしていなかった。やはり、このバスは絶対に必要だという思いを新たにした」


最後に、フロアから多数の質問や意見が寄せられ、関心の高さを感じました。フロアからの主な意見は下記の通りです。

Q:うちには小さな子供がいるが、未就学児は無料になるのか?
A:未就学児は無料になる。小学生運賃は半額の150円とする予定。

Q:通学定期券は発売されるのか?
A: 1か月6,800円を考えている。なお、北総線通学定期券は1か月10,300円。

Q:船橋市小室地区への停車もぜひお願いしたい。
A:まずは行政にコミュニティーバス運行を提案するのも一つの手でないだろうか。


散会後、私を含め、パネリスト各氏は、テレビや新聞等の取材を受けました。


「生活バスちばにう」の実現は目前まで来ています。皆様のご支援をお願い申し上げます。

※以下、過去の関連記事です。

「千葉ニュータウンバス運行を目指して行われたバス社会実験を振り返る」