皆様、こんにちは。
昨日から今日にかけて、東武東上本線「TJライナー」、西武新宿線特急レッドアロー「小江戸」、そして小田急小田原線特急ロマンスカー「はこね」に乗車しましたので、乗車記をお届けします。今回は東武東上本線と西武新宿線を取り上げ、小田急小田原線特急ロマンスカー「はこね」の乗車記については、別稿でお届けしたいと思います。
4月14日、東武東上本線池袋21時30分発「TJライナー8号」小川町行き(列車番号15)10号車に乗車しました。50090系51094編成による運行でした。
池袋を若干の空席を残して定刻に出発しましたが、9割を超える乗車率で、ほぼ満席でした。ふじみ野で若干名の下車があり、ここから多くの乗車がありました。東武鉄道は早ければ来年にも、朝上り「TJライナー」の運行を計画していますが、その際には現在の着席整理券による座席定員制自由席ではなく、全席座席制に変更することが予想されます(拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)144ページ)。そうしますと、現在行われているふじみ野からの無料乗車が維持されるのかどうかが焦点の一つとなります。今年に入って、3月20日・27日・28日に、池袋23時20分発の臨時「TJライナー」が運転されたことからも推察されるように、東武鉄道は「TJライナー」の運行時間帯の拡大やさらなる増便を検討しているようです。土曜休日の池袋21時台・22時台の「TJライナー」設定、川越や比企地方への行楽向け「TJライナー」など多様な列車設定を期待したいところです。
翌4月15日は、西武新宿線本川越(時の鐘と蔵のまち)06時09分発特急「小江戸2号」西武新宿行き(列車番号102)5号車に乗車しました。10000系10112最終増備編成でした。
本川越を各号車平均3人程度の乗車で出発しましたが、5号車は狭山市約20人、所沢4人と所沢までは比較的おとなしめの乗車に留まっていましたが、東村山で1人が下車したのと入れ替わって40人乗車があり、満席となりました。今日の「小江戸2号」を見る限り、東村山を特急停車駅に加えたことは大成功のようです。
それにしても気になったのは、本川越→所沢間の低乗車率と所沢からの乗車が少なかったことです。狭山市では、06時17分発「小江戸2号」を見送って、次の06時22分発急行西武新宿行き(列車番号2608)まで待つ旅客が多くいました。この中には、高田馬場・西武新宿方面の旅客だけでなく、所沢で西武池袋線に乗り換える旅客も相当する含まれているものと思われます。
現状では、仮に狭山市→池袋の全区間で特急に乗車する場合、狭山市→所沢間特急料金360円と所沢→池袋間特急料金360円の合計720円がかかります。狭山市→池袋間を利用する旅客の中には、狭山市→所沢間では一般列車を利用し、所沢→池袋間を特急利用する旅客も少なくないものと推測されます。利便性向上のためには、西武池袋線の特急料金と西武新宿線の特急料金を「通算制」にすることができれば、旅客は気兼ねなく、狭山市→池袋の全区間で特急に乗車することが可能となります。
仮に狭山市→池袋34.5kmを「通算制」にできれば、特急料金は360円となります。西武鉄道にとっても、乗車率が低くなりがちな、西武新宿線所沢~本川越間および池袋線所沢~飯能・西武秩父間の乗車率向上につなげることができるでしょう。狭山市→池袋ではをすべて一般列車で移動した旅客も、狭山市から乗車しても料金が変わらないと分かれば、新たな需要の掘り起こしにもつなげることも可能となるでしょう(詳しくは、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)155~164ページをご覧ください)。
池袋・新宿~川越・本川越間には、西武新宿線、東武東上本線(+東京地下鉄副都心線)、そしてJR埼京・川越線の3ルートがあり、競合関係にあります。中でも、西武新宿線と東武東上本線には、通勤ライナーがそれぞれ運行され、日々多くの通勤利用があります。
上記3ルートの運賃と所要時間を比較すると、以下の通りです。
西武は、新宿と川越の両ターミナルが中心部からやや離れた位置にあるものの、乗換のなさやハイグレードな特急車両の運行で高品質なサービスを提供しています。
東武は乗換の手間はあるものの、所要時間の速さで優位に立っています。
JRは埼京線と川越線の直通列車を利用すれば乗換の手間は省けるものの、3ルートの中で運賃と所要時間が最も高くなっています。しかし、恵比寿以南および臨海副都心方面へのダイレクトアクセスが最大の魅力です。
また、「通勤ライナー」の比較では、西武新宿線では専用の特急車両が使用されているのに対して、東武東上本線では一般列車と「TJライナー」の兼用車両が用いられており、内装には格差があります。東武東上本線にも、西武レッドアローのようなハイグレードな特急車両が期待されるものの、日中時間帯の一定以上の乗車率が困難であることが見込まれる中では、実現可能性は乏しいと言えるかもしれません。
しかし今後、鉄道会社は少子化で乗車人員の減少が予想され、魅力的なサービスで潜在需要を掘り起こすことがますます重要になることは確実です。鉄道会社による斬新なサービスが提供されることを期待しています。
昨日から今日にかけて、東武東上本線「TJライナー」、西武新宿線特急レッドアロー「小江戸」、そして小田急小田原線特急ロマンスカー「はこね」に乗車しましたので、乗車記をお届けします。今回は東武東上本線と西武新宿線を取り上げ、小田急小田原線特急ロマンスカー「はこね」の乗車記については、別稿でお届けしたいと思います。
4月14日、東武東上本線池袋21時30分発「TJライナー8号」小川町行き(列車番号15)10号車に乗車しました。50090系51094編成による運行でした。
池袋を若干の空席を残して定刻に出発しましたが、9割を超える乗車率で、ほぼ満席でした。ふじみ野で若干名の下車があり、ここから多くの乗車がありました。東武鉄道は早ければ来年にも、朝上り「TJライナー」の運行を計画していますが、その際には現在の着席整理券による座席定員制自由席ではなく、全席座席制に変更することが予想されます(拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)144ページ)。そうしますと、現在行われているふじみ野からの無料乗車が維持されるのかどうかが焦点の一つとなります。今年に入って、3月20日・27日・28日に、池袋23時20分発の臨時「TJライナー」が運転されたことからも推察されるように、東武鉄道は「TJライナー」の運行時間帯の拡大やさらなる増便を検討しているようです。土曜休日の池袋21時台・22時台の「TJライナー」設定、川越や比企地方への行楽向け「TJライナー」など多様な列車設定を期待したいところです。
翌4月15日は、西武新宿線本川越(時の鐘と蔵のまち)06時09分発特急「小江戸2号」西武新宿行き(列車番号102)5号車に乗車しました。10000系10112最終増備編成でした。
本川越を各号車平均3人程度の乗車で出発しましたが、5号車は狭山市約20人、所沢4人と所沢までは比較的おとなしめの乗車に留まっていましたが、東村山で1人が下車したのと入れ替わって40人乗車があり、満席となりました。今日の「小江戸2号」を見る限り、東村山を特急停車駅に加えたことは大成功のようです。
それにしても気になったのは、本川越→所沢間の低乗車率と所沢からの乗車が少なかったことです。狭山市では、06時17分発「小江戸2号」を見送って、次の06時22分発急行西武新宿行き(列車番号2608)まで待つ旅客が多くいました。この中には、高田馬場・西武新宿方面の旅客だけでなく、所沢で西武池袋線に乗り換える旅客も相当する含まれているものと思われます。
現状では、仮に狭山市→池袋の全区間で特急に乗車する場合、狭山市→所沢間特急料金360円と所沢→池袋間特急料金360円の合計720円がかかります。狭山市→池袋間を利用する旅客の中には、狭山市→所沢間では一般列車を利用し、所沢→池袋間を特急利用する旅客も少なくないものと推測されます。利便性向上のためには、西武池袋線の特急料金と西武新宿線の特急料金を「通算制」にすることができれば、旅客は気兼ねなく、狭山市→池袋の全区間で特急に乗車することが可能となります。
仮に狭山市→池袋34.5kmを「通算制」にできれば、特急料金は360円となります。西武鉄道にとっても、乗車率が低くなりがちな、西武新宿線所沢~本川越間および池袋線所沢~飯能・西武秩父間の乗車率向上につなげることができるでしょう。狭山市→池袋ではをすべて一般列車で移動した旅客も、狭山市から乗車しても料金が変わらないと分かれば、新たな需要の掘り起こしにもつなげることも可能となるでしょう(詳しくは、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)155~164ページをご覧ください)。
池袋・新宿~川越・本川越間には、西武新宿線、東武東上本線(+東京地下鉄副都心線)、そしてJR埼京・川越線の3ルートがあり、競合関係にあります。中でも、西武新宿線と東武東上本線には、通勤ライナーがそれぞれ運行され、日々多くの通勤利用があります。
上記3ルートの運賃と所要時間を比較すると、以下の通りです。
西武は、新宿と川越の両ターミナルが中心部からやや離れた位置にあるものの、乗換のなさやハイグレードな特急車両の運行で高品質なサービスを提供しています。
東武は乗換の手間はあるものの、所要時間の速さで優位に立っています。
JRは埼京線と川越線の直通列車を利用すれば乗換の手間は省けるものの、3ルートの中で運賃と所要時間が最も高くなっています。しかし、恵比寿以南および臨海副都心方面へのダイレクトアクセスが最大の魅力です。
また、「通勤ライナー」の比較では、西武新宿線では専用の特急車両が使用されているのに対して、東武東上本線では一般列車と「TJライナー」の兼用車両が用いられており、内装には格差があります。東武東上本線にも、西武レッドアローのようなハイグレードな特急車両が期待されるものの、日中時間帯の一定以上の乗車率が困難であることが見込まれる中では、実現可能性は乏しいと言えるかもしれません。
しかし今後、鉄道会社は少子化で乗車人員の減少が予想され、魅力的なサービスで潜在需要を掘り起こすことがますます重要になることは確実です。鉄道会社による斬新なサービスが提供されることを期待しています。