「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

「鉄道と地域の関係について考える」と題して海老名市立中央図書館で講演しました

2014-01-18 21:03:26 | 日記
皆様、こんばんは。

今日は、「鉄道と地域の関係について考える」と題して海老名市立中央図書館で講演する機会を頂きました。

https://webebina.ebinachu-lib-unet.ocn.ne.jp/

定員30人のところ、定員を上回る市民の皆様にご参加いただきました。



講演内容は、海老名市と鉄道の関わりについての話題からスタートし、後半ではとやまライトレールやえちぜん鉄道など地域活性化に貢献している鉄道の事例、そして小田急ロマンスカーの海老名停車による地域と小田急電鉄のメリットについて、写真や文献資料などを基にしたスライド資料で解説しました。

フロアからは、「鉄道車両の標準化によるコスト削減効果の金額はいくらか」「厚木駅に小田急とJRの乗換改札ができるのは残念だが、ICカードでは1円単位運賃になり切符より安いのではないか」と言った質問や、「私は新宿から帰宅するときには本厚木までロマンスカーに乗って、各駅停車で折り返している。町田や相模大野から海老名は距離が長いので苦痛」といった切実な声まで、活発な質疑応答がなされました。

私の試算では、特急海老名停車による小田急電鉄の増収効果は1億円3千万円近くに及ぶと見ています(詳しい計算の根拠については、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』165~167頁をご覧ください http://www.tokyodoshuppan.com/book/b146929.html )。

今日は熱心に討論に参加いただいた皆様に様々なことを教えて頂きました。貴重な機会を与えてくださった皆様に心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。引き続き、鉄道と地域の関係について、研究を深めて参ります。

なお、海老名市立図書館は、本年4月より、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と株式会社図書館流通センターの共同企業体による指定管理者制度に移行します。落ち着いた内装とカフェを併設したお洒落な図書館に生まれ変わる予定です。こちらの方もぜひご期待ください。

「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」終焉へ

2014-01-18 00:54:32 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年(平成26年)3月15日のJRグループダイヤ改正に伴い、「ホームライナー鴻巣」「ホームライナー古河」が廃止されます。

1984年(昭和59年)6月1日より運行を開始した日本国有鉄道初の「ホームライナー」である「ホームライナー大宮」の流れを汲む由緒正しい「ホームライナー」ですが、「ホームライナー大宮」誕生から30年弱の歴史に終止符を打ちます。2010年3月13日のダイヤ改正までは急行「能登」の間合い運用で489系が用いられていたことで知られた列車でもありました。

東北本線「ホームライナー古河」は全廃され、代わりの特急列車は運転されないのに対して、高崎線では「ホームライナー鴻巣」に代わって、特急「スワローあかぎ」が運行を開始します。

「スワローあかぎ」は朝夕の通勤・通学時間帯に運行される「通勤ライナー」的特急列車ですが、自由席を連結する「あかぎ」と異なり、「スワローあかぎ」は全席座席指定制となります。

上野~鴻巣間46.7kmでは、自由席特急料金、ライナー料金ともに500円であるのを、「スワローあかぎ」では普通車指定席1,010円(通常期)、「えきねっとチケットレスサービス」710円、「スワローあかぎ料金券」750円と、約42%以上の値上げとなります。恐らく、同区間の普通列車グリーン料金750円を意識した料金設定なのだと感じました。

車両は651系に置き換えられます。また、「スワローあかぎ料金券」を所持している場合、事前の座席指定を受けずに乗車して空席を利用することが可能ですが、指定券を所持する旅客に座席を譲らなければなりません。この点が気がかりではあります。特に、イライラしがちな朝や宴会が多い週末などは、トラブル防止のための乗務員のフォローが大切になると思われます。

より快適な通勤を実現する新しいタイプの「通勤ライナー」に要注目です。