「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

千葉市、JR京葉線・りんかい線直通ライナー列車試行を目指す 

2014-01-24 22:16:19 | 日記
皆様、こんばんは。

今日は、千葉市役所都市局都市部交通政策課に標記の件でお話しを伺ってきました。

熊谷俊人市長が、2013年12月議会で、「ホームライナー」によるJR京葉線とりんかい線の直通運転試行を目指す意向を表明し、話題を呼んでいます。

http://www.chibanippo.co.jp/news/local/169599



市長のローカルマニフェストには「総武線、京葉線、京成千葉線等の幹線交通軸を強化し、広域的な利便性を向上(JR京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線との直通運転の模索など)」の記述があり、議会での答弁もこのマニフェストを踏まえたものであったのです。

JR京葉線とりんかい線は線路がつながっていますが、ICカードによる運賃聴衆が問題となっていて、両線を乗継ぐ旅客は、すべて新木場での乗換と両社の改札の通過を強いられています。

一方、りんかい線とJR埼京線は相互直通運転を行っています。ですから、JR京葉線とりんかい線の直通が実現すれば、京葉線沿線と渋谷・新宿が乗り換えなしで結ばれます。

JR京葉線・りんかい線・JR埼京線の直通運転を行うと、ICカードではJR線経由の運賃を引き去ることとなります。例えば、海浜幕張~新宿間はJR京葉線・東京・JR中央本線のルートでは620円、りんかい線経由では920円ですが、ICカードではJR運賃620円を差し引き、りんかい線は運賃を採りはぐれてしまうことになります。

「ホームライナー」であれば、旅客の数も限られるので、運賃920円+ライナー料金を徴収することができる余地があります。

それでも、ICカードで乗車した場合、りんかい線運賃徴収が問題となりますので、車内で車掌が現金で運賃を徴収する必要性が発生してしまいます。

ここからは私案になりますが、運賃はJR線東京経由の620円での利用を認める代わりに、ライナー列車ではなく、全席指定席特急として、1,010円の特急料金(携帯予約では710円)とし、りんかい線運賃相当額として250円~300円程度をJRからりんかい線に配分する方法もあります。これは、3月に登場する「スワローあかぎ」の料金と同じにするという意味もあります。

しかし、千葉市の最終ゴールは、あくまでも一般列車の京葉線・りんかい線の直通運転です。そうすると、特急料金によるりんかい線への収入補てんはできません。

実は類似事例があります。2003年3月19日に営団半蔵門線が押上まで開業し、東武伊勢崎線との直通運転を開始したのですが、当初は北千住~地下鉄線各駅までのパスネット運賃収受が地下鉄経由となって東武線運賃を取りはぐれる問題が発生したことに対して、後の東京地下鉄と東武鉄道の間の話し合いがまとまって、東京地下鉄から東武へ一定の収入補てんをすることで解決したことがあります。つまり、JRから東京臨海高速鉄道に一定の収入補てんを行うことが考えられます。

もしくは、りんかい線内についても、JRが第二種鉄道事業者として列車を運行し、東京臨海高速鉄道に線路使用料を支払う方法もあり得ます。これは、京成成田空港線が北総線等の線路を走行し、北総鉄道等に線路使用料を支払い、運賃は全区間で京成線としての運賃を収受している方法が参考になると思います。

JR京葉線・りんかい線直通運転実現への本ブログの提案
1. 「スワローあかぎ」的な全席座席指定特急による直通運転。特急料金のうち、250円~300円を東京臨海高速鉄道に補てんする(運賃はJR線経由の割安な運賃を適用する)
2. JRが東京臨海高速鉄道に一定割合(JR京葉線八丁堀経由とりんかい線経由の乗車人員割合)で補てんする
3. りんかい線内についても、JRが第二種鉄道事業者として列車を運行し、東京臨海高速鉄道に線路使用料を支払う

いずれにせよ、JR京葉線とりんかい線の直通運転実現への解決策は必ずあると確信しています。私も引き続き、千葉市の取り組みに注目し、応援します。


【参考資料】本ブログの記述・アイデアの一部については、『パスネットの不思議』http://www.desktoptetsu.com/passnet.htm を参考にさせていただきました。