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キコの壁画が出来るまで
(そのー2)
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増築部分の内部はどうなっているのだろうか?
天上まで20メートル近くある。ビルの4-5階に相当するだろうか?
正面のコンクリートの壁は全く凹凸の無い滑らかな面に仕上げられた
一旦足場を外すと、回りを素通しのガラスで囲まれた巨大なキャンバスが現れた。構造が単純なのと、作業をしている職人が壁から大分手前にいるので、実感がわかないかもしれないが、バチカンのシスティーナ礼拝堂の正面の壁より広い。その広い壁を囲む外の自然がそのまま見えるガラスの額縁は、実は日本の伝統建築から来ている。日本の庭園に配された屋敷の広間は、襖や障子を取り払うと、座敷から庭園の自然が連続して視野に入るのを立体的に模している。
職人たちは床に大理石を敷き始めている
あらためて足場が組まれ始めた。今度のは画家が壁に向かうためのものだ
移動式エレベーターも2基持ち込まれた。私は後日その一つに乗って天井近くまでい行ったが、高所恐怖症でなくても足がすくんだ。
背に上着のかかった椅子がキコの司令塔だ。ここから絵の全体を眺めて細部のバランスをチェックする。いつも水とパンとチーズぐらいが置かれている。
キコと、キコの建築顧問のマティアス(中央)と弟子の画家集団の一人
脇のテーブルには雑然と資料が置かれている
キコが現場でデッサンした顔や目
構図が固まったら色付けに入る。原色の絵の具の色見本。
休憩時間の職人たち。純朴で実直な人たちだ。
これで下絵を描き始める準備はほぼ整ったことになるか。
(つづく)