保育園に孫を迎えに行くとき駐車場で、赤ちゃんを抱いた女性から突然話しかけられた。「塾の先生ですよね?」と当時のタカシンという塾名、3姉妹が通っていたこと、「おぼえていますか?」大人になってきれいに変身した女性の顔から判断するのは不可能だが、名前は憶えていた。2番目のお姉さんは特に優秀だったが、現在、公立高校で英語の教師をしているとのこと。「先生の教え方を参考にしている」と嬉しいことを言ってくれた。教え子の中には、英語に目覚めて、世界中を駆け巡っている女性や高校時代にアメリカに留学した生徒、海外旅行のツアーコンダクターになった生徒など英語にかかわる仕事についた生徒が多くいて、ちょっと責任(?)を感じたりしている。英語の教師になったと言われると「おめでとう」なのか「ごめんなさい」なのか迷ってしまいそうだが。
当時、アナウンスした文章から。
~なぜあなたは英語を勉強するのですか~
Why do you study English? 2年生の英語の授業で不定詞副詞的用法がでてくるときのおきまりの儀式として、子供達がどのように答えるか、一人ひとり、まず日本語で答えさせてみる。 その答え;ガイジンと会ったときに困らないように、将来外国に行ったとき役につくように、英語ができたらかっこういい。もちろん、入試があるから、勉強しないと叱られるから、などの答えもあるが少数派だ。
ガイジン、イングリッシュ、カッコウイイと並べられると子供達は何歳頃にそういうイメージを植え付けられるのだろうかと考え込んでしまう。実際のアメリカに行けば誰でもが感じることだが、コニシキのような超ビッグな体格のアメリカ人(男女とも)に100㍍歩く毎に出くわす。日本のコマーシャルにでてくる美男美女が多ければ多いほどその対局にいる人々も非常に多くいるわけで、そういう人とも多く出会う。彼らがみな英語をしゃべり、その英語もカッコウいいとか悪いとかではなくて通じ合わなければ、生きていけない、生活できないというレベルでみな努力し苦闘している。ニューヨークとロサンゼルスとでは東京弁、大阪弁みたい大きな差があり、おばちゃん達の英語はまるで猫の鳴き声のようにミャーミャー話をしているし、太ったおじさん達のうなり声のような英語は、何を言っているのさっぱりわからない。黒人達の独特のコブシ付き英語は聞いたこともないようなリズムかつ、若い白人の英語はファックだの何だのと汚い言葉だらけの英語、日本人はジャパニーズ゙のイングリッシュ、ジャパニングリッシュを話し、チャイニングリッシュもスパニングリッシュもユダヤ系もヨーロッパ系もインド系もアフリカ系も…..。 とにかく、がむしゃらにお互い通じ合わなければならない英語にカッコウいいなどという余裕はどこにもない。
日本の英会話勉強のイメージされた話し相手は、白人アメリカ人20~30代の中流、家に帰ればプールの一つもある家に住む、そんな美男美女。しかし、それは勝手な思いこみで、そのタイプの英会話白人先生もアメリカに帰るとバリバリのブルーカラージョブで生きている。まだ日本人が一生懸命土曜日も働いていた時代、土日が休みの週休五日制の若いアメリカ人達は、土曜の夜ウェイター・ウェイトレスとしてアルバイトに励んでいた。豊かさははじめからそこにあるわけではない。
私達の英語英会話、カッコウいい、カッコウ悪い、この段階を越えるのに日本人はかなりのエネルギーと苦しさを必要とする。しかし、「その種をまいたのは誰だ。」と反発したい。が、所詮、漢字が渡ってきた頃、みな着ている物に漢字を付けていた(書いていた)そうだが、今のTシャツにわけの分からぬアルファベットを付けて町を闊歩するのと大同小異。消えては生まれ、生まれては消える英会話学校。そんな歴史に日本人コミュニケーションの何の不可思議(原因)があるのだろうか。
Why do you study English? 今、英語の必要性は、親たちの必要だったレベルをはるかに超えつつある。英語ができない、それは大きなハンディキャップになる可能性がある。「とにかく勉強しよう。」教室の窓から空を見上げながら答えを探した。Because …………………………….。
<主夫の作る夕食>
冷しゃぶをポン酢で。簡単で美味しい。
<思い出の一枚>
韓国の豚足料理