JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

メディア注目の「プリンセスメグ」こと栗原恵選手

2012-10-04 11:03:25 | メディア注目選手のその後
栗原恵選手は、高校生で代表入りして以来、メディアによって「プリンセスメグ」とはやし立てられました。「メグカナ」の「メグ」、「絶対エース」、などなど、メディアによってつけられたらニックネームは数え切れません。

実際、コート内ではサーブレシーブ免除のレフトエースでしたから、「絶対エース」というニックネームは正しいでしょう。北京OQTでは、高速バックアタックも披露し、日本中の視線が釘付けになりました。しかし、その「絶対エース」を含む全日本が機能不全に陥ってもなお「絶対エース」というニックネームに拘り続けたメディアの姿勢には疑問を感じます。

例えば、北京オリンピックでは、栗原恵選手のスパイク効果率がマイナスになる試合がありました。スパイク効果率がマイナスとは、打つと得点より失点が多かったことを示します。これには同情の余地があります。なぜなら、サーブレシーブが全く返らず、栗原恵選手に厳しい2段トスが上がり続け、がっつり2枚ブロックに付かれたからです。また、栗原恵選手がフェイントを落とす場所も読まれ、そこにはレシーバーが待機していました。そうなると、普通のアタッカーは決め切れません。私もあの状況では打てないです。しかし、あの状況で決められる選手が僅かに存在し、そういった選手こそ真の「絶対エース」なのです。

つまり、栗原恵選手は長身でサーブレシーブ免除でバックアタックを打つレフトであると言う点は「絶対エース」でしたが、実力は伴っていなかったわけです。

北京の状況では、栗原恵選手を下げて狩野美雪選手を入れ、4枚レシーブ隊形を作っても良かったはず。また、高橋みゆき選手→狩野美雪選手の交替をもっと積極的にしても良かったはずです。そういった交替をせず、普通の選手である栗原恵選手に苦しいトスが上がり続け、栗原恵選手の良さが北京で全く活かされなかったことが残念です。

北京後、栗原恵選手は怪我で代表入りと代表落ちを繰り返しましたが、木村沙織選手がレフトエースとして大成し、江畑幸子選手や迫田さおり選手も台頭し、ライトは新鍋理沙選手と山口舞選手を使い分ける戦略となったため、栗原恵選手はロンドンでメンバー落ちしてしまいました。

2012シーズンからは、シーガルズでプレーします。シーガルズと言えば、コンビとフェイントのチーム。栗原恵選手は怪我でパワーと高さを失いました。シーガルズで新たなプレースタイルを開拓してほしいです。

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