JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

メディアの「カナ」こと大山加奈選手

2012-10-04 11:23:30 | メディア注目選手のその後
大山加奈選手は、栗原恵選手とともに高校生で代表入りし、オープンをバンバン打って得点を量産するタイプのレフトエースでした。本来、竹下佳江選手のトスは合わなかったと思います。それを決めていたので、本当に凄い選手なのだなと思っていました。

しかし、残念なことに大山加奈選手には腰痛の持病があり、度重なる再発でだんだんとプレーの質が低下していきました。そのため、全日本を離れ、治療に専念。そしてWC2007で控えとして復帰を果たします。

WC2007の中継をご覧になった方、まだ覚えていらっしゃいますか?プレー中断中に、画面が頻繁に4分割され、コートの様子、柳本監督、栗原恵選手、大山加奈選手がそれぞれ映し出されました。栗原恵選手と大山加奈選手はドアップでした。これを見ると、あたかも栗原恵選手と大山加奈選手は同等の選手であり、共に重責を担う存在であるかのような印象を受けます。

しかし、大山加奈選手は腰痛が治っていませんでした。実際、少し前衛でコートに立ちましたが、ジャンプ出来ませんでした。この状態を、メディアは取材で知っていたはずです。なのに、エースポジションの栗原恵選手と同等であるかのように扱いました。

大山加奈選手はWC2007後にまた長い治療期間に入りました。本来ならば、WC2007を欠場してまで治療に専念し、北京に出られるように調整すべきだったのでしょう。結局、北京には出場出来ませんでした。その後、短期間東レでプレーしましたが、最盛期のプレーは戻らず、現役引退しました。

メディアは怪我から復帰した選手をはやし立てます。しかし、まだ十分に回復していない選手にまで「奇跡ね復活」などと活躍を期待する報道をするのは無責任でしょう。

栗原恵選手も、同じポジションの大山加奈選手が北京メンバーに居なかったことで相当苦しんだと思います。大山加奈選手がいれば、北京で栗原恵選手の苦しいときに交替で入ったかも知れません。もちろん大村加奈子選手もいましたが、大村加奈子選手は終盤のワンブロか2枚替えライト(フロントオーダーなので実質的にレフト)で使うことが決まっていたので、栗原恵選手と交替出来なかったのです。

もし大山加奈選手のWC2007強行出場にメディアの意図が絡んでいたのなら、メディアは大山加奈選手の選手生命と大山加奈選手不在による全日本の行き詰まりに責任を持つべき立場にあると考えます。