住まい・あ・ら・か・る・と

建築士・インテリアコーディネーター・そして介護福祉士として、生きるための器としての住まいへの想い

トラベルヘルパー

2015-11-04 20:10:12 | 介護
箱根里 山粧ふて 母笑ふ        筆者
富士山の 冠雪に 母笑ふ        同






昨日、一昨日と一泊二日で箱根に行ってきました

川崎の施設にお世話になっている実母を箱根に連れて行きたいと兄が言い出して、義姉と姉と4人で要介護4の母をレンタカーに乗せて片道約2時間の旅に出かけました。

母は6年前に交通事故で高次脳機能障害となりました。それまで、独居でしたが、独りで生活することは不可能となりアレコレあって施設にお世話になることになりました。その後の経過は穏やかに推移し、老化は確実に訪れていますが、オムツはしているものの、食事は箸で普通食を上手に食べるので下の心配だけすれば出かけられるかなと思っていました。

とは言え、介護に関しての知識の無い兄・義姉・姉は不安なので介護福祉士として私に同道するよう話があり、ビジネスライクで行ってきました。

箱根にはかんぽの宿にバリアフリーの部屋があり、だたのバリアフリーではなくて、リフトが天井に設置してありベッドからトイレ、浴室に寝たきりの人でも移動できるように室らえてあります。ベッドは介護用ベッドでリクライニングもでき、移動も可能で柵もあります。部屋の定員は二人なのですが、母と姉と私で一部屋にしてもらうようにエキストラベッドを入れてもらいました、ベッド3台入れても、車椅子での移動ができるほどのスペースは十分にありました。
部屋の出入り口も引き戸でバリアフリーです。

あいにくリフトは母が怖がるので使いませんでしたが、こういう部屋が室らえてあることに安心感がありました。普通のホテルでもバリアフリーの部屋はあるところもありますが、手すりが設置してある程度でなかなか車椅子OK、介護ベッドにリフト設置となると、私は今までお目にかかったことがありません。

母は障碍者となってからの方が、健常者だった時に比べて穏やかになり、当時の病院やその後のリハビリ病院でも、穏やかな人ですねと言われ続けてきました。脳の障碍によっては、攻撃的になる人も少なくありません。そんな中で、すっかりいい人になった母は、今回の旅行でも始終ニコニコしており、接待してくださったお店の人に「ありがとう」が言えて、トラブルもなく一泊二日を過ごすことができました。帰る頃になると、私の名前を呼んで探すくらいに覚醒していました。

今回の旅行に同道して、要介護でも少しでも社会性があって介護の知識のある者が同道すれば出かけることができるのだなと思いました