楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

新築余話(3)聡明な社長

2012-07-04 16:49:18 | タイの家づくり

聡明というからには、ほめ言葉のつもりです。わが家を建ててくれたK-HOMEの社長について書いておきます。K-HOMEをはじめて訪ねたのは去年の5月のことです。この時のことは、昨年の6月28日のブログに書きました。社長については、9月の二度目の訪問のときの印象を、9月25日のブログに書いています。

妻と話をするキエンカイ社長です。妻は最初の抗がん剤治療が終わって8か月以上たっていましたので、髪の毛は回復していたんですね。今と大違いです。

このとき私の描いた図面を見ながら、いろいろと話し合いました。話すうちに社長と妻が同じ年の生まれだということも分かりました。だからどうということではないのですが、それが分かってから、お互いに警戒感がなくなったような気がします。社長としても、相手が本当に自分に発注してくれるかどうか、わからないうちはある種の緊張感をもつものだと思います。

この時の私の印象としては、「利発な商売人」という感じを受けました。建築費の交渉をしているときに感じたのです。相手の懐具合を探りながら、落としどころを決めていくタイプです。それは、必ずしもよい印象ではなかったという意味です。

社長を評価できるようになったのは、実際に建築が始まってからです。まず、契約書にある建築開始日より1か月半も早く始めてくれました。途中、いくつか問題が起きると、きちんと対応するよう部下にすぐ指示を出してくれました。たとえば、風呂場のバスタブの高さが予定より10センチ高くなったとき、電話をして1時間後には、改善策を考えるために3人の監督を現場に差し向けてくれました。

建築が完了したあと、一人の大工さんが泊まり込んで家の番をしてくれていました。現場監督は、その大工さんを別の現場に投入したくて、「泊まりは明日までにしてほしい」と妻に打診しました。窓や玄関の入口にまだ鉄格子がなかったので、妻は不安に思い、社長に電話しました。すると「お客さんが引っ越しするまでは、責任をもって家を守るのが我々の仕事です」と言って、快く大工さんの宿直継続を認めてくれました。

 

このようにK-HOMEの社長は、客の要望が理不尽なものでない限り、基本的には聞き入れるスタンスなのではないかと思います。その代り、現場は苦労することになります。宿直の件も、監督が終わらせたいと思っていた日より10日も長くなりました。(大工さんが飽き飽きしている様子なので、われわれから申し出て鍵を受け取り、宿直を解消させてあげたのは、つい先週末のことです。)

社員は、なるべくならお客さんが社長に直訴してほしくないと思っているでしょう。客には良い顔をして、社員には厳しい。こういう社長は会社をしっかりさせるかわりに、社長一人に権限が集中しているので、ときには社員が息苦しく感じると思います。でも、それでいいのではないでしょうか。そういう会社だったからこそ、建築のテンポが早く、大きなトラブルもなく工事が完了したのだと思います。何よりも、会社は信用第一です。

キエンカイ社長がK-HOMEという会社を起ち上げたのは10年ほど前です。最初は手持ち資金が8万バーツ(20万円ほど)しかなかったそうです。タイの建築会社の評判はご存じのとおり、ひどいものです。社長によると、「建てるのに時間がかかりすぎる」「途中でストップしてしまう」などという悪評で満ちているそうです。社長は、「絶対にそうしない」というかたい決意のもとに会社を作ったといいます。会社のモットーは「品質のよい家」。この10年で新築した家は約100軒です。

ちょっと宣伝臭が強い記事になってしまいました。それは、この会社の人たちの仕事が丁寧で、タイでは珍しく「顧客満足」を重視している会社だということを感じたからです。ただ、社長が一番大事だと考えている「品質」のことは、まだ何とも言えません。何年か住んでみてはじめて評価できると思います。

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2 コメント

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Unknown (海外暮らし)
2012-07-05 17:00:02
珍しく?誠実なタイ人社長ですね。

きっとこれから業績も伸びていくんじゃないでしょうか。(もしくは不況になっても客が逃げないとか)

うさぎさん、ラッキーでしたね。
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その通りですね (うさぎ)
2012-07-05 21:32:53
海外暮らしさんの言うとおり、この会社は注文がうなぎのぼりのようです。新しい大きな社屋も作っています。
日本的な発想ですが、創業者が社長のうちはよい会社であり続けると思います。まだ40歳になりませんから、チェンマイの宅地開発ブームと軌を一にして、どんどん成長するでしょうね。
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