楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

タダで救急にかかりました

2012-06-04 16:03:26 | タイの医療

妻が足の指を自分のサンダルにぶつけて、爪を痛めてしまいました。抗がん剤の副作用で、手足の爪のほとんどがボロボロになっていたからです。今朝の事です。

今日は本当は私の体じゅうの痒みを診てもらうため、チェンマイ中心部にある皮膚科のクリニックへ行くはずでした。車に乗ろうとして、妻が玄関先でサンダルを履こうとした瞬間、「ああああー」という悲鳴がしました。妻の左足の親指から血がぽたぽたと落ちているのです。あわてて家の中の救急箱を開けましたが、消毒用のアルコールも底をついていました。とりあえず血止めの包帯だけして、妻を病院へ連れて行こうと車を発進させました。

近所のクリニックの前へ行ってみましたが、今日はお休みです。さて、どこの病院へ連れて行こうかと迷っていたら、「サラピーの病院へ行ってみて」と妻が言いました。今の借家からは12キロほどありますが、ハイウエーを通ると15分で着きました。

サラピーの病院は妻の「バート・トーン(黄金カード)」、つまり無料で医療を受けられる健康保険を申請した病院です。「6月15日ごろに手続が完了します」と言われていたので、もちろん今回は自費診療のつもりで行きました。

ところが受付に行ってみると、「救急だから、特別に無料にしてあげます」と、健康保険が適用された診察券を発行してくれて、救急外来でタダで治療を受けることが出来ました。

今日はタイの休日なので、医者も宿直以外はいないようでした。そのせいか、看護婦さんと男性の医療スタッフの2人で治療にあたってくれました。親指を見るなり、「すぐ爪を剥がさないといけません」と言われ、すぐに処置が始まりました。経験したことのある人はお分かりですが、指にする麻酔注射がものすごく痛いのです。妻の顔つきと、私の手を握るものすごい強さが、その痛さを物語っていました。

この美人の看護婦さん、腕は確かなようで、てきぱきと男性スタッフに指示をして、まるでベテランの外科医のような手つきで処置をしました。日本だったら、医師法違反になるのかもしれませんが。私が突然カメラを向けてもニコッと微笑んでくれました。

「右足の爪はどうしますか?」と聞かれた妻は、痛いことも忘れたかのように「そちらもお願いします」と即答しました。全部の爪がボロボロなので、いずれは剥がさなければならないのです。そして、2度目の激痛の末、両方の親指の爪が無事剥がされました。

病院に着いてから、処置が終わるまでの時間は30分くらいだったでしょうか。終わった後、治療してくれた看護婦さんとの世間話に花が咲き、妻は私の皮膚病の話まで持ち出しました。そうしたら、救急処置室の外で、その美人看護婦さんが私の身体を立ったまま診てくれました。そして、「チェンマイ市内に皮膚科の名医がいるから、そこに行きなさい」とクリニックの名前を教えてくれました。何と、今朝妻と一緒に行こうとしていたクリニックでした。「先生に電話しておいてあげますから」と、私のフルネームと電話番号も聞かれました。

妻には痛み止めと抗生物質の飲み薬も出ました。私が処方箋を薬剤窓口に持っていきました。看護婦さんとロビーで話をしていたら、わざわざ薬剤部の人がやって来て、「まだ薬を受け取ってないですよね」と言って薬をくれました。「いくらですか?」と聞いたら、「もちろん無料ですよ。バート・トーン(黄金カード)ですから。」私のタイ語がたどたどしいからでしょうか、「日本人の方ですか?」と聞かれました。

サラピーの公立病院で治療を受けるのは初体験でしたが、驚きの連続でした。とにかく、看護婦さんだけでなく、受付の人から薬剤部の人まで、スタッフ全員が公立病院なのにものすごく親切です。女も男も、ほどよい微笑みにあふれています。妻によると、バンコクやチェンマイの大学病院のスタッフとは比べものにならないくらい親切だし、田舎のカムペンペットの公立病院のスタッフのような患者への冷たさが全くないというのです。

妻が一番驚いたのは、救急手当を受けていた外国人(ミャンマー人)への対応の仕方です。ふつうのタイ人は、ミャンマーの人には見下したような態度をとることが多いのです。病院なら、まるで動物をみるような目で扱うスタッフがいてもおかしくないといいます。でも、サラピーの病院はミャンマー人にもいたって親切、フレンドリーでした。決して私にだけ親切にしてくれたのではなかったのです。

明日からも、しばらくは毎日この病院へ妻の指の治療のために来なければなりません。それが少しも苦にならない感じがする病院でした。

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2 コメント

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Unknown (サラパオ)
2012-06-05 17:53:32
妻の実家のあるウッタラディットの県立病院では、私費治療と黄金カード利用者で対応が大きく変わります。
妻が言うには使う言葉すら変わるとの事です。
待ち時間も半日はザラで実際には利用するのが難しいと言う理由で保険会社の保険に入り、わざわざピサヌロークの私立病院を利用しています。

ですから、うさぎさんのバンコク時代から現在のサラピーでの黄金カードの話を聞くと本当にびっくりです。
特にサラピーの病院は本当に良さそうですね。
サラパオさんへ (うさぎ)
2012-06-06 00:07:29
コメントありがとうございます。
公立病院の混みようは、どこもひどいと思っていましたが、サラピーはそれほどでもないのです。人口7000人のサラピー郡ですから、患者が少ないのかもしれません。今日も通いましたが、待ち時間は10分でした。
それに比べてチェンマイ大学病院は、だいたい半日以上かかります。

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