信者A 「黄先生のお話を聞いていて思ったのですが、私が教祖さまを信じたのは間違いだったのでしょうか」
黄先生 「そんなことはありません。あなたは、教祖さまの下で何らかを学ぶ必要があったのです。だから教祖さまの下に引き寄せられたのです」
信者A 「では、教祖さまを信じたことは間違いではなかったのですね」
黄先生 「そうです。あなたが、今ここに辿り着くためには、教祖さまの下での経験が必要だったのです。ですから、もしも今の教祖さまに引き寄せられなかったとしても、別の同種の教祖さまに引き寄せられたことでしょう」
信者A 「教祖さまを信じたことは間違っていないとおっしゃっていただき、なんだか、ほっとしました」
黄先生 「そうですか。……ほっとしたところで気の毒ですが、今まではそれでよかったとしても、今後はどうなるかわかりません」
信者A 「どういうことですか」
黄先生 「何らかの学びのために教祖さまの下に引き寄せられたというのはいいのですが、教祖さまの下から飛び立つべき時が来ても、飛び立とうとしないなら、それは間違いということになるでしょう」
信者A 「厳しいですね」
黄先生 「そんなことはないでしょう」
信者A 「正直な話をしますと、私は、信仰を手放すのが恐ろしいのです。信仰を手放したら、地獄に堕ちるのではないかと、恐ろしくてたまらないのです。この頃、よく夢を見ます。信仰を失って地獄に堕ちる夢です。そんな悪夢を見たときは、急いでベッドから下りて、ひざまずき、『教祖さまを信じさせてください』と祈ります。でもやっぱり、同じ夢を見てしまいます」
黄先生 「それほどまでに、教祖さまを信じないことは罪であると刷り込まれているのですね」
信者A 「……」
黄先生 「では、次に、信仰を手放すことは、罪であるのかどうかという話をしましょう」
信者A 「お願いします」
(つづく)