自燈明・法燈明の考察

苫米地英人氏の明治維新の本を読んで

 殆ど季語の様になってますが、残酷な暑さが続いています。この陽気の中、皆さんは如何お過ごしでしょうか。
 新型コロナウィルス感染拡大の中でもあるので、私は夏休みなのですが、どこに出掛けるでもなく、動画を見るか、読書をして過ごしています。

 昨日「明治維新というなの洗脳」(苫米地英人著)を読みました。この本、それほどボリュームがある本ではないので、三時間程度で一気読みしました。

 この本に拠れば、今の世界は国際金融資本主義であり、戦争や貧困格差はこの為に起きていると言います。
 日本がこの国際金融資本主義に飲み込まれたのは幕末から明治維新頃であると言い、だから明治維新以降、日本は太平洋戦争まで戦争が続き、それは現代の日本政府にも続いていると言うのです。確かに太平洋戦争以降、日本は表向き戦争に巻き込まれていませんが、朝鮮半島やベトナム、また中近東でも戦争は常に行われていて、日本はそれぞれの戦争に関与している事を指摘、そして近年でも尖閣諸島での緊張が高まっているとして、こういったカラクリの歴史を日本人として学ぶべきだとありました。

◆戦争を起こす本質
 この本を読んた時、改めて思い出したのはソマリアの海賊の事でした。ソマリア沖ではこの海賊に貨物船等が襲撃されるので、この対策として世界各国で海軍をソマリア沖に派遣して対応しているのは、皆さんご存知だと思います。

 このソマリアの海賊の多くは、ソマリア沿岸の元漁師でした。しかしソマリアで内戦が起きて政府は崩壊し、無政府状態となってしまいました。するとソマリア周辺国の沿岸の漁師たちは、ソマリア漁師の漁場に侵入してきました。本来なら沿岸警備隊等が排除するところですが、無政府状態となった為にそれも出来ず、結果としてソマリア漁師の漁場は周辺国の漁師に荒らされ無くなってしまったのです。

 そんな彼らは生きるために海賊を始めましたが、それを後押ししたのはアメリカ資本家でした。アメリカ資本家はソマリア漁師が海賊行為を行う為に武器購入する資金を彼らに高利率で貸し与え、それにより巨額の富を得たと言います。

 アメリカ資本家達から見たら、ソマリアの元漁師が行う海賊行為も、高利率の投資先となり、ソマリア海賊もその借金を返済する為に海賊行為に拍車が掛かりました。しかし結果として海賊行為は犯罪行為である事から、彼らソマリアの人達は、自分達に資金提供しているアメリカの海軍を始めとして世界の海軍により取り締まられ、場合によっては殺害されているのです。

 元ソマリア漁師の人達は日々の糧を得るために海賊行為を行い、アメリカの資本家達は彼らを「資金的に援助」する為にお金を貸付け多額のペイバックを得て、そしてアメリカを始めとした政府は、そんな海賊行為はけしからんと、ソマリアの海賊を殺害する。

 一番馬鹿を見ているのは元ソマリア漁師の海賊達なのです。そして一番美味しい思いをしているのは、そこに投資をしているアメリカの資本家達。それがソマリア沖で起きている海賊問題だという事なのです。

◆戦争は資本が起こす
 以前に元傭兵だった、テレンス・リー氏が著書の中で語っていましたが、戦争を起こすのは人や国ではなく「資本」だと言います。お金が集まり巨大な資本となると、より富を求めて戦争が起きると言うのです。

 戦争とは「国家の外交の延長線上にある行為」とも言われていますが、「国が行う最大の公共事業」とも呼ばれる程、そこには巨大な資本が動きます。

 歴史上、この戦争によって巨万の富を得てきた資本家として有名なのは「ロスチャイルド一族」で、この一族は現代においても世界でトップクラスの資本家として国際金融業を中心に、莫大な資本を動かしています。

 彼らは資本家として歴史上、様々な戦争に「ビジネス」として関わりを持ち、常にそこから莫大な利益を得てきました。彼らにとって戦争とは人々が殺し合う行為では無いのです。戦争で消費される戦費等を調達する事に「ビジネス」として関与しているのです。これは当にテレンス・リー氏が言う「資本が戦争を起こす」という事、そのままの姿であると言っても良いでしょう。

◆幕末の状況
 幕末の状況ですが、苫米地氏によれば萩藩(通称、長州藩)には今の日本でいう「特別会計」があったと言います。この今の日本にある「特別会計」というシステムは、歴史的に太平洋戦争の遂行の為に作り出されたシステムだと言われていますが、実はその淵源はこの萩藩にあった仕組みだというのです。
 表向きの藩の石高とは比較にならない程の莫大な裏会計を萩藩は作り出していて、その資金により幕末の倒幕運動は支えられたと言い、このシステムはそのまま明治政府に引き継がれたというのです。
 またこの萩藩の持つ莫大な資金に目を付けたのは、イギリスの商人たちであり、その商人たちを経由して、幕末に相次いでイギリスの銀行も次々に日本に支店を開設、幕府と薩長に国際資本を投下したと言います。

 この辺りはとても複雑なので、今回は割愛しますが、幕末から明治維新にかけて、司馬遼太郎氏の史観とは異なる姿があり、それは現代まで連綿と続いているというのが、苫米地氏の書いている事なのです。

 戦争と平和。
 この事については、もう少し掘り下げて見る必要があるようです。




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