自燈明・法燈明の考察

黒人暴行死事件について

 今の世界は端的に言えばグチャグチャですね。

 アメリカでは黒人が警察官からの暴行を受けて死亡した事件から、全米に抗議活動が拡大し、混沌とし始めています。

 またこの抗議運動に対して、トランプ大統領が、襲撃され破壊された教会の前で聖書を片手に「アメリカは偉大な国だ」なんてあパフォーマンスをしたり、ANTIFA(アンチ・ファシズム運動)をテロ組織に指定しようとしたり、この暴動鎮圧に軍を投入しようとしたりして、まるで「火に油を注ぐ」様な行動を続けています。


 アメリカには「公民権運動」というのが昔からあって、元々西アフリカから売りとはされた黒人奴隷がいて、その末裔達が今のアメリカには多くいます。リンカーン大統領は、黒人の奴隷解放宣言をしましたが、元々奴隷なのでそう易々と権利を確立する事は出来ませんでした。その後も長い時間と様々な人達がこの公民権運動を行ってきましたが、未だにアメリカには黒人を始めとした人種差別が存在し、人種により多く人達が差別を受けています。

 今回の被害者男性の弟は「抗議活動の暴徒化」に抗議していましたが、中々収まる事が無いようです。一部では暴徒化が沈静化し、警官と抗議デモ参加者が共に「人種差別を乗り越えよう」とい動きがあるようですが、今後も暴動が続くでしょうし、恐らくそこの背景には長い間、続いた人種差別による社会の貧困格差もあるのでしょう。

 要は簡単に言えば、安い賃金で略奪行為をする人も出てくるだろうし、それに相乗りして襲撃を行う貧困黒人層等も出てくると云う事で、当然、そこには警察等が鎮圧する為に鎮圧行動も行われます。

 こういったアメリカの状況を喜んて見ているのは中国共産党ですね。

 かの国にしても今回のアメリカ暴徒化問題で、香港デモへの中国警察の鎮圧行動への、アメリカからの圧は確実に減りますし、何よりも自分達の行っている行為を正当化しやすくなりますからね。

 中国はアメリカ以上に多様な人種が住む国で、しかも国家として「公民権運動」の様な歴史がありません。この中国の歴史は歴代の皇帝は民衆を「食わせる事」に腐心してきた歴史があります。もし皇帝が民衆を食わせられなくなったら、その時は皇帝が民衆に食われてしまうと言う歴史を繰り返してきた場所です。今の中国共産党にしても、自分達の位置を確保しつつ、如何に民衆を食わせようか必死なのでしょう。そしてその為には、自分達の位置を確保し続けなければならず、それは力による人々への圧政に他ならないと思うのです。

 今の人類社会は、国家という単位で組み上がっているモザイク社会です。そして国家の基本は民族であったりするのですが、アメリカや中国等は単一民族の国家ではありません。いや、この二十一世紀の国家で、単一民族の国家は一部しかなく、多くは他民族化を余儀なくされています。
 この多民族化した国家を単一人種や民族が統治する事が出来るのか。文化や習慣・宗教の違う人達を抑えていく事が可能なのか。

 中国にしてもアメリカにしても、この暴徒化の問題の背景にあるのは、そんな事ではないでしょうか。
 今の人類社会の単位である国家。これの形を維持するには、対話や多様性の容認だけでは難しいという事実があり、結果として国家は対話ではなく強権を持って抑え込まなくてはならなくなる。

 突き詰めて考えていくと、そこには人類の抱える「カルマ(業)」の様なモノが見え隠れする様に感じてしまいます。


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