次世代総合研究所・政治経済局

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安倍政権、早くも正念場か

2006年10月05日 01時05分17秒 | Weblog
本日のIHT(印刷版)を読んでいたら次のところで出掛かったあくびを飲み込んだ。

 ソウルの高麗大学のナム(Nam Sung Wook)教授-この人はこれまでにもご紹介したことがあるようにIHT紙が決まってコメントを求める北朝鮮問題の専門家だが-によれば北朝鮮が核実験をするかどうかは五分五分で、その多くは安倍会談後に中韓両国がそれぞれ何をいうかに掛かっている」(Much of the decision will depend on what China and South Korea say after their summits with Abe)

本日の日経記事によれば、今回の核実験宣言は、中韓両国に「だから金正日を怒らせるとろくなことないよ」と言わせるために北がやったこととの観測があるというが、そこには安倍がそんなブラフではビビらない人物だという認識が欠けている。(だからさすがに今回の宣言は中国が北を焚き付けたものではないと私は思う。そこまで中国のスパイ網もお粗末ではないだろうから)

 上記のナム教授のコメントは「会談で」ではなく「会談後に」というところがミソだろう。つまり、中韓両国が安倍氏の鼎の軽重を見ようとしており、それを金正日が察知しようとの意図があると思われるからだ。

 中国では胡錦涛国家主席、温家宝首相、呉邦国全人代常務委員長のベスト3揃い踏みの会談で「破格の厚遇」を受けるとされる安倍氏だが、ナニ、実は「彼らは人物鑑定団♪」なのではないか?

 安倍氏に人気投票することで結果的にクライシスを招いた日本国民、今となっては極く一握りの政治家の「外交」にその命運を託すしかなくなったわけだが、有事に備えて法制度の整備もしておく必要があるだろう。

 というのも、「核兵器」保有ということになれば、北朝鮮の状態は「大量破壊兵器」保有とされたイラクとほぼ同様となるからで、今後は粛々と国連安保理における非難決議等が採択される可能性もあるからだ。「周辺事態法」は日米安保条約の効果的な運用に寄与し、我が国の平和及び安全の確保に資することを目的としているのだから、多国籍軍には適用できないからだ。

 唯一誤算なのは、次期事務総長に韓国外交通商相の潘基文(パン・ギムン)が内定したことだ。とすればこれについても米国が最後に拒否権発動で大ドンデン返しがあるかもしれない。