ありあけのこゝちこそすれさかづきに
ひかりもそひていでぬとおもへば 能宣
山
黛色迥臨蒼海上泉聲遥落白雲中 百丈山 賀蘭暹
勝地本来無定主大都山属愛山人 白
夜鶴眠驚松月苦暁鼯飛落峡煙寒
(酒)
拾遺集 雑秋歌
をみにあたりて侍りける人 大中臣能宣
有明のここちこそすれ盃の光もそひていでぬと思へば
山
題百丈山 賀蘭暹
黛の色は迥かに蒼海の上に臨めり。
泉の声は遥かに白雲の中に落つ。
遊雲居寺贈穆三十六地主 白居易
勝地はもとより定まれる主なし。
おほむね山は山を愛する人に属す。
題遥嶺暮烟 都在中
夜の鶴眠り驚いて松月苦なり。
暁の鼯飛び落ちて峡煙寒じ。
三壺雲浮七万里之程分浪五城
霞峙十二楼之構挿天 都
奇犬吠花聲流於紅桃之浦驚風
振葉香分紫桂之林 同
謬入仙家雖為半日之客恐歸舊里
纔逢七世之孫 江
仙家附道士隠倫
神仙策 都良香
三壺に雲浮べり。
七万里の程に浪を分つ。
五城に霞峙てり。
十二楼の構天を挿めり。
同 都良香
奇犬花に吠ゆ。
声紅桃の浦に流る。
驚風葉を振ふ。
香紫桂の林に分てり。
二条院宴落花乱舞衣序 大江朝綱
謬ちて仙家に入りて、半日の客たりといへども、
恐らくは旧里に帰りて、纔かに七世の孫に逢はんことを。
通夢夜深蘿洞月尋蹤春暮柳門塵 菅
ぬれてほすやまぢのきくのつゆのまに
いかでかわれはちよをへぬらん 素性
山家
遺愛寺鐘㩻枕聽香鑪峯雪巻簾看 白
蘭省花時錦帳下廬山雨夜草菴中 同
(仙家 附道士隠倫)
遠念賢士風 菅原文時
夢を通して夜は深けぬ蘿洞の月。
蹤を尋ねて春は暮れぬ柳門の塵。
古今集
素性法師
ぬれてほす山路のきくの露のまに
いつかちとせをわれはへにけむ
香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁 白居易
遺愛寺の鐘は枕を㩻てゝ聴く。
香爐峯の雪は簾を撥げて看る。
廬山草堂雨夜独宿 白居易
蘭省の花の時の錦帳の下。
廬山の雨の夜の草菴の中。
漢高三尺之釼坐制諸侯張良一巻之
書立登師傅 後漢書
項荘之會鴻門寄情於一座之客漢
祖之帰沛郡傷思於四方之風 後漢書
四海安危照掌内百王理乱懸心中 百錬鏡 白
幸逢尭舜無為化得作羲皇向上人 白
帝王 附法王
後漢書文
漢高の三尺の剣、坐ながら諸侯を制す。
張良が一巻の書、立ちどころに師伝に登る。
後漢書文
項荘が鴻門に会せし。
情を一座の客に寄す。
漢祖の沛郡に帰せし。
思を四方の風に傷ましむ。
百錬鏡 白居易
四海の安危をば掌の内に照し、
百王の理乱をば心の中に懸けたり。
讃太宗皇帝 白居易
幸に尭舜無為の化に逢うて、
羲皇の向上の人たることを得たり。
隴山雲暗李将軍之在家潁水浪閑
蔡征虜之未仕 菅三
職列虎牙雖拉武勇於漢四七将学
抽麟角遂味文章於魯二十篇 順
雄剱在腰抜則秋霜三尺雌黄自口
吟亦寒玉一聲 順
(将軍)
清慎公辞左近大将表 菅原文時
隴山雲暗し。
李将軍が家に在る。
潁水浪閑かなり。
蔡征虜のいまだ仕へざる。
右親衛藤亜将読論語序 源順
職虎牙に列せり。武勇を漢の四七将を拉ぐといへども。
学麟角を抽づ。遂に文章を魯の二十篇に味はふ。
和歌所別当左親衛中郎将奉行序 源順
雄剣腰に在り。抜けばすなはち秋の霜三尺。
雌黄口よりす。吟ずればまた寒玉一声。
倭漢朗詠集
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