写真は奈良県葛城市にある 『二上山』(にじょうざん) の夕暮れ時です
「生の世界と死の世界をわける結界」
作家・五木寛之さんは二上山のことを、こう語っています
奈良盆地の東に位置する三輪山から太陽が上り
西の二上山に沈む夕日は
昔から大和の人たちに愛された景色で
万葉集にも二上山を詠んだ歌がいくつかあります
うつそみの人なる我や明日よりは
二上山を弟背(いろせ)と我が見む (大来皇女)
~この世に生きている私は、これから二上山を弟と思って眺めることにしましょう
天武天皇の皇子、大津皇子が謀反の罪で刑死し
二上山に移葬された時に
妹の大来皇女が詠んだ歌です
夕日が沈む二上山の美しさと寂しさは
1300年経った今も変わらず
大和の人々の心に響くものがあります